【子育て応援メソッド】夢を紙に描くことで鎌倉移住・海見えサロン開業・ママになる夢が叶った! 鎌倉Retreat Spa SUI田邊恭子さん♯1
美容業界で働くワーママ・ワーパパに、仕事と育児の両立についてお伺いする「子育て応援メソッド」。今回は、鎌倉長谷の海見えサロン「鎌倉Retreat Spa SUI」を主宰する田邊恭子さんにお伺いしました。
田邊さんは「海の見える場所に移住」「サーフィンやヨガをしながらサロンを開く」、「結婚してママになる」と理想の形を紙に描くことで、夢を叶えてきました。その具体的な内容は? また、「身体の先にある心まで整える」施術を行う田邊さんに、ママになってからの心の整え方などを教えていただきます。
お話をお伺いしたのは…
鎌倉Retreat Spa SUI主宰
田邊恭子さん
大学卒業後、大手エステサロンに勤務。ブライダルサロン、都内ホテルのスパ店長を経て、大好きな鎌倉へ移住。長谷に海見えサロン「鎌倉Retreat Spa SUI」を開業。セラピスト歴14年1才男児のママ。
理想の形を文章や絵に描くことで夢が叶う
──鎌倉へ移住されたきっかけを教えてください。
前職は都内ホテルのスパに勤務していたのですが、店長になり、マネージャーや人事業務など、施術以外の仕事量がだんだん増えていくにつれ、お客様を癒しているはずの自分が疲れ切っていることに気づきました。セラピーって、自分が疲れているとそれが手からお客様に伝わってしまうんですよね。
これではいけない、自分も癒されながら仕事をしたいと思って、ヨガやサーフィンを始めました。仕事以外にも豊かな時間を持つことで自分が整ってくると、トリートメントの仕上がりもよくなることを実感しました。もっと自分も癒されたい、整いたい。20代のときから続けているサーフィンをしながら、海の見えるところでサロンを開きたいという思いが募り、まずは鎌倉に移住することを決意! そのときに読んだ本の「合言葉は決めるだけ」というフレーズに後押しされて、引っ越しを決行しました。
──鎌倉に移住されて、サロン開業、ご結婚・ご出産と大きなライフイベントが続いたそうですね。
東京で仕事をしているときは、結婚よりも仕事優先でした。でも、いつかは結婚して子どもを生みたいという思いはあったんですね。生徒さんにもよく言うのですが、理想の形を文章や絵に描くといいよって。「海の見える場所にサロンを開いて、ヨガやサーフィンをしながらトリートメントをする。そして結婚して、子どももいて」。そんな夢を文章や絵に描いて、毎日眺めるということを、20代の頃から続けてきました。「34才までに実現する」と宣言していて、本当に34才ぴったりで実現したので、怖いくらいでしたね。
──理想を文章や絵に描くことで夢を叶えたのですね。
ひとつ夢が叶ったら、また新しい夢を描くんです。叶った後に次の夢を描かないとダメらしいですよ(笑)。
オキシトシンが分泌されやすくなるのは秒速5cmのタッチング
──施術の特徴を教えてください。
鎌倉の自然とトリートメントで五感を満たし、肌と身体を通してマインドまで整えていきます。セラピーには、治す・痩せる・きれいになるためのものなどいろいろありますが、SUIの施術には、オールハンドのフェイシャルとボディトリートメントで、身体の先にあるマインドまで働きかけ、癒していきたいというコンセプトがあります。
トリートメントは、お客様の身体を通してエネルギーに触れること。わたしは、施術中いつもお客様と一体となり、お客様を丸ごと包みこむような愛を感じています。セラピストの手からすべてが伝わるので、そのためにどんなときでもセラピストである自分を整え、クリアな状態でいることを心がけています。
施術では、ひとつひとつの動作を丁寧に行うこと。セラピストの技術と所作を通して、お客様には「大切にされている」という感覚を感じて頂けると思っています。細かくお伝えすると、お客様にはじめて触れるファーストタッチからトリートメントが終了するまで肌から極力手を離さない、押すときと離すときは同じ秒数にするなどディテールにこだわっています。
優しく丁寧なタッチは、「快」の感覚をつくり出すオキシトシンというホルモンを分泌させます。1秒間に5cmの動きで触れると、オキシトシンが最も分泌されやすいことが科学的にも証明されています。
──おすすめのメニューは?
たっぷり3時間半滞在していただく、フェイシャルとボディの組み合わせ「リトリートビューティ&ウェルネス」がいちばん人気です。
以前から、優雅な時間を過ごしていただくリトリートスペシャルコースを提供したかったことと、コロナ禍での感染リスク回避のため、それから子どもがまだ小さいので、何かあったときのリスク回避のためにも1日1組様限定にさせていただいています。
──スクール業もされているのですよね。
お客様にホームケアを提案したくて、ヨガインストラクター取得のためのスクールに通っていたときに、系列校でアロマセラピスト養成校を開校するからやってみないかというお話をいただきました。これも、自分でもスクール業をやってみたいという夢を公言していたから叶ったのかもしれません。
講師業はそちらが先で、SUIのスクールは産後に始めました。現在、ヨガで一緒だった方や、メンタルサロンでヘッドマッサージを取り入れたい方が通ってくださっています。スクール業ももっともっと力を入れていきたいですね。
「区切る」ことで精神的な安定をはかる
──セラピストのお仕事はご自身の心身のケアも大事だと思いますが、何か心がけていることはありますか?
子どもが生まれる前は、ヨガをしたり、サーフィンをしたり、一日中海を見ながらボ~ッとすることでリフレッシュできていました。でもママになってからは本当に時間がないので、隙間時間を使った「ながらケア」が多いですね。幸い、サロンが海の前にあるので、仕事の前に浜辺で大好きな海を見ながらコーヒーを飲んでみたり、瞑想をしたり、5分でも10分でもいいから自分の時間を作るようにしています。わたしにとっては、サロンに来ること自体が精神的に安定するのですが、一旦「区切る」ことで自分の心にゆとりを持たせるようにしています。
ヨガも、前みたいにじっくりはできないので、子どもと遊びながらちょっとポーズをとったりしています。ママになってからは、短時間でもリフレッシュできる体に変わってきたのかもしれませんね。
──逆に、ママになって精神的に楽になったことってありますか?
子どもがワ~っと泣いていると、こちらも余裕がなくなりますが、子どもがニコニコ笑っていると、わたしも精神的に安定するような気がします。笑いもセラピーのひとつと言いますから、子どもと一緒にいることが癒しにつながることもあると思います。
田邊さんがママになるまで・なってからの心構え
田邊さんがママになる夢を叶えるために、そしてママになってから仕事と育児を両立するために実行したことは以下の3つです。
1.夢は絵や文章に描くことで叶えられる。
2.子どもが小さいうちは1日1組限定でリスク回避。
3.「区切る」ことで心にゆとりを持たせる。
後編では、ママになってからのリアルライフに迫ります。個人サロンを運営するママ美容家さんに参考になることをたくさんご紹介いただきました。
取材・文/永瀬紀子