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特集・コラム 2023-11-15

介護福祉士の履歴書の書き方とは?知っておくべきポイントや注意点、実際の例文を解説

介護福祉士として採用されるためには、自分のことを効果的にアピールできて、採用者に好印象を残せるような履歴書を書くことが大切です。

この記事では、介護福祉士になるために知っておきたい履歴書の書き方や自己PRのポイント、履歴書の書き方の例について紹介します。

介護福祉士の履歴書はどう書く? 基本的な書き方を紹介!

履歴書にはさまざまな記載項目があり、どれも正しい日本語で、誰が見ても読みやすく分かりやすい内容にまとめることが大切です。

ここでは、履歴書の記載項目と書き方を紹介します。書類選考を経る企業では、職務経歴書とあわせて履歴書の内容が面接や採否を決める判断材料となるので、しっかり目を通したうえで正しく書きましょう。

日付・基本情報

履歴書上部にある日付には、採用担当者に提出する日を書きましょう。たとえば、書類選考のために提出する場合は、ポストに投函する日を書きます。企業に持参する場合は、面接日を書いてください。

なお、日付を含む各年号は、履歴書全体と統一します。たとえば、和暦(令和○年)を書くのであればほか項目の年号も和暦で、西暦(202○年)で書くのであればほか項目の年号も西暦で統一してください。

基本情報には、履歴書を送付・持参する本人の氏名・住所・電話番号を書きます。氏名は戸籍どおりに、住所は省略せず正式名称で書きましょう。氏名や住所の上部に「ふりがな」「フリガナ」とある場合は、それぞれひらがな・カタカナで表記を統一します。

電話番号については、固定電話・携帯電話いずれも問題ありません。日中などいつでもつながりやすい電話番号を書きましょう。

証明写真

証明写真は、撮影日から3カ月以内のものを選び、貼り付けます。履歴書の証明写真枠にきちんとおさまるよう、丁寧に切り取り、ノリ付けしてください。万が一、写真が履歴書から剥がれても誰のものであるかわかるように、写真裏面には名前を書いておくと安心です。

近年ではスマートフォンアプリで証明写真を撮影・作成できますが、写真館や証明写真機で撮影したもののほうがきれいに仕上がるので、都合にあわせて適したものを選びましょう。

学歴・職歴

学歴・職歴については、一行目に「学歴」と書いてから時系列で書きます。学歴は中学校卒業以降から記入し、「○○市立○○中学校」のように正式名称で書きます。入部していた学部・専攻・コースなども省略せず、正式名称で記入しましょう。

その次に、一行空けて「職歴」と記入し、今までの職歴を書いていきましょう。職歴は正社員・契約社員・派遣社員の経歴を記入しますが、職歴は正式名称の会社名のほかに、部署や担当業務を記入してください。

なお、パートやアルバイトの経験については、福祉介護士の仕事へ応募する履歴書に記入する必要はありません。

ただし、介護や福祉にまつわるアルバイトやパートをしていた場合、職歴として書いてあるとアピールポイントとして評価される場合があります。

すでに退職した場合であれば「一身上の都合により退職」、現在も勤務しているのであれば、「現在に至る」「在職中」のように書き、すべて書き終わったら一行空けて、右下に「以上」と書いてください。

免許・資格

免許や資格を書くときは、正式名称を書きます。たとえば、ケアマネジャーであれば「介護支援専門員」、実務者研修であれば「介護福祉士実務者研修」などです。

すでに取得している場合は「取得」と記入し、介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの研修を受講済みの場合は「修了」と記入します。また、現在資格取得に向けて勉強中であれば「○○の資格取得に向けて○○月より勉強中」「令和○年○月に○○資格を取得予定」と記載しておくことで、勉強したうえで業務に取りかかれることをアピールできます。

なお、取得した資格は、日付順に書くのがマナーです。登録証や資格者証に記載された日付が取得日になりますので、間違えないよう注意しましょう。

長所・短所

長所や短所には、なぜそう思うのか具体的な理由も交えて書きましょう。履歴書は、面接や採否の判断材料の一つであることから、業務に活かせる長所を書くことでアピールにつながります。

短所はネガティブなイメージを与えないように書くのがポイント。自身の短所をどのように受け止め、どのようなことを努力しているのかを一文添えると、ポジティブな内容にまとまります。

たとえば「自由気ままでマイペースな性格」が短所だった場合は、「自由気ままでマイペースな性格を短所として受け止めているので、10分前行動を心がけ、ルールを守るよう意識している」といった内容にまとめましょう。

