個人集客に頼らない。目の前のお客様に集中できる環境へ。「NERIE」諏訪さん

社会保険や休暇制度、固定給による安定を得られる一方で、「業務委託ほどは稼げない」「頑張っても収入が伸びにくい」と思われがちな正社員という働き方。本企画ではそのリアルに迫ります。

今回お話を伺ったのは、銀座で2店舗を展開する「NERIE」代表・諏訪友哉さんです。

「NERIE」が大切にする「一人一人のお客様に丁寧に向き合うこと」を体現するために、各スタイリストにかかる負担を最小限にし、個性や強みを発揮できる職場環境を実現する仕組みについて、詳細を伺いました。

今回、お話を伺ったのは…

諏訪友哉さん

2005年PEEK-A-BOO入社。JHA(ジャパンヘアドレッシングアワード)をはじめとするさまざまなコンテストで入賞。一般誌、業界誌ともに多くのスタイルを担当し、セミナーやヘアショーなどにも積極的に参加。2021年8月に退社し、同年9月、銀座にヘアサロンNERIE(ネリー)、2026年7月、UUVE(ウーブ)をオープン。確かな技術とお客様一人一人に丁寧に向き合う接客で、美意識の高い大人世代からも支持を得ている。

集客はサロンが行い、スタイリストが目の前のお客様に集中できる環境づくりを目指す

集客が苦手でも、目の前のお客様を幸せにできる美容師が活躍できる場を提供

――新規のお客様はひと月でどのくらいいらっしゃいますか?

NERIEとUUVEの2店舗併せて月180人ほどです。スタイリストによっては、ひと月に40~50人ほど新規入客のチャンスがあります。UUVEは7月に新規オープンしたばかりなので今後は入客数がさらに増えていく見込みです。

5つ以上の複数媒体を使って幅広い年齢や性別のお客様にお越しいただいています。

――お客様の割り振り方法はどうしていますか?

基本的には、新人やデビュー直後のスタイリストを中心にお客様と年代の近いスタッフに振り分けていますが、「入客数を抑えて自分のペースで働きたい」「既に抱えているお客様を優先したい」「新規のお客様をどんどん担当したい」など、各自の理想の働き方をなるべく叶えられるように、スタイリストによって顧客の振り分け方法を変えています。

――スタッフによるSNSを使った集客は行っているのでしょうか?

SNSを使うなどのスタッフ個人に依存するような集客は不要です。

SNSが普及して気軽にお客様とコンタクトが取れる便利な世の中になった反面、今の美容師はやることが増えすぎているとも感じています。

集客は得意ではないけれど、目の前のお客様に誠実に向き合うことができるという美容師が活躍できる場でありたいと考えています。

お客様に丁寧に向き合うことで、安定収入とワークライフバランスの両立につなげる

丁寧な接客が売り上げにつながる。月収約60万円に到達するスタッフも。

――「NERIE」の給与システムを教えてください。

月給26万円を最低保証とし、歩合給が26万円を上回った場合は、その歩合給を支給する仕組みです。

比率は、フリーの場合は売り上げの30%、指名の場合は売り上げの40%です。

歩合の比率が明確なので売り上げ目標が立てやすいですし、上限は定めていないので頑張れば頑張る分だけ収入が増える仕組みです。

――客単価は1万4000円と特別高いわけではないようですが、高収入を実現している理由を教えてください。

目の前のお客様に丁寧に向き合うことが、結果的に売り上げや高いリピート率、店販につながっているのだと考えています。

売り上げを取るための薄利多売的な働き方は求めていません。

こなすのではなく、しっかりとコミュニケーションを取り、最適な提案していくことが結果的に高収入につながるのではないでしょうか。

――接客へのこだわりを感じます。技術力を高めるために、練習などはいつ行っているのでしょうか?

答えは目の前のお客様からしか得られないので、営業時間外にウィッグや人形で練習する必要はないと考えています。営業中にいかに目の前のお客様に集中し、考え、得られるかが大切です。

仮に入客数が少ない場合でもモデルをお願いするなどして、人に接し、人から学ぶように声掛けしています。

――アシスタント期間の練習について、居残りや残業、金銭的な負担はありますか?

スタイリストデビュー前であれば当然ウィッグなどを用いて練習していただきますが、その場合も営業時間内にパーテーションなどで区切ってサロン内で練習していただくため、居残りはありません。

また、ウィッグ代や外部セミナーなど勉強にかかった費用は弊社で全額負担しています。これはスタイリストになってからでも同様です。

――シフト管理はどうされていますか?

