「引き算」で「倍」可愛い!ネイル×ジュエリーでファンを掴む、「BULLET EBISU Nail&Jewelry」片平晃子さんの3原則
「BULLET EBISU Nail&Jewelry」は2021年4月に誕生した恵比寿のネイルサロン。店内には、ネイルデスクや座り心地抜群のチェアだけでなく、キラキラ輝くジュエリーを収めたショーケースも並んでいます。
前編では、そんな「BULLET EBISU Nail&Jewelry」が他店との差別化に成功し、人気を集めている理由について伺います。「ネイルとジュエリーの調和を考えて手元をスタイリングしています」とネイリストの片平さん。その言葉の背景には、「大人可愛い」スタイルや丁寧なケアがありました。
今回お話を伺ったのは…
片平晃子さん
ネイリスト
美容学校でネイルの授業を受けたことをきっかけにネイリストに興味を抱く。美容師、ジュエリーショップ販売員を経て2013年にネイリストに。都内のネイルサロンで腕を磨いた後、2019年フリーランスに転身。2021年4月、共同経営者との出会いをきっかけに「BULLET EBISU Nail&Jewelry」を恵比寿にオープン。
Instagram:@bullet_nail_jewelry
ジュエリーとの調和×大人可愛い。偶然のつながりで誕生した個性的なサロン
――まずは競争が激しい業界のなかで、新規のお客さまを獲得できている理由を教えてください。
「ジュエリーとの調和×大人可愛い」というコンセプトが支持を得ているからだと思います。サロンではネイルの施術だけでなくジュエリーの販売もしており、このマッチングが他サロンとの差別化を生んでいる大きな強みです。現在「BULLET EBISU Nail&Jewelry」では「BEANTII Jewelry」と「ikue」という2種類のジュエリーブランドを取り扱っています。
――ジュエリーも扱っているネイルサロン。確かに珍しいですね。そもそもなぜジュエリーを取り入れたのでしょうか?
いくつかの偶然が重なりこのコンセプトになりました。もともと私はジュエリーに興味があり、8年ほど前に短期間ではありますがジュエリーショップで販売員として働いていました。そのときに接客をしながら、「ネイルをもう少しこう変えれば、ジュエリーとのバランスがさらによくなるかもしれない」と思うことが度々ありました。
そこでサロンの構想を考え始めたときに、「販売員時代に手元のスタイリングを見ることがとても好きだった」と共同経営者に話したところ「知り合いにジュエリーのデザイナーさんがいるから相談してみる」となり、そのまま話がスムーズに進み現在のカタチになりました。
余計なことをせず、引き算で美しく・可愛く
――お話を聞いていると「ジュエリー好きが集まるお店」という印象を受けますが、実際はどのようなお客さまが足を運んでいるのでしょうか?
「ジュエリー好きが50%、メニュー・デザイン・空間など総合的に判断してのご来店が50%」という印象です。私もオープン時に「おそらくジュエリー好きが集まるだろう」と思っていました。しかし実際には、本当に幅広い世代や職業の方々が足を運んでくださっています。
もしかしたらジュエリーは、美しさを端的に表すシンボル的な役割を果たしているのかもしれません。「きれいになりたい!」という気持ちを惹きつける力があり、ジュエリーにそれほど関心がない方の注目も自然と集めることができているのかも(笑)。とにかく私は想像以上にいろいろなお客さまがご来店してくださって、本当に本当にうれしいです!
――なるほど。思いがけず幅広い方々に刺さっているんですね。ちなみにコンセプトのなかにある「大人可愛い」とは、どんなスタイルなのでしょうか?
無駄なモノをはぶくスタイルですね。「余計なことをせず、引き算で美しく・かわいくする」と言い換えてもよいかもしれません。お客さま1人ひとりには、爪が大きい・小さい、指が長い・短いなどそれぞれに個性があり、そのバランスは唯一無二の素晴らしいモノです。
しかし、お客さまのなかには、ご自身の個性をコンプレックスに感じている方もいて、その方々は気になる部分を過度に補ってしまうこともあります。それでは、全体のバランスが崩れてしまい、本来持っている美しさが半減してしまうので、とてももったいない状態です。そこでサロンでは、余計なことをせずに「素のままでもっとも輝くバランス」を考えながら施術をしています。
お客さまのニーズをキャッチ!時代が求めるケアの力
――それでは「大人可愛い」を作るためには、どのようなことが大切なのでしょうか?
私は「本来の美しさを引き出すためにはケアが大切である」と考えています。そこでサロンでは、指先をお湯につけて甘皮周りをやわらかくして整える「ウォーターケア」を取り入れており、とても好評です。施術中には「ウォーターケアをしてくれるサロンをずっと探していた」や「この前、他のサロンでお願いをしたけど丁寧にきれいにしてもらえなかった…」などの言葉をよく聞くので、デザインと同じくらいに高い需要があります。
ちなみに3年前までは、ケアにこれほどのニーズはありませんでした。もしかしたらコロナの影響で「自分の身体をいたわりたい」と考える方が増えたのかもしれません。
――ちなみに片平さんはフリーランスを経て出店したとのことですが、オープン当初サロンにはどのくらいお客さまがついていたのでしょうか?
コロナの影響でフリーランス時代に活動ができなかったこともあり、ほぼゼロからのスタートでした。それでも約1年間で土日に予約が取りにくい状態になっているので、本当にうれしいですね。正直に言うとインスタグラムを始めSNSには苦手意識があるため、いまひとつ効率的に集客を獲得できていません。それでも「最後はやっぱり人との信頼関係だろう」と考えて日々地道に取り組んできたので、リピーターが増えて今があると思っています。
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差別化を生む3POINT
「BULLET EBISU Nail&Jewelry」の差別化を生むポイントをまとめると以下の3つでした。
1.「ネイル×ジュエリー」というユニークなコンセプトを掲げる
2.「大人可愛い」をはじめ、軸となるスタイルを前面に打ち出す
3. デザインと同じくらいケアにも力を入れる
後編では、デザインのこだわりや再来を生む接客術にフォーカス。最近、片平さんは「余裕を感じて安心できる」という言葉をお客さまからいただいたとのこと。その時、サロンのあり方について改めて考えたそうです。リピート率の向上に悩んでいる方は、後半もぜひチェックしてください!