また、趣味や特技の欄も判断材料の一つであることから、「特になし」と書いてしまうと心象が悪くなる場合があります。ネガティブなイメージのあるギャンブルや嘘などでなければ、積極的に書くのがおすすめです。

たとえば、読書好きをアピールすれば、介護や業務に役立つ知識が豊富であることを強みとして評価されるかもしれません。また、自分が熱中しているスポーツや趣味をアピールすることで、継続力と熱心さを評価してもらえる可能性もあるでしょう。

このように長所・短所、さらには趣味や特技の欄も丁寧にまとめることで、人柄や特徴を知ってもらう機会につながったり、面接時のアイスブレイクのきっかけになったりする場合があるので、ポジティブな内容に仕上げつつ、自身のアピールに役立てましょう。

志望動機

志望動機は、面接や採否に大きく影響する項目です。そのため、入社後の働き方をイメージできるような内容にまとめることが大切です。「なぜここを選んだのか」が具体的にわかるよう書き上げましょう。

もし、前職の退職理由が給与の低さであり、応募先の給料が高いからといった理由であっても、志望動機に書くことは避けてください。このような志望動機では不純と判断されてしまいます。

たとえ給料の高さが志望動機であっても、給与以外に魅力的に感じた部分もあるはずです。魅力的に感じた部分を志望動機に上手に絡め、ポジティブな印象または熱意が伝わる内容にまとめるよう心がけましょう。

自己PR

自己PRはその名のとおり、自身のアピールポイントを書き、採用へとつなげる項目です。そのため、自身のアピールポイントと、応募先が求める人物像のマッチ度がどれだけ高いかまとめることが大切です。

たとえば、「簿記2級」を持っていて「経理には自信がある」といった内容だと、介護業務に活かせるか疑問を与え、マッチ度が低いと判断されてしまいます。

自己PRは自身のアピールポイントのなかでも、応募先で活かせるものを選び、完結にまとめるよう心がけましょう。

本人希望欄

本金希望欄は、入社した場合の希望や、応募先に伝えておきたい内容を書きます。もし、特記することがない場合であっても「特になし」で済ませず、「貴社規定でお願いいたします」など、一文書くよう努めましょう。

また、在職中に求職活動をおこなう場合であれば、日中など勤務時間中は電話に出られないことが予想されます。そういったときでも問題なく連絡がつくよう、「連絡は平日○時から○時までの間でお願いいたします」などと書いておくとよいでしょう。

履歴書で好印象を掴む5つのポイント

履歴書の各項目は、面接や採否を決めるうえで大切な判断材料です。そのため、丁寧にまとめることはもちろん、丁寧に仕上げるよう心がけることも大切。ここでは、履歴書で好印象を掴むポイントとして5つ紹介するので、どんなポイントに留意すべきかを見ていきましょう。

1. 修正液や修正テープは使わない

手書きで履歴書を書くときは、誤字・脱字がないように丁寧に書くように努めましょう。もしも間違えてしまったときは、修正液や修正テープは使わず、新しい用紙を使って書きなおしてください。

2. ペンは黒字|消えるペンは使わない

書き損じたときに消しゴムで消せるからと、鉛筆で書くのはNGです。ほかにも、あとから修正しやすいようにと書いても消えるペンを使って書く方もいますが、これも使ってはいけません。

消えるインクはコピーすると熱で消えてしまうため、なにが書かれているのかわからなくなってしまいます。履歴書を書くときは、必ず消えない黒のペンまたは万年筆で書くようにしてください。

3. 空欄を作らない|「特になし」もNG

履歴書は、面接の前に自己アピールができる大切な機会です。履歴書に空欄があったり、「特になし」といった記載があったりすると、入社意識が低いように見られてしまいます。そのため、履歴書はすべての欄を埋めるようにしましょう。

4. 誤字脱字に注意する|応募する前に見直しを

すべてを記入し終わったら、誤字脱字はないか、記入漏れはないかなどをチェックしてください。間違いがあると、基本的なマナーができていない印象を与えてしまう可能性があるので注意するようにしましょう。

5. コピーをとっておく

記入した履歴書は、コピーをしておきましょう。面接では採用担当者が履歴書に書かれている内容をベースにして質問することがよくあるため、面接の練習のために取っておくことをおすすめします。

履歴書でアピールするには? 志望動機と自己PRのポイントを紹介!

