時短勤務のワーママでもSNSで売り上げ横ばいをキープ!/QUEEN’S GARDEN by K-two 銀座 片瀬知佳さん #1

コロナ禍での働き方は、「時短で高パフォーマンス」がキーワード。そんなwithコロナ時代を生き抜くために、どんな取り組みを行っているのか、そのプラス効果とは?

今回取材したのは、QUEEN’S GARDEN by K-two 銀座の女性スタイリスト・片瀬知佳さん。サロンではディレクターという役職を務めながら、一児の母として子育てにも奮闘する片瀬さんに、コロナ禍でのサロンのあり方、働き方の変化についてお聞きしました。

お話しを伺ったのは…

QUEEN’S GARDEN by K-two 銀座 ディレクター 片瀬知佳さん

長野県松本理容美容専門学校卒業。横浜のヘアサロン1店舗を経て、K-twoに入社。美容師歴18年、銀座店でディレクターを務める。現在は、2歳のお子さんを育てながら、週5(1日5時間程度)で時短勤務中。お客様一人一人の骨格や髪質、ライフスタイルなどに合わせながら行う骨格補正カットが得意。片瀬さんの技術とセンス、物腰が柔らかく話しやすい人柄にはファンが多く、ママ世代を始めたくさんのお客様から支持されている。

勤務スタイルの変化/営業時間は変えず、予約状況でスタッフ人数を調整。オンラインで技術や情報の交換も

——コロナ禍で、サロンの勤務体制は変わりましたか?

お客様の入り具合を見て、スタッフの人数を調整しています。朝の時点で予約数やメニュー内容が分かるので、そこから必要人数を定めて自宅待機にさせるスタッフも。特別休暇という形をとっています。銀座店はフロアのスペース的には狭くはないですが、お客様に対してスタッフがうじゃうじゃいる感じだと、いらっしゃっているお客様も気になりますよね。なので、密と感じないような人数調整を行うようにしています。

コロナになり、この特休システムを使うようになってから、スタッフの休みが若干増えている状態。みんなだいたい週休2日くらいにはなっている感じですかね。営業時間や定休日は、特に変更せず続けています。

——片瀬さんは2歳のお子さんがいるそうですね。子育てとの両立、かなり大変かと思います…!

出産前はずっとフルタイムで働いていましたが、今は時短で17時までの勤務です。朝、子供を保育園に預けてそこから出社。平日は12時オープンなので、サロンワークは5時間です。5時間って本当にあっという間で、入れるお客様は1日に5、6人。コロナ禍で予約をびっしり入れることができないから、時間も枠もかなり限られますよね。そういった中で、コンスタントにうまく予約を組み立てられるように心掛けています。

——ちなみに産休後は、どのくらいで復帰されたのですか?

生まれる1ヶ月くらい前まで働いて、出産は11月(2018年)だったのですが、翌年の4月に保育園が決まったのでそこに合わせて復帰しました。実質半年くらいの休みで戻って来られた感じです。美容室のお客さんって、担当美容師がもし休むとなったら2〜3回くらいは待ってくれるけど、それより長いと離れてしまうのでは…と、個人的に思っていて。一人のお客様が3ヶ月周期だとして、半年から1年弱。そう考えるとスムーズでした。

私が休んでいる間に他のスタイリストに代わりに担当してもらって、復帰するのを待っていてくださるお客様もいらっしゃいました。ただ今は時短で17時までなので、遅い時間帯に入っていたお客様となかなか会えなくなってしまい…。それでも有給を取って来てくださったり、土曜は私が出勤しているのでそこに合わせて予約を入れてくれたり、本当に感謝しています。

——K-twoのチームワークの良さもうかがえますね。

周りのスタッフにはかなり助けられていますね。会社側からも時間や休みの融通を利かせてもらっていて、すごくありがたいです。

K-twoでは、家庭のあるスタッフは(子供がいてもいなくても)退勤時間などを調整できるように配慮されていて。売り上げがいくら以上あれば〜といった条件が付いたりもするのですが。やっぱり、しっかり結果を出してきた上のスタイリストたちがある程度自由でないと、若手のやる気も出ないじゃないですか。頑張ればこうなれるんだよ、という目標というか。

もちろん、アシスタントについては練習も片付けも最後まできちんとやってもらいます。そのあたりのメリハリはしっかり付けていて、みんなが頑張れる環境なのかなと思います。

——コロナ禍で導入したことは?