希望休を毎月提出していただいています。完全週休二日制で定休日無しなので、お休みの取り方は自由度が高めです。「土・日・月」など、タイミングを工夫すれば三連休にすることも可能です。

また、土曜日は19時まで、日曜日は18時までの勤務なので、平日勤務よりむしろリフレッシュできるといった声もありますね。

スタッフが0にならなければOKとしているので、お休みの希望は基本通しています。あるときは、弊社スタッフの結婚式があって、サロンに2名しか出勤していない!なんてこともありました。

――子育て中のスタッフは在籍していますか?

はい。子育て中のスタッフはお子さんの運動会や発表会などにお休みを使っています。私自身が一児の父で、早く帰りたい、土日休みが欲しいなどの気持ちがわかるので、もし、主婦・主夫の方で時短勤務がよいなどあれば、柔軟に対応したいと考えています。

銀座で信頼される美容室を目指して

銀座一丁目駅から徒歩1分、銀座駅から徒歩2分の好アクセス

――「NERIE」で働く正社員スタッフに求めることは?

とにかく目の前のお客様に集中すること。これに尽きます。

そのために、一人のスタイリストがお客様をかけもちするサロンが多い中、弊社はスタイリスト一人に対して一つまでの予約枠とし、マンツーマンで施術をしています。

また、銀座という立地上、髪を切ってからお出かけされるお客様も多くいらっしゃるため、お洋服が汚れないように施術前にガウンに着替えていただくことなどで「一人一人のお客様に丁寧に向き合うこと」を体現しています。

――高水準の接客を維持するために、ミーティングなどは行っているのでしょうか?

主体的に動ける美容師でいてほしい、という想いもあってミーティングは行っていません。よほど気になることがあれば個人的に伝えますが、「目の前のお客様を大切にする」方法はそれぞれのスタイリストによって違うので、こちらから注意や強要はしないようにしています。

――自由度が高く主体性が求められると、自分を見失う人もいるのでは?

少し厳しい言い方かもしれませんが、やりたいことは自分で見つけてもらいたいんです。

誰かから売れる方法を習っても、それが自分に当てはまるかはわからないですよね。美容師として売れる方法は、百人いたら百人違う。

つまり、店や私のやり方に合わせて窮屈になってほしくないということです。

それぞれが持つパーソナリティや武器を最大限発揮してストレスなく売れる方法を模索してほしいと思いますし、そのためのサポートができればと考えています。

――業務委託や個人で働くことに比べ、NERIEの正社員になることのメリットはどこにあると考えていますか?

確かに「各人が主体性をもって、自由度高く働ける職場」というと、わざわざ組織に所属せず、業務委託でもよいのではと思われるかもしれません。

ですが、会社に所属することで、できない部分をカバーし合い、協力できる仲間がいるというのは大きなメリットです。

また、集客や経理関係など、すべてを自分で行う必要が無いので、美容師業に専念することが可能です。会社に入ることで、サロンワーク以外の負担が増えるのではと懸念している方ほど、弊社の正社員として働くメリットは大きいはずです。

――最後に、求職者のみなさんへメッセージをお願いします

私たちは、目の前のお客様に集中して丁寧に向き合うことを大切に、銀座で信頼されて、支持される美容室を目指したいと考えています。

着実に指名を増やしていけて、支持されて、それに伴ってしっかり給料も上がる環境で、「銀座で信頼される美容師」を目指していただける方と一緒に働ける日を楽しみにしています。


SNSの普及で集客を個人に任せるサロンも多い中、目の前のお客様を大切にするために主体的に動いてほしいと語る諏訪さんに、「美容師」という仕事に対する矜持を感じました。

画一的な働き方を求めるのではなく、それぞれの個性や強みを生かしながら、着実にお客様から信頼され、長く活躍できる美容師を目指したい求職者にとって、「NERIE」は堅実な選択肢の一つとなるはずです。

取材・文/藤村 陽菜(レ・キャトル)


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株式会社NERIE
NERIE
住所:104-0061
東京都中央区銀座2-8-17 ハビウル銀座Ⅱ5階
TEL:03-6228-6535

UUVE
住所:104-0061
東京都中央区銀座2-8-18 グランベル銀座802
TEL:03-6264-4603

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