共同経営のメリットは何より精神的に心強いこと ポーラ ザ ビューティー守谷店♯2
オーナー石塚理恵さんとマネージャー羽根田美幸さんが共同経営するポーラ ザ ビューティー守谷店。前編では、おふたりがオーナー・マネージャーになるために、会社の支援制度をフル活用しながらいかにスキルアップしてきたかをお聞きしました。
この後編では、共同経営する上での心得、精神的・経済的・仕事環境面でのメリット、収益向上のための工夫などを教えていただきました。
ポーラ ザ ビューティー守谷店
オーナー 石塚理恵さん
ポーラ歴9年。長女（中3）、長男（中１）2人のママ。高校生からコスメマニアで、就活では化粧品メーカーを希望するが、一旦その夢を断ち、住宅建材メーカーに入社。結婚・出産で退職、専業主婦に。一度はあきらめた美容の仕事への熱が再燃し、ポーラのビューティーディレクターに。マネージャーを経て、お客様だった羽根田さんとともにポーラ ザ ビューティー守谷店を共同経営。現在5人のスタッフを抱えるサロンオーナーとして奮闘中。
ポーラ ザ ビューティー 守谷店
マネージャー 羽根田美幸さん
ポーラ歴4年。長女（社会人）、長男(大学生)、次女(大学生)3人のママ。ハンドトリートメントのイベントで石塚さんと出会い、サロンの顧客に。約1年後、石塚さんに誘われ、ポーラ ビューティーディレクターの道へ。マネージャーとしてスタッフの育成にも関わる。9年前シングルマザーになり、現在長男とふたり暮らし。
スタッフ全員でビジョンを共有することが大事
――石塚さんが守谷店のオーナーになったのはいつですか？ またどんな思いで？
石塚さん：守谷店のオーナーになったのは半年前です。先述した、マネージャー昇格時の研修を受ける中で、自分がやりたいことがぼんやりと見えてきたんですよね。
地元関西では、神戸も大阪も電車で15分の場所に住んでいました。土地柄なのか、みんな出かけるときはいちばんいい服を着て出かけるんです。店員さんとの会話を楽しみながら買い物をして、家に帰ったら包装紙を開けて、「よし明日からこれを持ってまたがんばろう」、そんな生活を送っていました。茨城に引っ越してきてからずっと、そういうスイッチを入れられるような晴れの場所を作りたいと思っていたんですね。
それを実現するためには、ビューティーディレクターからステップアップする必要があるということに気づきました。その切符を手に入れるために、マネージャー・オーナーになるための挑戦を続けてきました。
――オーナーになるための条件はあるのでしょうか。
石塚さん：売上などクリアしなくてはいけない基準がいろいろあります。壁を乗り越える力は自分としても必要だと思いますし、自分が会社に信用してもらうためのデータづくりだと思って向き合ってきました。タスクひとつずつを頭で理解して、クリアしたらチェックしてと、試験勉強みたいに繰り返していたら、オーナーになるための条件をクリアすることができました。
「お客様の層は20～70代まで幅広いです」
――お店を盛り上げるため、また収益向上のために工夫されていることはありますか。
石塚さん：家族もそうですが、お店もチームだと思っているので、みんなでビジョンを共有することを大事にしています。「ビューティーディレクターの愛と真心で、ポーラの商品とサービスを提供し、挑戦し続ける人であふれる社会を作ること」をビジョンとして掲げています。
ビューティーディレクターの中にも、ＳＮＳが得意だったり、リアルなイベントで完璧な準備ができたりとそれぞれ得意分野があるので、現在はそれぞれに得意な分野で活躍してもらっています。予想以上にがんばってくれる場面も多いので、そういうときは褒めたり、声かけをするように心がけています。今後の課題は、得意分野以外でも幅広く活躍できるようにさまざまな業務をローテーションしていくこと。できることが増えると楽しくなるし、それが個々の成長にも、またサロン全体の成長にも繋がるんだと思います。
――おふたりともワーママということですが、子育てと重なるようなところもありそうですね。
石塚さん：仕事が育児に役立つことはたくさんあります。それまでは、子どもを頭ごなしにわ～っと叱っていましたが、コーチングの研修を受けた後、まずは聞くことを心がけたら、親子関係が良くなったという経験もあります。
オーナー=父親、マネージャー=母親のような関係性
――おふたりで共同経営されているということですが、オーナーとマネージャーそれぞれの役割を教えてください。
石塚さん：曖昧なんです。わたしはあれやりたい、これやりたいと言う役で、羽根田さんがその準備をしてくれることが多いですね。立場上はわたしがオーナーですが、羽根田さんは尊敬するわたしのお姉さん的存在。いつも相談に乗ってもらっていて、すごく頼りにしています。サロンではわたしが父親で、羽根田さんはスタッフを優しく包んでくれる母親のような関係ですね。
羽根田さん：わたしも、お父さんとお母さんの関係だと思っています。そういう役割分担でいることが、いちばんうまくいくのかなと。オーナーは旗振り役で、わたしは「ついていきます」というタイプ。オーナーはとにかくアイデアがたくさんあるので、それをわたしがもっともっと上手く広げていけたら売上アップにもつながるんだろうなと思います。