自分の学歴や職歴は今までの経歴を記入するので、それほどむずかしくはありませんが、志望動機と自己PRはどのように書けばよいのかわからないという方も多いようです。

志望動機と自己PRは採用担当者に、自身の人柄や仕事への意欲を知ってもらうためには大切な項目なので、自身の強みをしっかりとアピールするようにしましょう。ここでは、志望動機や自己アピールの押さえておきたいポイントを紹介します。

志望動機のポイントとは

志望動機は「なぜこの職場で働きたいと思ったのか」ということを採用担当者に伝える大切な手段です。ここでは、志望動機を書くポイントを解説します。

その職場で働きたい理由を伝える

採用担当者が知りたいのは、数ある職場のなかでなぜこの職場を選んだかということです。応募する施設のホームページなどから情報収集して、その職場はどのようなサービスを提供しているのかなどを確認して、その職場で働きたい理由をまとめましょう。できれば具体的に伝えられると、好印象を与えられます。

「家から近いため」「時給が高いため」といった自分都合の内容を伝えると、仕事に対する意欲が低いと判断されてしまいます。志望動機は、応募先とのマッチ度をはかる項目でもあるため、自身の動機と応募先のマッチ度を考慮しながらまとめるよう注意しましょう。

入社後の目標やキャリアプランを伝える

自分の働き方やその先のビジョンなど、今後の目標やキャリアプランを伝えましょう。採用担当者は、ただなんとなく働いている人よりも、目標を持って働こうとしている人を求めています。

「将来的には介護支援専門員を目指したい」、老人施設で働こうとしているなら「認知症ケア専門士としてのスキルを活かしたい」など、入社後の目標やキャリアプランを伝えるようにしましょう。

自己PRのポイントとは

自己PRでは、自身がどのような人柄なのか自己分析をしてアピールをします。ここでは履歴書の学歴や職歴だけでは伝わらない人柄などを自己PRから確認をして、職場の雰囲気や求めている人物像にマッチしているのかを見ているからです。

介護福祉士の仕事は人柄を重視する施設も多く、採用担当者も選考の判断材料として重要な項目になりますのでしっかりと自己アピールをしましょう。

仕事に活かせる自分の強みや経歴を伝える

介護福祉士は、人と触れ合う仕事です。そのため、採用担当者は経歴だけではなくその人がどんな人物なのかを重視します。過去に介護福祉士として働いていたのであれば、前職でのエピソードや経験を交えながら自身の強みをアピールしましょう。

たとえば、どんな仕事やシフトにも対応できる柔軟性や協調性の高さは、柔軟性と多方面とのコミュニケーションが求められる介護福祉士にとって大切な要素です。

異業種からの転職であった場合は、前職でどのような仕事をしていたのかを具体的に伝えて、それがどのように介護福祉士として活かせるのかをアピールしてください。自分の強みをどのように仕事に活かせるのかを具体的に採用担当者に伝えることが大切です。

また、苦手なものや対応できない業務などの短所についても正直に書くことで、誠意がある印象を与えられる可能性があります。

求められている人物像に沿った内容にする

応募する施設によって、求められている人物像がそれぞれ違います。たとえば、夜勤が多い施設には体力に自信がある方が求められますし、デイサービスでは利用者と一緒にレクリエーションを楽しめるコミュニケーション力の高さが求められることが多くなります。

施設によって求めている人物像が違いますので、自己PRはその人物像に沿った内容にしましょう。このときに、志望動機の内容と結びつくように記入するようにしましょう。

介護福祉士の雇用主は履歴書で何を見るのか?

介護福祉士の雇用主は、履歴書を通して就職希望者の何をチェックするのでしょうか?この章では、介護福祉士になるための履歴書では、何を見られているのかを紹介します。

履歴書に書く内容を考える際の参考にしてみてください。

面接希望者の素性を知るため

介護福祉士の仕事の雇用主が履歴書を見る際は、履歴書が丁寧に仕上げられているか、内容にミスマッチがないかを確認して、就職希望者の素性を探ります。

内容が雑であったり、誤字・脱字が見られる履歴書だったりすると「この人は業務も雑にこなしそうだな」と、悪い印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。

その一方で、書いてある内容が丁寧で、誠意が伝わる履歴書を提出すれば、仕事も丁寧だという印象を与えられると、採用を前向きに検討してくれるはずです。

自分の営業所との相性を見たい

雇用主が履歴書で重視しているものの中には、職場との相性も大きいです。その中で、職場で不足している人材をカバーできるスキルや資格、現場経験の有無をチェックします。

また、現場職員との協調性や介護者との円滑なコミュニケーションがとれそうかという点もよくチェックされるポイントです。

面接を受ける会社の業務内容や求めている人材について把握し、あなたが適任であることを履歴書でアピールできる内容にまとめましょう。

面接内容を検討したい

採用者は就職希望者の経験や興味関心について履歴書で知って、面接で質問する内容を考える材料として利用したいと考えていることも多いです。

履歴書を書いたら、採用者がどのような質問をしてくるのかを考えて、面接に向けて準備しておきましょう。どんな理由で履歴書の内容を書いたのか、きちんと答えられるようにしておくことが重要です。