ミーティングや講習はZOOMを使っていますね。関西の店舗も多いので、その間のやりとりはほとんどZOOMです。以前は大阪のスタッフが東京に来たり、こちらから行ったりも頻繁にしていましたがそれはオンラインに。

あとは、サロンで販売している美容機器などがいろいろあって、それらを最初にディーラーさんが使い方やお客様へのおすすめポイントなんかをスタッフに詳しく説明してくださるんですね。そういう講習にもZOOMを使うようになりました。

——他にもオンラインを活用していることはありますか?

スタッフ内での技術交換や交流のために「オンラインサロン」をスタートさせました。K-twoの中で得意分野を持っているスタッフをクローズアップして、動画で発信する形です。技術面はもちろん、店販が得意なスタッフの売り上げアップのコツ、SNSでバズらせるポイント…など、内容はさまざまです。

女性スタイリストがどうやって人気を伸ばしていくかというのを対談した回もありましたね。これは関西の女性スタッフです。日頃のサロンワークで気をつけていることだったり、どんな接客をしているかなど、売り上げのあるスタッフ同士のトークはかなり参考になります。あとは、カット技術や新しいパーマのやり方だったりも、ここで流して共有しています。

これまでだったら他の店舗を行き来して、いろいろ教え合ったりもできましたけど、今はそれもなかなか難しいですよね。であれば、ZOOMや動画で情報を共有しよう、つながりをキープしていこう、という流れで始まったことです。コロナの状況が最初よりは落ち着いてきて動画の更新は前よりは減っていますが、こういう機会ができたことは大きな変化だったと思います。

コロナ禍でスタートしたK-twoオンラインサロン。
技術、接客、売り上げテクなど、さまざまなコンテンツを発信し、
サロン内での情報交換&交流に役立っている。

集客のコツ/なかなか来られないお客様へのフォロー&関係性を途切らせないためにもSNSからアプローチ

——集客のために動画制作に力を入れたり、工夫した点もあったそうですが。

1回目の緊急事態宣言後(2020年4月)、お店は2週間くらい休みになり、その後再開。当時、保育園がずっとやっていなかったのもあり、私は4月・5月と休ませてもらいました。でもその時は、さすがにお客さんの数は少なかったですね。銀座のいろんなお店もほとんどやってなくて、街自体が閑散としていました。6月からはまた復帰して、今に至ります。

2ヶ月ほど休んでいた間は、子育てをしながら自宅で仕事のために何ができるか? というのはなかなか難しい課題でした。すぐに挑戦できたのはインスタ。前髪の切り方やスタイリングテク、メイクのコツだったり、そういう動画を作って少しずつアップしてみました。

自粛期間に美容室になかなか行けないお客様が、自分でも前髪を切ったり傷んだ髪をケアしたりするために、少しでも力になれれば。自分がサロンにいなくても、お客様のために何かできることを! という思いと、こういう環境下でもお客様とのお付き合いを途切れることなく続けていきたい…そんな気持ちでのチャレンジでした。

インスタからメッセージや質問が来たりもしますよ。「この前おすすめしていたスタイリング剤何でしたっけ?」とか、「ここが乾かしにくいのですが、どんな風にしたらいいですか?」とか、「こんな髪型にしてみたいんですが!」とか。みなさんインスタのDMから気軽に聞いてくださるので、そこから提案したりお答えしたりもしています。なかなかサロンに来られない人は今も多いですからね。そういうSNSでのやりとりは増えてきました。

このコロナ禍でインスタを強化。
自分でもできる前髪カットや、眉の描き方ポイントなど、
お客様の参考になりそうなヘア&ビューティの内容を発信。

接客の工夫/ダブル操作で時短&スムーズな施術を。来店周期を踏まえ、より長持ちするデザイン提案が主流に

——接客面で変わったことや、時短への取り組みは?