――一緒にお仕事したいと思ったのは羽根田さんのどんなところですか？
石塚さん：いつも笑顔で幸せそうで、包んでくれるような優しさがあるところ。こんな人になりたいなと思わせてくれる女性なんです。少し年上の人生の先輩でもあるので、いろんなことを教えてくれて、一緒に仕事をするならこういう人がいいなと思いました。
――羽根田さんはすぐにOKしたのですか？
羽根田さん：わりと早く決断しました。それまでの仕事とはまったく違う世界だったので、やっぱり不安はありましたが、「いまだ」と思わせてくれたのはきっとオーナーだったからでしょうね。
共同経営の心得は、ひとりで決めないこと
解剖学的な観点から開発されたポーラのエステ技術。
――共同経営するにあたっての心得、メリットとデメリットを教えてください。
羽根田さん：心得は、話し合いをすること。ひとりのサロンではないので、ひとりで決めないで、ひとつひとつ確認をすることが大事だと思います。
メリットは、精神的な部分で心強いことです。ひとりだったら不安も大きいと思いますが、ふたりだと分かち合えるので不安も解消されやすいと思います。もちろん経費の負担も半分になりますので、それも大きなメリットですね。あとは、2人ともワーママなので、学校行事など用事があるときに休んだり、早退しやすいこと。
デメリットは、仕事量のバランスをとるのが難しいことですね。どうしてもオーナーの負担が大きくなってしまうことが多いのかなと思います。それから、意見の相違があったときには、仕事の効率が落ちてしまうことですね。
――意見の相違はときどきあるのですか。
羽根田さん：わたしがあまりアイデアが浮かぶほうではなくて、全部「そうだね」と思ってしまうので、そんなにぶつかることはないですね。何よりオーナーを信頼しきっていますし。
石塚さん：基本、わたしが甘えているんだと思います。羽根田さんは、全部受け止めてくれるお姉さんなので。本当にありがとうございます（笑）。
ひとりではできない仕事を成し遂げるために、志を共にできる人と出会えたことは、本当に幸せなことだと思っています。その価値観を大事にしたくて、子どもにも「志緒（しお）」という名前をつけたくらいですから。そういう人って、人生のうちに一人か二人ですよね。羽根田さんはわたしにとってまさにそういう人なんです。
――ビューティーディレクターで良かったと思うことは？
石塚さん：家族以外の人を心底大事に思うことってあんまりないと思うんですね。そういう方に何十人も出会えたことは、本当に良かったなあと思います。それから、元々何にもできない自分が店を持てて、同じ志を共有できる人と出会って、いまこんなインタビューを受けたり、研修でポーラの役員さんとお話したり、夢なんじゃないかなと思いますよね。そんなことを経験させてもらえていること自体、この仕事を選んで良かったなと思います。
羽根田さん：わたしは、お金をいただいているのに「ありがとう」と言っていただけることです。そう言っていただけることがとても多くて、なんて素敵な仕事なんだろうと思います。エステルームで2人きりになると家族に言えないようなことをお話されるお客様もいらっしゃいます。友だちでもなく、適切な言葉が見つからないのですが、特別な存在でいられることがとっても良かったなと思います。
――今後、店舗をどのように育てていきたいですか？ また個人としての目標を教えてください。
羽根田さん：定年のない仕事を望んでこの仕事をしているので、体が続く限りは何才になっても働いていたいなと思います。サロンスタッフの5人は家族だと思っているので、家族に幸せになってほしい。そして、家族のまわりの人にも幸せになってほしいと思います。
石塚さん：予約のとりにくい店を目標にしています。守谷店の認知度をもっと上げて、地域の方々に必要だなと思われる存在になりたいです。個人の目標は、結構考えましたが、ないです（笑）。若いときに苦労した分、それが全部報われてもう十分幸せなので。これ以上何か望んでまた悪いことが起こったら嫌だし。なので個人の目標は特にありません。羽根田さんやスタッフがもっともっと幸せになってくれたら、それがいちばんです。
おふたりが考える共同経営のメリットは
エステサロンを共同経営する上で、おふたりが感じているメリットはおもに以下の3つです。
1.精神的に心強い
2.経費負担が半分になる
3.ふたりともママなので休みや早退の都合がつけやすい
ビューティーディレクターとお客様という関係から、サロンを共同経営するようになったポーラ ザ ビューティー守谷店のおふたり。旗振り役のオーナー石塚さんとフォロー上手なマネージャー羽根田さんの関係を、おふたりは父親と母親のようだと言います。会社の支援体制をフル活用して、個々をスキルアップ。ひとつのサロンを共同経営していくには、おふたりの間に深い信頼関係があることと、お客様とサロンスタッフを何より大事にするという共通事項があるからなのではないかと感じました。
取材・文／永瀬紀子