履歴書を書く際の注意点とマナー

履歴書を書く際の基本事項やポイントについておさえたところで、今度は履歴書を書く際の注意点についてもチェックしておくことが大切です。

・ネガティブなことは極力避ける
・誤字脱字を提出前に何度もチェックする
・面接場所で提出するならクリアファイルに入れた状態で

これらの注意点について確認して、履歴書を準備していきましょう。

ネガティブなことは極力避ける

履歴書には、できるだけネガティブな内容は書かないのがおすすめ。なぜなら、履歴書はあなたをアピールすると同時に、悪いイメージを与えてしまうリスクもあるからです。

自分の苦手なことや短所について書くのはいいですが、ただ単に短所を書くのではなく、短所を踏まえた自分の心がけについて書くのがいいでしょう。

たとえば、コミュニケーションに苦手意識があるなら「コミュニケーションに苦手意識があるが、相手を尊重して話を聞くことができる」と書くと、コミュニケーションのデメリットではなく、相手の話に耳を傾けられるという点をアピールできます。

誤字脱字を提出前に何度もチェックする

履歴書は自分の経歴や特徴をアピールできる文字媒体ですが、一度提出してしまうと訂正できません。

そのため、採用者が履歴書を読んだ時に「誤字脱字ばかりで信用できない」という印象を与えないように、提出前に何度も誤字脱字をチェックすることが求められます。

面接場所で提出するならクリアファイルに入れた状態で

面接場所で履歴書を提出するなら、クリアファイルに入れた上で、封筒などに入れて持参するのがマナーです。履歴書を提出する際は、封筒からクリアファイルを出して、履歴書をクリアファイルに入れたまま提出するようにしましょう。

【良い例・悪い例】履歴書の例文を解説

履歴書の例文があると、実際に履歴書を書く際に便利ですよね。この章では、履歴書の良い例・悪い例をそれぞれ紹介します。介護福祉士として採用されるための、履歴書の書き方に悩んでいる方は、参考にしてみてください。

良い志望動機の例

「必要とする方に寄り添った懇切丁寧な介護サービスに惹かれ、貴社を志望しました。私は7年間、デイケアの職場で介護士として働いています。現場経験はもちろん、チームのマネジメントも経験して、自身のスキルアップをはかってきました。

仕事を継続していく中で、よりサービス利用者に寄り添った介護サービスに従事したいという思いが強くなり、介護福祉士の資格を取得しました。

貴社はサービス利用者一人ひとりに寄り添ったケアプランをもとに介護サービスを提供しており、地域の高齢者や障がい者の方からの評判が非常に高いとうかがっております。

貴社の利用者に対する介護サービス体制をさらに充実させられるよう、持ち前の笑顔とマネジメント経験を活かし、サービス利用者が自宅のような安心感の中で過ごせるよう努力していく所存です。」

履歴書の志望動機では、志望する理由や根拠、採用された後のビジョンを明確に表現することが大切です。また、自分の経験や内面的な強み、熱意を組み込むことで、採用者に対して力強くアピールできる履歴書になるでしょう。

悪い志望動機の例

悪い志望動機の例は、ネガティブなことをそのまま履歴書に書くことです。たとえば、以下のような志望動機が悪い例として挙げられます。

・人間関係が最悪だったので前職を辞めた
・給与面で条件がよかった貴社を志望した
・できるだけ楽な勤務体系の仕事を探している

前職に関するネガティブな内容や給与面での条件を全面に押し出した志望動機は、採用者が警戒されてしまう可能性があります。また、楽をするために転職しようとしていると、熱意が感じられない履歴書になってしまうのでNGです。

介護福祉士として働くために必要な履歴書を準備して、希望する職場に就職をしよう!

この記事では、介護福祉士として就職するために必要な履歴書の基本的な書き方やポイント、注意点について解説しました。

介護福祉士として働くためには、履歴書であなたの経歴や熱意、長所などを効果的にアピールしていく必要があります。

ただし、誤字脱字が多かったり、ネガティブなイメージが残ったりするような履歴書は、採用されにくいリスクがあるので何度も確認することが大切です。自分の強みをアピールできる履歴書を準備して、介護福祉士として希望する職場に就職しましょう。

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