やるべきこと×やりたいこと!「藤田ファム」さんのキャリアアップ論

フリーランス美容師「藤田ファム」さんは「NEHAN」「Lond」「Joemi by Un ami」の3サロンで活動しているクセ毛のスペシャリスト。2020年12月にはオリジナルの「ナイトケア クリーム」を開発し、サロンワークだけでなくプロダクト事業もスタートしています。

「やるべきこと×やりたいこと、という発想が大切ですね」と藤田さん。その言葉の背景には、冷静な分析力と確かな行動力がありました。
前編では、美容師としてキャリアを重ねる方法に迫ります。

今回お話を伺ったのは…

藤田ファムさん

FU株式会社代表取締役CEO、クセ毛のスペシャリスト
日本美容専門学校卒業後、2006年に「GARDEN」グループに入社。美容師として店舗出店や自社商品開発を経て「joemibyUnami」店長、「Joemi by Un ami」代表に就任。2020年3月に独立後、美容師、youtuberとして活動しながら独自ブランドの商品開発プロジェクトを開始。2020年12月「FU株式会社」を設立し、代表取締役に就任。現在は「NEHAN」「Lond」「Joemi by Un ami」の3サロンでフリーランス美容師としても活動中。
Instagram:@fam_unami

「やるべきこと」×「やりたいこと」で強いブランドを築く

クセ毛を生かして作られた、美しいスタイル

――藤田さんは「クセ毛のスペシャリスト」として16年に渡り活躍を続けています。まずは、美容師としての強みの作り方について教えてください。

「やるべきこと」と「やりたいこと」を掛け合わせることが大切だと思います。「やるべきこと」には、流行の発信、悩み解決、クリエイティブ活動などの種類があり、これは美容師としての方向性を決めるポイントです。自分が進むべき道を定めるときは、第一にお客さまを分析することがとても大切ですが、私は「お客さまを分析する力が備わっていない美容師がとても多い」と感じています

たとえば、自分に自信が持てずにいるお客さまが集まりやすいスタイリストには「悩みの解決」というスタイルがあっているでしょう。仮に、このタイプの美容師が「流行の発信」を前面に出してしまったら、おそらく伸び悩むことになります。ようするに、まずは自分の個性を考えて、本当に自分を求めてくれているお客さまを理解することが大切ですね

――それでは、藤田さんのもとには「クセ毛に悩んでいる方が多かった」ということでしょうか?

そうですね。スタイリストデビューして少し経ったときに、自分に自信を持てずにいるお客さまからの支持が特に厚いことに気が付きました。そして、その方々にはクセ毛についての不満が多くありました。そこで「自分のやるべきこと=クセ毛の解消」と、決めました

理論<肌感覚。現場での学びがもっとも大切。

広がりを抑えつつ、絶妙にうねりをまとめるカット

――なるほど。では続いて「やりたいこと」について、教えてください。

ほとんどの美容師にはカットを始め、パーマ、カラーなどさまざまなスキルのなかで特に好きな技術があります。「好き」という想いは自然と技術の向上を生むので、想像以上に大切です。私の場合、特に気持ちが入るメニューはカットでした。

そこで先ほどの「やるべきこと」と掛け合わせて、「カットでクセ毛を解消する」というスタイルに至りました。実は業界に同様のスタイルの美容師はほとんどいません。おそらくこの流れで考えていくと、私だけでなく誰しもが何かに特化すると思います。「その他大勢の美容師との差別化に成功する」と、言い換えてもよいかもしれませんね

――お客さまの分析×自己分析が独自のスタイルを作ることがよく分かりました。このポイントを抑えれば1ランク上に登れるんですね。

いえ、差別化を図ることはできても売れるとは限りません。私は美容師として成果を残すためには、お客さまとの人間関係を作ることがもっとも大切だと思います。きっと、先ほどのような方法論はネットで検索すれば見つかるでしょう。

しかし、知識を詰め込むよりも「ちょっとした仕草からお客さまの心を読む」「さりげない言い回しで信頼を得る」などの知恵のほうが美容師にとってはずっと重要だと思います

こうしたスキルはネットには掲載されていませんから、やはり現場で身に付けなければなりません。少し古臭いかもしれませんが、20代前半の若手はサロンで修行をする期間が必要だと思いますね。

フリーランスだからこそできる、3サロンの掛け持ちスタイル

デビュー当時はショートをウリにしていた藤田さん

――なるほど。ではここからは現在の活動について教えてください。なぜ藤田さんは、サロン経営ではなく「フリーランス」という働き方を選んだのでしょうか?

店舗で勝ち続けることが難しいと思ったからです。世のなかにはヘアサロンがあふれていて、毎年その件数は増え続けています(25万軒以上)。この環境では一時的に注目が集まっても、右肩上がりで成長を続けることはかなり難しいでしょう。

実際に2010年から2020年の10年間で、ずっと話題にあがり続けているサロンを考えてみるとパッと頭に思い浮かびません。ようするに、現在の美容業界ではブランドサロンとして大きくなりづらいと思います

――確かに「オーバーストア化」は難しい問題だと思います。ちなみにプロフィールを見たところ、現在3つのサロンに所属されていますが、このスタイルに理由はありますか?

情報が偏り過ぎてしまうと思ったからですね。業界を見渡すとさまざまな毛色のシェアサロンがあり、似たような考え方を持ったフリーランス美容師がそこに集まってきます。この環境では毎回、同じスタッフと同じような会話を交わすことになり視野が広がりません。

なので、一流のフリーランス美容師が集めるシェアサロン「NEHAN」と、ここ7年間で全国に60店舗を展開している成長著しい「Lond」、私が以前勤めていた「Joemi by Un ami」の雰囲気が違う3サロンで働いています。サロン経営の方法やSNS事情など、それぞれで違う情報を得ることができるのでとてもおもしろいですね
…………………………………………………………………………………………………

美容師のキャリアアップ3POINT

「藤田ファム」さんから聞いたキャリアアップのポイントをまとめると以下の3つでした。

1.「やるべきこと」×「やりたいこと」で強みを作る

2.知識<知恵と考えて現場で接客を磨く

3.独立=出店ではなく、業界を冷静に分析して行動する

後編では、2020年12月に販売をスタートした「クルリ ナイトケア クリーム」にフォーカス。また、顧客を掴む接客術についても伺いました。後編もぜひチェックしてください!

URL:https://kururi-hair.com/

1
2
求人数3万件!リジョブで求人を探してみる
この記事をシェアする

編集部のおすすめ

関連記事

近くの美容師求人をリジョブで探す

株式会社リジョブでは、美容・リラクゼーション・治療業界に特化した「リジョブ」も運営しております。
転職をご検討中の場合は、以下の地域からぜひ求人をお探しください。

関東
関西
東海
北海道
東北
甲信越・北陸
中国・四国
九州・沖縄