国内最大級のオンラインサロンを運営!山崎健吾さんのキャリアアップ法3原則
都内にある2店舗のヘアサロンの経営者であり、会員者数1,600名以上のヘアカラーに特化したオンラインサロン「HAIR COLOR ACADEMY」を運営する山崎健吾さん。
「オンラインサロンを武器に店舗経営という新たなチャレンジを始めました」と語る山崎さん。その言葉の背景には「艶髪カラー」というコンセプト設定や、時代に左右されないマニュアル作りがありました。
前編では次世代美容師のキャリアアップ方法に迫ります。
今回お話を伺ったのは…
山崎健吾さん
美容師。ヘアサロン 「ROIS 表参道」「Grows」代表
山野美容専門学校を卒業後、都内のサロンに就職し1年半でデビュー。2019年カラーの講師活動を開始し、1年半で100回以上の講習を展開。またInstagramで独自のカラー理論を発信し、美容師のフォロワー数が5万人を突破。2020年9月に自身のカラー理論のすべてをまとめたオンラインサロン「HAIR COLOR ACADEMY」をスタート。ヘアカラーに特化したオンラインサロンでは異例の、会員1,600名以上を誇る国内最大級のサロンへ成長し、今尚拡大中。2021年12月、原宿に「ROIS 表参道」渋谷に「Grows」をオープン。
Instagram:@kengo_yamazaki_
新たなチャレンジ!「オンラインサロン」を武器にレッドオーシャンに挑む
――現在1,600名以上の会員を誇るオンラインサロン「HAIR COLOR ACADEMY」は、なぜスタートしたのでしょうか?
カラーについての本質を教えている環境がなかったからですね。どの美容室でも、ヘアカラーについての教育を行っていますが、実際は多くの美容師が「現場で上手く色を作れない…」という悩みを抱えています。
当然ながらこの状態では、美容師は自信が持てず、お客さまもうれしくありません。そこで2020年の9月に、独学で身に付けた、理論・技術・感覚をまとめたオンラインサロンをスタートしました。
詳細は「HAIR COLOR ACADEMY」のホームページやYouTubeなどで発信しているので、ぜひチェックしてください。
HAIR COLOR ACADEMY:HP
YouTube:山﨑 健吾(Kengo Yamazaki)
私自身は、すでに次の行動に移っており、2021年の12月に艶髪カラーの専門店「ROIS 表参道」と「Grows」を出店しました。
――これだけの会員がいるオンラインサロンを展開していれば十分に生計が成り立つと思いますが、なぜ出店をしたのでしょうか?
そうですね…。実は数年前までは、出店に対してあまり前向きではありませんでした。業界にはヘアサロンが溢れており、市場はすでにレッドオーシャン化しています。この状態では、勝ち続けるのは難しく「わざわざ店舗を作る必要はないだろう…」と思っていました。
しかし2019年に上京し、さまざまな美容師と出会うなかで、時間・お金・やりがいに恵まれていない方が、思いのほかたくさんいました。そこで「オンラインサロン」という大きな収入源&教育環境を生かせば、「今までになかった環境を作ることができるかもしれない」と思いました。それが、出店に至ったきっかけですね。
――なるほど、両サロンについてもう少し詳しく教えてください。
「ROIS 表参道」は、ヘアカラー好きの美容師のために設計した美容室です。こちらのサロンでは、「HAIR COLOR ACADEMY」で学んだスキルを活かしやすい環境を整えています。一方「Grows」は、髪色に悩む大人女性と、労働環境に悩むママ美容師を考えて作り上げたヘアサロンです。
ちなみに「Grows」オープンの背景には、子供の誕生が関係しています。私の妻も美容師をしており、「ママになった後も活躍できる場を作りたい!」と思い店舗の構想をスタートしました。どちらのサロンにも「私の身近で困っている方に価値提供をする」という想いが詰まっています。
コンセプトは「艶髪カラー」。安定感を保ちながら、強みを生かす
――「艶髪カラーの専門店」というコンセプトは、山崎さんの身近にいる美容師を考えて掲げられたんですね。
そうですね。現在サロンでは「HAIR COLOR ACADEMY」で知識と技術を身に付けた美容師が活躍しています。ただし、単純に「カラー特化」という打ち出し方はせずに「艶髪」というワードを、あえてコンセプトに付け加えました。
実は、ヘアカラーは技術者の腕によって少しずつ色合いに違いがでてくる施術なので、再現性が低くなってしまいます。一方「艶髪=髪質改善」は誰が担当しても同じクオリティの仕上がりを実現できるメニューなので、単価が高く教育期間もそれほど長期間、必要ありません。
「艶髪」はLTV(生涯顧客価値)が比較的上がりやすい施術です。サロンでは、スタッフが個性を表現できる場を作りつつ売上も残さなければなりませんから、艶髪を前面に出して「サロン全体の売上を安定させよう」と考えました。もちろんスタッフには、カラーのスキルも存分に生かしてもらいます。サロンワークの全体像としては「50%はマニュアルでカバーし、50%は自分の強みを発揮してもらう」というイメージですね。
私の頭には全国展開という大きなビジョンがあります。これは、多くのスタッフとともに成長を続けていくスタイルですね。この体制では、各店舗の美容師が同レベルの技術を持つ必要があります。
ヒアリング型のマニュアルにして、接客力をアップ
――マニュアルのお話が出ましたが作成するときには、どんなポイントに気を付けたのでしょうか?
お客さまのお悩みに寄り添うことを意識して作りました。業界には、トレンドを勧めるなど「提案型のマニュアル」を採用しているサロンもありますが、それは短期では成果が上がっても中長期で見たときに、あまり効果を発揮しないと思います。
おそらく、どんな時代でもお客さまには似たような悩みがありますから、それをしっかりキャッチして適切なアプローチを一緒に考える「ヒアリング型のマニュアル」のほうが、ニーズがあると考えたんです。
ちなみに接客時に使う問診票&カルテには、これまで培ってきた知見を詰め込んでいます。すべての項目を埋めるというルールにしているので、サロン全体の接客力を高める大きな武器になっているんです。
次世代美容師のキャリアアップ法3POINT
「山崎健吾」さんから聞いた、キャリアアップのポイントをまとめると以下の3つでした。
1.オンラインサロンを展開し、大きなキャッシュポイントを作る
2.積み上げてきた実績を武器にしてサロンを出店
3.安定した売上を残しながら、スタッフの個性が発揮できるコンセプトを掲げる
後編では、マネジメント術にフォーカス。また、リピート率を高める接客方法についても伺いました。後編もぜひチェックしてください!
住所:東京都渋谷区神宮前6-15-13 原宿古屋ビル 2F