直感に従う圧倒的な行動力で、タイで活躍の場を広げることに成功 ヨガインストラクター・渡邉有優美さん
お住まいはタイ・バンコク。2011年、直感で移住した先では、タイ人のヨガインストラクターのなかにひとり交じり、クラスを持っていた渡邉有優美さん。
現在では「一般社団法人メディテーションブリージングヨガ協会」という、ヨガの指導者を養成するスクールを単独で運営し、オンラインで行う講座の卒業生は180人を超えるといいます。
その成功の秘訣は、直感に従って決断し、やると決めたら徹底的に行動する力にありました。タイへの移住、タイでのヨガレッスンへの集客、オンラインへの移行など、思い切って行動することによって、状況を好転させてきたそうです。
またスクールではただ資格を発行するだけでなく、インストラクターとして活動するときに困らないように模擬レッスンを行ったり、人生相談まで受けるほど、受講生と深くかかわる姿勢が信頼を集めているといいます。
今回お話を伺ったのは……
渡邉 有優美さん
「一般社団法人メディテーションブリージングヨガ協会」代表、ヨガウエアブランド「Aon Jasmine」オーナー
ヨガ瞑想指導16年。ヨガ指導者養成講座(RYT200取得可)。
ヨガや瞑想をタイ、インドネシア、バリ島、スリランカ、インド、ハワイ、日本などで延べ3,000人以上を指導。自身の瞑想時間は1万時間を超え、今もなおマインドフルネス瞑想を学び続け、その素晴らしさを伝えている。著書に『マインドフルネス瞑想で自分らしく生きる』(デザインエッグ社)、電子書籍に『インスタフォロワー6,000人で売上アップした方法』(Ayumi BOOKS)がある。
渡邉有優美さんのInstagram:ayumi.yoga.jasminewear
直感を信じ、タイへ!行動力で活動の幅を広げる
――まずは、タイを拠点にヨガのビジネスを成功させることができたのはなぜなのか、教えていただけますか。
ポイントとなったのは、直感と行動力だったと思っています。タイに移住を決めたのは、2011年のことです。ヨガでビジネスをしたいと思ってタイを選んだわけではなく、タイがただただ好きで、直感で決めてしまいました。
最初は、バンコクのヨガスタジオでクラスを持ち、ごく普通にインストラクターをしていましたが、その後、日本人専用のヨガスタジオでも教えるチャンスをもらったんです。そのときは、自分の足を使って宣伝活動をしましたね。
チラシを手作りして、地図を頼りに30度を超えるタイの道を迷いながら歩き、日本食のスーパーやレストランなどに掲示させてもらうためにまわったことを覚えています。タイには多くの日本人が暮らしているので、需要はあると思っていました。宣伝の甲斐あってか、レッスンに来てくれる人が増えました。とにかく行動することで、タイでの活動の場を広げることができたんです。
――ヨガ指導者の養成講座はどのようなきっかけで立ち上げられたのですか?
長くレッスンに通ってくれていたある生徒さんが、日本に帰国することが決まったときに、「有優美先生のヨガが大好きなので、日本でも先生のヨガを広めたいです」と言ってくださったことがきっかけです。最初は今のようなオンラインでもなく、協会もなかったので、その方が帰国するまでの間、毎日のようにレッスンを行い、初心者指導ができるレベルまでサポートしました。
その後、他の生徒さんのなかからも、「私もやりたいです」という方が出てきて、「じゃあ募集します」ということになったんです。
受講生に本当に必要な講座を用意し、インストラクターとして活動できるまでをサポート
――それが「一般財団法人メディテーションブリージングヨガ協会」スタートのきっかけだったんですね。協会はどのようにして軌道にのせることができたのでしょうか?
インストラクターとしてきちんと活動できるようにレッスンを打ち出したことが、大きな要因だと思っています。ヨガ指導者の代表的な資格「RTY200」の認定を受けられるコースを作ったんです。さらに資格だけあっても、レッスンができなければインストラクターとして活動するのは難しいと思ったので、資格取得だけでなく、先生になるための模擬レッスンの指導なども行いました。これが好評で、口コミで広げてくださる方が増えたんです。
――なるほど!そこから、オンラインになったのはなぜなのでしょうか?
コロナ禍になってしまったからです。私のヨガは呼吸法を大切にしているため、マスクをつけながらの対面レッスンでは、私が本当に伝えたいことが伝わらないと思い、思い切ってそれまでやっていたレッスンすべてをオンラインに切り替えました。
決めたからには、パソコンを買うところから始めて、オンラインでやっている方のレッスンを受けるなどしてやり方を学び、とにかくまずはやってみようと始動しました。
――オンラインにしたことで、何か変化はありましたか?
新たな構想も生まれ、レッスンの幅も広がりました。オフラインのときはグループレッスンが基本でしたが、新たにプライベートレッスンを追加しました。それもやはり、生徒さんからの要望があって始めたことです。
プライベートレッスンでは、ヨガの指導だけでなく、スタジオの運営やフリーで活躍するためのアドバイス、ちょっとした人生相談まで、コンサルタントやアドバイザーの立場も含めたレッスンを展開しています。濃い内容なので、安い料金ではありません。ですが、ご好評いただいています。
自分の想いを大切に行動すれば、状況はかならず変化する
――さきほど生徒さんから「有優美先生のヨガが大好き」と言われたお話がありましたが、有優美さんのヨガとはどんなスタイルなのですか? 特徴を教えてください。
マントラを唱えたり、瞑想を重視した呼吸をともなうヨガです。ポーズではなく、心のヨガを大切にしています。
私自身、「ヨガオタク」という自負があるほどいろいろなヨガを学んできました。タイ以外の国もあちこち飛び回り、ポーズも哲学も、さまざまな型を勉強して経験を積んできて、自然とできたスタイルは、シンプルではありますが、瞑想を大事にした「心地良さを感じるヨガ」です。
――タイへの移住といい、全レッスンのオンラインへの切り替えといい、決断力や行動力がありますよね!?
はい(笑)。直感を大事にしています。直感で決めたあとの行動力は、自分でもすごいと思います。ですが、行動することで状況は変化する。行動あるのみなんですよね。正直なところ、なにかをスタートする際はビジネス的戦略など、あまり考えていないんです。とにかく「女性が輝けることをしたい」、「心地良くなれるものを届けたい」という想いが私の中のベースにあり、結局は「気持ち」でいつも決断しています。
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有優美さんがタイで成功した3つの理由
有優美さんがタイで成功した理由は、以下の3つでした。
1.直感を大切にして決断し、行動した
2.生徒さんを思い、誠心誠意サポートをした
3.ビジネス戦略より、想いを大切にした
後編は、タイの山岳民族の子ども達への支援の気持ちからスタートした、ヨガウエアブランド「Aon Jasmine」の、開発・販売までの道のりについて伺いました。ここでも有優美さんは行動力を発揮。製作をしてくれる工場を探すため、タイ国内の工場を自分の足で回り、翻訳器も駆使しながらたくさんの人と交渉したり、100枚のヨガパンツを無料で配るなど、思い切った行動でヨガウェア販売を軌道に乗せます。またコロナ禍で経営危機を迎えたときは、オンライン販売にも力を入れ、インスタグラムを徹底的に研究。告知文をする投稿ではなく、だれかのお悩みを解決できる投稿を心がけたことでフォロワー数が増え、売上が上がり、危機を脱することができたそうです。