初回価格を設定せずに、新規顧客をリピーターにつなげる!『maninail』の型破りな経営術

30代~40代女性から支持を集め、銀座で7年目を迎える人気店『maninail』。前編では、お客さまの生活に溶け込むネイルデザインの提案や、プライベートに踏み込みすぎない距離感、お客さまの時間の1分1秒を無駄にしないなど、徹底した顧客目線でお客さまから信頼を得てきたことについてお聞きしました。

後編では、顧客ゼロから新規顧客を獲得し、リピーターにつなげるため、初回価格を設定せず、あえて価格を据え置きしているという『maninail』の型破りな経営術について詳しく伺います。

お話を伺ったのは…

『maninail』オーナー 久賀田有紀さん

大学卒業後、幼稚園教諭、小学校教諭を経て、ネイリストに転身。2社のネイルサロンで、新店舗の立ち上げ、海外でのインターンを経験したあと、2014年に、東京・東銀座に1席のみのプライベートネイルサロン『maninail(マニネイル)』をオープン。2015年にはパリで1年間フリーのネイリストとして活動。帰国後、再度銀座に『maninail』をオープンさせ、シンプルかつ上品なデザインが、30代~40代のお客さまから支持を集めている。

教員から手に職をつけたいとネイリストに! NY、パリでの修行を経て独立

トレンドを取り入れた上品なデザインが得意

————『maninail』は「ネイルを通してお客さまの暮らしを支えるサロン」とのことですが、そもそも、なぜこのスタイルに行きついたのでしょうか?

今までの経験や環境を通して自分に一番合っていると思ったからです。サロンにはさまざまな打ち出し方があり、どれもとても魅力的ですが、どのスタイルが自分に合っているかを知るためには実際に働いて体感する必要があります。

————久賀田さんは、どのような環境を経験されたのですか?

私は教員として働いた後、ネイリストになりました。転職の理由は手に職をつけたかったからです。

最初は大手のネイルサロンで下積みを経験し、著名人も来店する恵比寿のサロンに移りました。その後、再び1社目に戻り新店舗の立ち上げに携わるため大阪へ。それからニューヨークで2ヵ月間インターンを経験した後、2013年『maninail』を銀座にオープンしました。

2015年には、パリに渡り1年間ほどフリーのネイリストとして活動。帰国後、再び銀座にサロンを構えて現在に至ります。独立するためにはいろんな環境に触れてよい面を取り入れることが大切ですね。

付け放題5,000円メニューで、顧客ゼロから新規の銀座OLを獲得!

ご自身の経歴について話す久賀田さん

————大阪で働いた後、ニューヨークに渡り、それから銀座にサロンをオープン。ということは、顧客ゼロからのスタートですよね? どのように集客を行ったのでしょうか?

突破口になったのは、『付け放題5000円』というメニューでした。2013年当初は、まだインスタグラムが登場していなかったのでミクシィを活用し、掲示板にそのメニューを打ち出していました。

金額が破格だったためか銀座のOLさんから反響があり、多くの方々が足を運んでくださいました。5,000円でサービスが一部しか使えないというわけではなく、ネイルサロンにとってのフルサービスメニューである『付け放題』を打ち出したので、目を引いたようです。

ちなみにサロンでは、5,000円のお客さまだからといって、施術時間を短くしたり、サービスを限定したりはしていません。5,000円のお客さまでも10,000円のお客さまでも差をつけずにおもてなしをしています。この姿勢がリピートを増やした大きなポイントだと考えています。

————「どんな価格のお客さまに対しても、同じおもてなし」と聞くと、当たり前な印象を受けてしまいますが、なぜこの姿勢がリピートにつながっているのでしょうか?

業界には、クーポンに対してよいイメージを持っていないネイリストがいるからです。技術者のなかには低価格メニューの施術の際に、あからさまに雑な接客をしてしまう方もいて、その対応はお客さまをとても傷つけています。ネイリストの頭には、次は別のクーポンを使って他サロンに行くからリピートはしないだろう、という考えがあるのかもしれません。

しかし、たとえそう思ったとしても普段どおりに施術を行うべきです。お客さまには何の非もありませんからね

————なるほど、それでは久賀田さんは、どのような施術を行っていましたか?

私は5,000円のクーポンでいらっしゃった方にも、ご自宅でのケアの説明や次回予約の確認などを丁寧に行っていました。お客さまのなかには、そういった丁寧な接客がうれしくてリピーターになったという方もいます。他にも値段に変動をつけなかったこともポイントです。

初回価格を設定しない。型破りな経営法で新規顧客をリピーターに

大人でも取り入れやすいニュアンスネイル

————「値段に変動をつけなかった」その理由は?

初回は5,000円でも次回は8,000円など値段に変動があるお店もあり、その振り幅はお客さまが離れてしまう理由の1つです。そこでクーポンを設定していた当初『maninail』では価格を常に一定にしていました。要するに、初回5,000円でいらっしゃったお客さまはずっと5,000円でサービスを受けることができます。

————価格の据え置きは、サロンにとってマイナスにならないのでしょうか?

もともと赤字の設定ではないのでサロンにダメージはありませんし、リピーターになってくださいます。この取り組みで、お客さまが少しずつ増えていき顧客ゼロの状態から軌道に乗せることができました。

————最後に、今後の目標を教えてください。

ネイリストが輝けるお手伝いがしたいと考えています。業界のなかには伸び悩んでいる技術者もいて、もしかしたらそのネイリストは明るい将来が見えていないのかもしれません。そこで『maninail』では、結婚をして子どもを生みたい、独立してサロンを持ちたいなど、その方のゴールを明確に設定して魅力的な未来を見せたいと思っています

ちなみにサロンでは、近々地域密着のサロンを地方に展開する予定です。これからも、ネイルを通して多くの方々を支えていきたいと思っています。

顧客ゼロから経営を軌道に乗せた経営術

銀座の地で7年目を迎える『maninail』。顧客ゼロからサロンを軌道に乗せる経営術をまとめると、下記の3つでした。

1. さまざまな環境での経験をもとに、自分に合ったスタイルのサロンを作る

2. 顧客ゼロ状態のときには、フルサービスを低価格で提供し、新規顧客を獲得

3. 初回価格を設定せず、顧客の流出を防いでリピーターにつなげる

施術後にお客さまのネイルを撮影してLINEで送っているという久賀田さん。「お客さまは自分で10本の指を撮影することはできませんから、とても喜んでくださいますね」と、笑顔で答えてくれました。ネイリストとして独立したい方、経営を軌道に載せたい方はぜひ参考にしてみてください!

▽前編はこちら▽
お客さまの生活に溶け込むネイルデザインを提案し、大人女性から絶大な支持!『maninail』顧客目線の接客法>>

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Salon Data

maninail

住所:東京都中央区銀座4-13-8-204 ソフィアスクエア銀座
TEL:03-4500-5928
Instagram:@maninail

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