明日のお客様に結果を出すために。Aroma flow佐々木直子さん＃2
エステティシャンやセラピストの有資格者向けのセミナーを開講するAroma flow代表の佐々木直子さん。前編では、セミナー開講に至るまでのお話を伺いました。佐々木さんは、資格を取得しただけでは現場では通用しないことを身をもって経験しているので、お客様に選ばれるセラピストを育てるためのセミナーを開講しています。
この後編では、セラピストひとりひとりが足りないところを単発で受講できるセミナーの内容について詳しく教えていただきました。セラピストが活動する場へ佐々木さん自ら出向く出張セミナーへの思いも。
お話を伺ったのは…
Aroma flow
代表 佐々木直子さん
小学校の養護教諭を経て、エステティック・アロマサロンの経営に携わる。その後、産婦人科のセラピストを経て、アロマスクール講師となり、12年で1500人以上のインストラクター・セラピストを養成。IFA国際セラピスト育成では、世界で数パーセントしか選ばれない最高位ランクを多くの生徒に取得させる実績を持つ。アロマセラピーや解剖生理学を中心とした講座登壇回数は3000回以上。現在は、アロマ関連セミナー・サロン開業コンサルタントとして活動。
明日から現場で活かせる解剖学を単発で受講できる
「セラピストの悩みは、大きく2つ。集客する技術がない、もしくは技術はあるけれど自分では売れない、そのどちらかです」と佐々木さん。
――知識や実技のセミナーでは、必要な講座を単発で受講できるそうですね。
現在、「セラピストのためのカウンセリング解剖学」という講座を開講していて、全23回とロングバージョンなのですが、「女性ホルモン・内分泌」、「循環・リンパ」など6項目に分かれているので、生徒さんが必要と思う講座を単発で受講できるようになっています。わたしが筋肉マニアなので、筋肉の項目がいちばん分厚いんですけどね（笑）。
――生徒さんが悩んでいるところをピンポイントで勉強できるんですね。
そうなんです。例えば、むくみを解消してほっそり見せたいお客様がいるけれど、その原因が分からない、また主訴の原因は分かっているけれどお客様に「なぜ？」と言われるとメカニズムを説明できないという生徒さんがいました。その生徒さんには、循環器・リンパの講座を受けていただきます。そうすると、むくみが起きるメカニズムが理解でき、お客様の主訴の原因が明確になり、そのメカニズムをお客様にきちんと説明することができるようになりました。それだけでなく、お客様に適切なアドバイスができるようになるため、リピートにも繋がるんですね。このように、教科書にはのっていない、明日から現場で活かせる解剖学をお伝えしています。
――まさに、資格取得者のための講座というわけですね。
解剖学を基に、どうやってお客様に通ってもらうためのプレゼンをするか、「リピートプランニング」までお伝えしています。生徒さんには、セラピスト、エステティシャンの方が多く、先日は、シャンプーにヘッドマッサージを取り入れたいと、ヘッドメソッド講座に参加してくださった美容師さんがいらっしゃいました。座学でメカニズムを学んでから実技に入るので、受講後すぐに結果の出せるヘッドマッサージを取り入れていただくことができます。
生徒さんの活動拠点へ出張セミナーも
「欠けている部分が埋まると、セラピストの方は自信を持てるようになります」。
――実技のセミナーは出張もされているそうですね。
はい。この2年間、自分が生徒さんの活動拠点に出張するスタイルを試みています。元々わたしの拠点は静岡なのですが、静岡に顧客がたくさんいるわけではなくて。実は、都内に事務所を借りて、そこを拠点にしようと思っていたのですが、「コロナ禍で都内に行くのは不安。先生が地方に足を運んでくれるなら安心」という声をいただくようになったんですね。わたしが移動すればすむんだ! という新鮮な驚きでした。とくに小さいお子さんがいる方は、東京や大阪のスクールに通うのは厳しいし、移動しなくてすむので感染リスクが下がると、本当に喜んでくださるんですね。コロナ禍で確実にニーズが変わってきていますね。
――出張してのセミナーは大変なのでは？
その土地を楽しみながらやっているので、そんなに辛くはないです。ただ、出張先が遠方の場合、前入りするので一日分時間のロスが発生してしまうんですね。ゆくゆくは、各地に認定講師を育てて、近い方が技術を伝えてくれるシステムを構築したいと思っています。
――佐々木さんのセミナーの強みはどんなところですか？
強みは、結果が出せることですね。お客様の主訴に応える技術をのせることが、うちの強みだと思います。わたしには、お客様の主訴に徹底的に応えられるまで勉強し続ける癖があって、12年間ずっとそれを続けてきました。それを全部まとめてカリキュラム化したものが、Aroma flowの理論と実技セミナーです。わたしのセラピスト人生がすべて詰まっているんです。個々のお客様の主訴に完璧に応えられると、お客様が浮気しなくなるんですよね。
――もうこのセラピストさんに任せようと？
そうです。他のサロンにいくと不満が出るんです。リピートを獲るための技術が、わたしのいちばんの売りだと思います。
――受講生のその後の活躍について教えていただけますか。
月5万円の売上しかなかったセラピストの方が、月30～40万円の安定収入が得られるようになり、その後もう1店舗出した方がいらっしゃいます。生徒さんからは、「教わったことを翌日すぐに実践したら、お客様がすごく喜んでくれて、通ってくれるようになりました」などお客様の満足度が上がったという声をたくさんいただいています。
――リピートでまわせるようになるのが大事と発信されていますよね。
絶対大事だと思います。新規集客をするエネルギーが小さかったり、営業活動が得意でない方が多いので、なるべく入ってきた人を出さない。それがいちばんの近道だと思っています。リピートで回していければ集客はいらなくなるので、そこを徹底しています。わたし自身も、サロンを運営していたときは、同じ曜日の同じ時間にこの人が来るという感じでリピートでまわっていたので、集客は一切していません。それがいちばん楽だと自分もよく知っているんですよね。10年間、そういうお客様と一緒に歳を重ねていけたら楽じゃないですか。生徒さんにもそこを目指していただきたいので、技術・知識講座でも経営面でもリピートにはこだわっています。
――最後に、今後の展開があれば教えてください。
これまでは生徒さんのニーズに合わせて望まれるものをセミナーとして開講していましたが、ニーズがほぼ固まってきたので、Aroma flowオリジナルメソッドという形にして、来年の1月にスクール化する予定です。
Aroma flowのセミナーが支持される理由は
Aroma flowのセミナーが支持される理由は、以下の3つです。
1.必要な項目を単発で受講できる。
2.生徒さんの活動拠点に出張してくれる。
3.リピートを獲るための技術が身につく。
資格を取得することと、現場で通用するトリートメントは別物、とおっしゃる佐々木さん。別物だからこそ、別物であるが故の辛さを知っているからこそ、その隙間を埋める知識と技術を積み上げて、活躍できるセラピストを育てたい。「明日のお客様に結果を出す」。佐々木さんの使命感がひしひしと伝わってくるインタビューでした。
取材・文／永瀬紀子
