介護福祉士になるには?|国家試験の難易度やおすすめの勉強法を紹介
今後もますます高齢化が進行すると推測されていることから、介護福祉士の需要が高まっている日本。
しかし、この資格は一体どうすれば取得できるのでしょうか。ここでは、介護福祉士の概要はもちろんのこと、資格取得の方法、国家試験などについてくわしくご紹介します。
介護福祉士とは
介護系の資格のなかで、唯一の国家資格に該当する介護福祉士。おもに、介護を必要としている人が生活するための行為および動作を支援する専門資格です。
介護の専門知識および技術を活かし、心身のケアをおこなうほか、介護現場で働く職員たちの育成にも携わります。
この資格を取ることで給与や待遇面が改善される、キャリアアップを狙える、転職先の選択肢が増えるなどのメリットを得ることが可能です。
介護福祉士になるには
介護福祉士の資格を取得することで、介護のプロとして介護施設などを含む施設や事業所で働くことが可能です。
つづいては、実際に介護福祉士になるためには具体的にどうしたらいいのかを確認しておきましょう。
必要な資格
ひと昔前までは、介護福祉士になるためには、さまざまなルートがありました。しかし、2016年度から介護職の質の向上、より質の高い介護サービスを提供することを目的にしているため、要件が厳しくなっています。
そのため、以前よりも講義時間が延長され、ルートによっては実務者研修を追加で受講しなければなりません。また、どのルートで目指したとしても、国家試験の合格が必須条件となっています。
資格の取得ルートについて
受験資格を得るためのルートが3つある介護福祉士。しかし、それぞれのルートにはこまかい要件が定められているため、まずはその要件をクリアしなければなりません。ここでは、それぞれのルートについてくわしく解説します。
福祉系の高校から介護福祉士へ
福祉系の高校、または福祉系特例高校に入学し、介護に関する専門知識を学んで卒業すると、受験資格を得られます。
福祉系の高校を卒業した場合は実技試験が免除となるため、筆記試験に合格することで資格を得ることが可能です。
一方、特例高校の場合は必要単位を取得したうえで、実務経験として卒業後9カ月以上の従事期間を経て、筆記および実技試験に合格する必要があります。
専門学校などの養成施設から
高校卒業後に入る、福祉系の専門学校、短期大学、大学のいずれかの養成施設を卒業することで、受験資格を得られます。
ただし、高校および大学を卒業した場合は2年以上、福祉系大学や社会福祉士、保育士などの専門学校を卒業した場合には1年以上養成施設に通わなければならないことを覚えておいてください。
3年以上の実務経験を経て介護福祉士へ
介護の現場で従事期間3年以上(実質540日以上)に加え、実務者研修(450時間)を修了しなければならないルートです。
このルートは実際の介護現場で働き、経験を積みながら受験資格を得られます。正社員でなくとも、パートもしくはアルバイトとしての勤務形態でも実務経験として認めてもらえるのが特徴です。
介護福祉士国家試験について
介護福祉士の業務は、要介護者の日常生活のサポートだけではありません。身体面の介護だけではなく、専門知識を活かして要介護者や家族の相談に乗るなど、精神的なサポートをすることも重要な役割のひとつです。
ここでは、国家試験の概要やその難易度をくわしく解説します。
介護福祉士国家試験の概要を紹介!
試験は、筆記と実技の2つです。実技試験は、福祉系高校のルートで介護技術講習を未修了となっている人のみが対象となります。
一方、筆記試験ではマークシート方式です。出題は人間と社会、介護などの4領域の科目と総合問題を合わせた全13科目で構成。問題数は125問であり、試験時間は220分です。
医療的ケアは2017年度から導入された科目であり、介護職がおこなう医療行為、医療行為を担当するうえでの物品管理なども出題されます。
総合問題では4領域から幅広く出題され、高齢者への支援方法だけではなく、障がいをもって生活している人や介護に関する法律など幅広い知識を保有していなければなりません。
試験の難易度はどれくらいなの? 合格基準を紹介
2022年1月・3月におこなわれた第34回の合格率は、72.3%でした。ちなみに介護の現場におけるほかの職種の合格率は、ケアマネジャーは23.3%、社会福祉士は31.1%であることを考慮すると、介護福祉士の合格率は高いといえます。
しかし、合格率が高いからといって誰でも受かるということはありません。科目数も多く、幅広い分野を学ばなければならないため、しっかりとした受験対策が必要です。
合格には地道な学習が必要! 受験対策におすすめの勉強方法を紹介
科目数が多く、幅広い分野を学ばなければ合格できない介護福祉士の国家試験。ここでは、受験対策に取り組む際におすすめの勉強方法を確認しておきましょう。
1. 国家試験の傾向をつかんで弱点を把握しよう
介護福祉士に限らずどの国家試験においても、まずはどのような問題が出されているのか、出題頻度の高い問題はどれかなど、試験の傾向をつかまなければなりません。
傾向をつかんだうえでどの科目を苦手としているかなど自身の弱点を把握し、重点的に学習することが大切です。
過去の問題は無料ダウンロード可能|過去問題集がおすすめな理由とは
過去の試験で出題された問題を解くことで、試験の傾向を把握できます。参考書やテキストなどを読み進めていくことも大切ですが、過去の問題を繰り返し解くことで実際の試験ではどのような問題が出てくるのか理解できるからです。
また、試験の過去の問題は、社会福祉振興・試験センターなどのホームページから無料でダウンロードができるのでチェックしてみるとよいでしょう。
2. 何度も繰り返し解いて理解を深めよう
過去の問題を解いていくなかで、間違えてしまっても気にする必要はありません。問題を解き、解説を読んで理解することが大切です。
何度も間違えてしまう問題は解説だけではなく、参考書やテキストを読み進めていくことで理解を深められます。
スキマ時間にはアプリがおすすめ
仕事や学業の合間などのスキマ時間を利用したおすすめの勉強方法が、アプリを使った勉強です。アプリなら、通勤時間や休憩時間などのスキマ時間を有効活用できます。
以下の記事では、介護福祉士の受験対策に使える無料のアプリをご紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。
介護福祉士の受験対策に使える無料アプリを紹介!|試験勉強のポイントを解説
3. 通信教育で対策講座を受講してみよう
独学で進めていくことがむずかしいと思っているのであれば、通信教育を利用するのもおすすめ。通信教育は自宅で受講できるため、自分のスケジュールに合わせて効率的に勉強できます。
ニチイ|ニチイの介護福祉士国家試験対策講座
通信教育でおすすめなのが、ニチイの講座です。ニチイが用意したオリジナルの教材でしっかりと学習できるほか、自宅でも問題なく講座を受けられるように充実したサポートシステムを用意しています。
受講期間は6カ月ですが、最短で2カ月程度で取得することも可能です。受講料も、税込み2万6,400円となっているので、学校に通うよりも費用を抑えた勉強ができます。
介護福祉士になる方法を理解することで自分に合った手段で目指せる
介護の分野での唯一の国家資格であり、専門性が高い介護福祉士。資格があれば給与や待遇面が改善されるほか、キャリアアップ、転職でも有利です。
しかし、この資格を取得するには福祉系高校や養成施設に通う、もしくは実務経験を経るなどのいずれかのルートでまず受験資格を得ます。そして、その後、試験に合格しなければなりません。
今回ご紹介したアプリや通信講座を利用した勉強法などを参考にして、自分自身に合った手段で資格の取得を目指してみてくださいね。
引用元サイト
全国社会福祉協議会 介護福祉士
社会福祉振興・試験センター 介護福祉士国家試験 受験資格(資格取得ルート図)