スタッフの動きについては基本チーム制で、メインのアシスタントは決まっています。あとはその日の予約数やメニューの内容に応じて、サポートに入るスタッフが変わってきたりも。ジュニアスタイリストがメインのスタイリストにヘルプに入る場合もありますね。

時短という点では、カラーを塗ったり乾かしたり、ダブル操作できる部分は2人がかりで行うように。ご予約の内容でお客様が重なりそうな場合や、混み合う時間帯は特に注意して、密にならずにスムーズな施術ができるように気をつけています。

——メニュー内容や提案の仕方にも変化があるのでしょうか?

メニューの内容自体は特に変わっていませんが、お客様の来店回数はやはり少し減っているので、提案の仕方は工夫しています。伸びてきても気にならいスタイルや、カラーも少し暗めにしたりハイライトを入れて目立たないようにする。

リモートワークの方が多いせいか、髪色を明るくしたい、インナーカラーに挑戦したいという人は増えていますね。そういう需要も踏まえて、今だからできるスタイルの楽しみ方や、プラスαの提案を心掛けるようになりました。

次いつ来られるか分からない…という不安がつきまとう今、「長持ち」視点での提案が増えていますね。カットだとボブベースで重さを出して持ちを良くしたり、白髪のリタッチも気にかけている方が多いです。ハイライトを入れてぼかしたりいろいろ駆使しますが、コロナで来られないのはもう仕方ないので、ホームカラーの失敗しないコツをお伝えするとか、できる限りのことはサポートできるようにと思っています。

売り上げはどう変わった?/自粛前後でアップダウンはあるものの、2020年夏〜冬は横ばいをキープ

<片瀬さんの売り上げ変動イメージ>2020年3月〜

——コロナ禍で売り上げの変動が大きかったと思います。

2020年3月まではそこまでの落ち込みは感じていませんでしたが、1回目の緊急事態宣言後、一気にダウン。私の場合、4月・5月はお休みをいただいて6月から復帰、と同時に自粛が明けて、みなさん一気にカットしに来られた感じで、6月の売り上げはぐんと伸びましたね。夏〜秋はほぼ横ばい。それでも例年よりはちょっと少なかった感じでしょうか。そしてまた年末年始で自粛となり、減少気味に。とは言え、最初ほどの落ち込みはなかったです。

コロナ後は、新規といよりは、既存のお客様が戻って来てくれた部分が多いです。ただ一人一人の周期は伸びているので、全体としての売り上げを見ると少し下がってしまう。そこをどう戻して、伸ばしていくか、これからの課題です。

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仕事と子育ての両立に挑戦するさなか、突然のコロナ。自粛期間中、サロンに立てない時も、自分は何をできるのか? どんな提案が喜ばれるのか? と、SNSを改めて見直しながらいろいろトライしてきた片瀬さん。お客様一人一人を大切に思う気持ちがとても伝わってきました。

後編では、そんな片瀬さんの1日のタイムスケジュールや、今後の動向などについてお伺いします。

▽後編はこちら▽
「提案力」と「密な接客」で私らしい心地良さを感じてもらえる美容師に/QUEEN’S GARDEN by K-two 銀座 片瀬知佳さん #2>>

取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:mika

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Salon Data

QUEEN’S GARDEN by K-two 銀座
(クィーンズガーデンバイケーツーギンザ)

住所:東京都中央区銀座7-8-7 GINZA GREEN6F
TEL:03-6252-3285
片瀬さんのInstagram:@katase_ktwo

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