無限に広がるハーブと精油のブレンドで、お客様ひとりひとりに個別対応 カリス成城セラピスト山本安恭さん♯1
日本ではじめてハーブの取り扱いを始めたカリス成城。本店に併設されるトリートメントルーム チーフセラピストの山本安恭さんに伺います。
カリス成城らしさが体験できる施術といえば、それぞれの肌状態に合わせて数種類のハーブを個別ブレンドするハーブパック。前編では、そのハーブパウダーをスタッフがミルサーで手作りしているというこだわりぶり、次回予約へつなげるためのアプローチ法やキャンペーンの活用法などについて教えていただきました。
お話を伺ったのは
カリス成城本店
チーフセラピスト山本安恭(あずみ)さん
カリス成城チーフセラピスト、セラピストトレーナー、IFA認定アロマセラピスト、AEAJ認定アロマセラピスト。セラピスト資格取得後は産婦人科での産後トリートメントを経験。2007年より現職。
セラピーはアロマやハーブの良さを伝えるためのひとつのツール
――カリス成城のセラピストになった経緯を教えてください。
以前は銀行員でしたが、もともと植物が好きだったので夜間の専門学校に通い、グリーンアドバイザーの資格(植物についてアドバイスできる)を取得しました。その学校の臨時講師として活動する中で、アロマセラピーを知ることになります。
両親の影響で、幼少の頃から添加物をとらない食生活など自然療法を取り入れていて、健康だけが取り柄だったんです(笑)。でもOL時代には、不摂生やストレスフルな生活が続き、アトピーがひどくて、長袖しか着れないような時期がありました。そのときはステロイドも使いましたが、結局食事を調整したことがいちばん功を奏したと思います。
この経験からアロマやハーブにどんどん興味がわきました。その良さを伝えるためのツールとしてトリートメントがより深く働きかけると感じて、セラピストを目指しました。IFAとAEAJ認定アロマセラピストを取得後、学校の先生の紹介で産婦人科の産後トリートメントを担当。月に2度ほどでしたがそれを2年くらい続けた後、ハーブなどの自然素材でケアできるサロンを探してカリス成城に入社しました。
それぞれの肌状態に合わせてハーブと精油を個別ブレンド
――ハーブ専門店のサロンにはどんな特徴があるのですか?
豊富なハーブと精油などの自然素材を使って、お客様ひとりひとりに合ったブレンドを提供しています。オールハンドのトリートメントでお肌やボディ、メンタルまでケア。併設するショップには、化粧品やハーブ関連、香り雑貨が揃っているので、美容面からリラックス法までいろいろな活用方法を提案しています。
――代表的な施術メニューは?
カリス成城の大きな特徴であるハーブパックとオリジナル化粧品をふんだんに使用したドゥラテールフェイシャル「ヤマトビューティー」、「サンクフルーリー」です。
――ハーブパックとはどんなものですか?
パウダー状のドライハーブを熱湯で練り、ゲル状にしたものをガーゼの上から塗布する温かいパックです。お客様のその日そのときの肌状態に合わせて、数種類のハーブを個別にブレンドしています。ドライハーブには、ホール、カット、パウダーとさまざまな形状がありますが、パウダーになっていないものはスタッフがミルサーで粉砕してパウダー状にしているんですよ。
――ハーブを砕くところからですか?
はい、サロンで手作りしています。個人サロン以外でハーブパックをやっているところは珍しいですよね。精油もその都度、お客様ひとりひとりに合わせてブレンドしています。併設ショップにたくさんの精油やハーブを揃えているので、ブレンドの種類は無限に広がります。
――まさにハーブ専門店ならではですね。肌悩みで多いものはなんですか?
いまは、マスクをしていることでどうしてもケアがルーズになってしまうので、乾燥やたるみ、くすみなどが多いです。乾燥にはマロウやマルベリー、くすみには血行促進してハリを出すローズマリーや天然のアルブチンを含むヒースがおすすめです。
ハーブパックでたっぷり水分チャージした後にオイルトリートメントするので、オイルの吸収がさらによくなり、とてもなめらかな肌になります。精油とはまた違ったごくほのかなハーブの香りで、皆さん癒されるとおっしゃいますね。
お客様の潜在的な要望を掘り起こすためにキャンペーンを実施
――次回予約につなげるための工夫はされていますか?
お客様の要望やコンディションにもよりますが、今回試していただいたものの、その先をイメージできるような提案をしています。
例えば、今回のフェイシャルで、顔のむくみがボディの不調からきていると気づいた場合、次回はボディのメニューやフェイシャルにオプションをプラスすることをおすすめしています。あとは短いコースから、よりケアできる長いコースにしていただくとか。
顔だけケアするよりも、実は足やデコルテをケアすることで顔色がパッと明るくなったりするんですよね。そんなふうに、お客様は気づいていないけれど別のアプローチでさらにご満足いただけるような提案を心がけています。
――それを試されるお客様は多いですか?
はい。ご提案を受けてくださるお客様は多いですね。でも、そのためにはまずお客様のリクエストにお応えすることが大事です。そこをスルーしてしまうと「あれ、わたしここがツライって言ったよね」ということになってしまうので。それに応えた上でプラスαの提案ができると、お客様自身も「ここをケアしたらここがよくなった。次ここもプラスしたらいいかも」とさらに良くなった状態をイメージしやすくなると思います。
――他にもリピート率を上げるために対策されていることはありますか?
お客様の潜在的な要望を掘り起こすために、キャンペーンを実施しています。例えば、「オプションひとつ無料プレゼント」というキャンペーンで、ボディはちょっと抵抗があっていつもフェイシャルのお客様に、背中のオプションを試していただいたところ、とても満足していただけました。その方は「もう背中なしではいられない」とどんどんコースが長くなりました。キャンペーンは、お客様は気づいていないけれど、実はこの部分をケアしてほしかったという潜在的な要望を掘り起こすために活用できます。
山本さんがリピート率を上げるために実践していることは
カリス成城チーフセラピストの山本さんがリピート率を上げるために実践していることは以下の3つです。
1.それぞれの肌に合わせてハーブと精油を個別ブレンド
2.別アプローチの提案で次回予約につなげる
3.キャンペーンで潜在的要望を掘り起こす
後編では、「ショップ併設サロン」という環境を生かすために実践されていることを伺います。