人生の寄り道期間を経て気づいたヨガへの想いと一生ものの仕事【フリーランスのライフスタイル ヨガインストラクター・北野恵理さん】#２
自分の好きなことに向き合い、仕事を選ぶことで自分らしい働き方を叶えたフリーランスのヨガインストラクター北野恵理さん。前編ではヨガのレッスンだけでなく講師やサップヨガのインストラクターなど多岐にわたって活躍する秘訣や現在北野さんが熱中しているというオンライン講座の仕事についてお伺いしました。
後編では会社を辞めて海外で働いていた理由や、その経験を通じて気づいたこと、好きなことを仕事にするために北野さんが大切だと思うことについてお話していただきます。
お話を伺ったのは…
北野恵理さん
兵庫・大阪を拠点に活動するフリーランスのヨガインストラクター。新卒で人材会社の営業職に就職。約1年勤務したのち、大手ホットヨガスタジオ「ラバ」に転職する。約3年間で2000以上のレッスンを担当。2016年に独立し、現在は神戸、大阪を中心にヨガスタジオや企業でのヨガのレッスンを行うほか、イベントへの登壇、今話題のプールや海でのSUPYPGA、の指導など幅広く活躍中。さらに「一般社団法人 国際ヨガアカデミー協会」の理事を務め、ヨガの講師として多くのヨガインストラクターの輩出にも貢献している。
Instagram：＠eriyoga_kobe
HP：https://www.eriyoga.com/profile/
人生の寄り道期間を経てヨガの道へすすむことを決意
神戸のMOSAICにて撮影。屋外での撮影会に参加することも多い。
――フリーランスになる前に海外で働かれていたとのことですが、ヨガを学んでいたのですか？
いいえ。退職してすぐにセブ島へ行ったのですが、このときは英語を学ぶため現地のITスクールで約3カ月半アルバイトをしていました。もともと海外が好きで、働いてみたいという気持ちが大きかったんですよ。実は退職したのもそれが理由でした。ヨガは会社員時代に飽きるほどやったので1度そこから離れて、新しい世界をみてみたくなったんです。結果的にそのときの経験が今の働き方にも影響を与えていると思います。
――今の働き方への影響とは？
現地ではフリーランスとして好きな場所で自由に仕事をしている人がたくさんいたんですね。それがすごく魅力的に見えて、私もそんな風に働きたいと思いました。時間や場所、業務が決められた会社員には戻れないなと思ってしまったんです。
――そうして帰国後にフリーランスとして働き始めたんですね。
帰国後は英語の知識を活かしたくて、ヨガのレッスンのほかに英語を使った事務の仕事もしていました。しかし英語事務のほうは周りと自分を比べてしまって自分の替わりなんていくらでもいるなと気づかされたんです。英語力が低かったこともあるんですが向上心よりも落ち込むことのほうが多くて。そのときにやっぱり私が1番人の役に立てるのは、ヨガの仕事だと気づいて、ヨガ1本で働く決意をしました。
英語の仕事は諦めてしましたが、無駄な時間だとは思っていません。海外で働く、英語を仕事にするという目標に挑戦したからこそ自分のなかの一番を見つけられたからです。人生の寄り道期間としていい経験ができたと思います。
自分らしく働くことでますますヨガのとりこに
今でも週に1度の自身のヨガ教室を継続。直接お客さまと触れ合える貴重な機会に。
――ヨガに対しては不安や落ち込むことはなかったのですか？
なかったですね。逆に他の仕事を経験して「自分にはヨガ以上に幸せを感じられるお仕事はない」という意識がとても強くなりました。会社員時代は2000本近くレッスンを行いながら常に研修を受けてどんどん新しい技術を学んでいったので、そのときの経験やお客さまからいただいた感謝の言葉が自信につながったんだと思います。
また、ヨガのインストラクターは技術の指導だけではなくて伝える力が大切な仕事なんです。自分のポーズがきれいだったとしてもお客さまが真似できるように言語化するスキルがないと勤まりません。私は最初それが苦手で何度も反省しながら改善して少しずつ成長を感じていったので、その経験も糧になっていると思います。
――さまざまな経験を経て、現在は理想の働き方はできていますか？
できていると思います。会社員のときはレッスンの回数をこなして新しいプログラムを詰め込んで、どこかでやらされている感覚があったんですよね。しかしフリーランスになってからは自分のやり方やペースをキープすることができて、ますますヨガが好きになりました。もともと好きなことを仕事にしたいと思ってヨガを始めたので、今はまさに理想の働き方ができていると思います。
今後さらに希望があるとしたら海外で暮らしながら働いてみたいですね。最近はオンラインでの講座がメインになっているので場所を問わず働くことができます。コロナが落ち着いたら検討したいです。
失敗は成長につながるための過程。おそれずに挑戦すべき
「好きを仕事に」ありのままの私を受け入れてnaturalに生きることを大切にする北野さん。
――たくさんの仕事を行ううえでプライベートとのバランスはどのようにとられているのでしょうか？
実はプライベートの充実は今の課題でもあります。仕事が楽しくて大好きなので十分生活が充実していて、プライベートとの境界線がなくなってきているんですよね。夜中まで仕事に熱中することもありますし、気分転換にSNSを見ていても結局ヨガのページに辿りついちゃうんです。さらに今はオンライン講座が中心なので家が職場になっていてオンオフの切り替えがあまりできていません。フリーランスのメリットでもありますが、今後はもう少しプライベートな時間を意識的に確保していきたいなと思っています。
――仕事が好きだからこその悩みですね。最後に、自分の好きなことを仕事にするためには何が大切だと思いますか？
たくさんチャレンジしてアンテナを張ることと、人との出会いを大切にすることが一番だと思います。受け身じゃなくて主体的に動けば本当に好きなものに出会えて、それを仕事にする手段も見つかるはずです。コロナ禍だからと言い訳をせずに、SNSを使って情報の収集や気になる方へ連絡を取ってみるところから始めてみるのもいいのではないでしょうか。
失敗が怖くて挑戦できないという話を聞くことがあります。しかし失敗はそこで終わりではなくて、そこからのがんばり次第で成長につながるものなんですよ。私も会社員時代にすごくたくさん失敗をしました。その度に反省して改善したからこそ、今があると思っています。
若い頃は失敗をおそれずどんどんチャレンジすることが夢を叶えるための一番の近道だと思います。■ 自分にとってやりがいのある仕事と働き方を見つける方法
ヨガの仕事が大好きで、誇りをもって働いている様子を伺うことができました。自分にとってやりがいのある仕事と働き方を見つける方法をまとめると、下記の3つでした。
１. 自分の想いを言葉にしてお客さまに伝える
２. 新しいことを始めたいときは仕事の一部を手放す
３. 人との出会いを大切にしてチャレンジを続ける
今後はプライベートの時間も大切にしたいとお話してくれた北野さんですが、仕事が生活の一部となっていて十分充実した毎日をすごされているのを感じました。コロナ禍だからと言い訳をせずに今できることからチャレンジする、仕事が溢れてしまったときは手放す勇気をもつ。このふたつを意識すれば好きなことを仕事にする機会は巡ってくるはずです。ぜひ働き方の参考にしてみてください。
