独学でサロン開業まで。学生時代から経営者になるまでの道のり【経営者 橋本実花さん】#1

「アタマの中から、ツメの先まで 華やかな冒険を世界中の人々へ。」ネイルを通して、綺麗を目指す人を応援する事業を行う、合同会社WORLDLY経営者の橋本実花さん。YouTubeやネイルアイテムのプロデュース業から、ネイル業界を盛り上げる画期的なWEBサービスの開発まで活躍しています。

芸術大学で大好きなアートを学ぶ傍ら、独学でネイルの資格を取得し、在学中にネイルサロンを開業したという橋本さん。前編ではネイル業界に携わることになったきっかけや会社設立までの経緯について伺いました。

HASHIMOTO’S PROFILE

お名前
橋本実花
出身地
大阪府
年齢
29歳
憧れの人
沢山いて絞れません
プライベートの過ごし方
家族でお出かけしたり、息子と遊ぶ
仕事へのこだわりなど
チームで作り上げていることを忘れない

在学中にハマったネイル。独学の末、自宅サロンを開業

――どのような経緯でネイル業界へ進まれたのですか?

もともとはプロダクトデザイナーになるために芸術大学に入学しました。その在学中にネイルに興味を持ったことがきっかけです。ただ、デザイン専攻でアートやデザインについて学んでいたので時間的にネイルスクールに通うことが難しく、独学で挑むことにしました。

とはいえ、当時は今のようにネットなんて発達していませんし、個人で学べる領域に限界を感じてしまって…。独学では補いきれない技術面を補足するために、ネイルサロンでアルバイトを始めました。実際にサロンで経験を積み、ネイル検定3級の資格を取得できたときに「サロンを開業してみよう」と思い立ち、自宅で開業しました。

――その頃から「経営」を視野に入れた行動をとっていたようですね。

今振り返るとそう思いますね。実は当時、働きながら美容業界の全体構造やサロン経営を学び知識と技術を身につけようと考えていたので、総合美容サロンがある大手エステサロンへの就職を決めていました。

ですが、大学教授にアーティストとしての才能を評価される機会があって、それをきっかけに「絵を描くことを続けたい」と思ったんです。その後は、就職を辞退し、大学院進学の道を選びました。

経営について考え始めたのは、この頃からだと思います。

サロン開業後、悩んだ末に経営者にシフトチェンジ

――経営を意識し出して、まずは何から始めましたか?

サロンの店舗数拡大を視野に入れ、個人事業主になりました。それから、自宅とは別に部屋を借りて改めてサロンをスタート。自分が学生で一人では立ち回れないと思い、スタッフも一人雇いました。

――学生のうちからすごい行動力です。順調でしたか?

それが、お客様とお話して施術をするのが楽しい反面、大学院の研究との両立で1日に何人ものお客様を施術することが体力的に厳しくなってしまって…。

これでは、学業もネイルもどちらも楽しく無くなってしまう…これではまずいと感じましたね。そこで、別の角度からネイルに関われることはないか、必死に考えました。

――考えた結果、たどり着いた案は?

まずは、YouTubeで一般の方に情報発信をすることから始めました。当時はまだYouTubeが今ほど浸透していなく、セルフネイルに関する動画もあまり出回っていませんでした。そこで、私が独学で大変だった時に欲しいと思った情報を、セルフネイルを独学で学びたい方や楽しみたい方に向けて配信できたら需要があるんじゃないかと思ったんです

――反応はいかがでしたか?

始めてみて、一ヶ月ほどで1000人くらいの視聴者がつき、好調な滑り出しとなりました。

――セルフネイルを学びたい人たちに、ニーズにうまくハマったのですね。

そうみたいですね。チャンネルの目的としてセルフネイラーの人が技術を学ぶ場を提供したかったので、そういったお声をたくさんいただけてとても嬉しかったですね。

チャンネルの目的としてセルフネイラーの人が技術を学ぶ場を提供したかったので、そういったお声をたくさんいただけてとても嬉しかったですね。

YouTubeの反響を受け、その特性を活かしながら事業を進めることに注力したいと思い、サロンを畳むことに。本格的に経営者としてネイル業界を盛り上げるべく、「今だ!」と思って法人化に踏み切り、合同会社WORLDLYを設立しました。

誰でも綺麗に簡単に、ネイルができるアイテムを作りたい

――会社を設立して、はじめに着手したことはなんですか?

セルフネイラーの方へ向けて、使い勝手は初心者向けなのに中身はプロ品質なオリジナルジェルネイルブランド「レティジア」を立ち上げました。

私自身、今までセルフネイルをやってきてすごくいいと思えるアイテムに巡り会えていなかったんです。加えて、YouTubeでセルフネイルを紹介するたびに視聴者の方からも「動画で使用しているアイテムはどこで売っていますか?」など、使用するアイテムについて聞かれることが多くなっていました。しかも、動画ではプロ仕様のアイテムを使っていて、そのアイテムは一般の方では購入ができないため、おすすめもできなくて…だったら作っちゃおう!と(笑)。

――どんなところにこだわったんでしょうか?

誰でも「デザインが可愛く、高品質で使いやすい」ネイルが楽しめることに重点をおきました。

やっぱり、プロが使用しているアイテムを使った方が爪にもいいですし、上達もしやすいんですね。毛先がボロボロの状態の筆でネイルしたら上手に塗れませんし、セルフで楽しんでいる方であれば尚更難易度が高い。いい筆を使えば、簡単に上達できるのに…と思っていました。

――確かにうまくできない初心者こそ、良質なもので挑戦することで問題が解決されそうです。

そうなんです。例えば、料理が得意じゃない人が焦げついたフライパンで卵焼きを美味しく、かつ焦げ付かないように作るのって、難しいですよね。でも、「焦げ付く」という問題が解消されたフライパンがあれば、苦手な人でも簡単に美味しく作ることができる。

そうした「問題」を取り除いた、誰でも簡単にできるネイルアイテムを生み出したかったんです。

――実際に販売してみて、反響はいかがでしたか?

ご好評いただいているようで、リピートしてくれる方が多くいらっしゃいます。「今までどのネイルアイテムでもうまくいかなかったけど、「レティジア」を使用したら簡単に綺麗にできました」というお声が一番多く、自分でも作りたいものが作れて、しかも使ってほしい人に届いてとても嬉しいですね。

――本来の目的に沿った評価が得られたようですね。

YouTubeも「レティジア」もセルフネイラーへ向けて発信、提供することが目的。さらにYouTubeをみて学んでもらえたらネイルともっと近くなれるし、業界自体が循環していくと思うので、これからもネイル業界が盛り上がるように注力していきたいと考えています。


よく「好きこそものの上手なれ」と言いますが、橋本さんはそれを体現しているかのようです。学生でありながらネイルを独学で追求し、サロン開業まで達成したのは、興味が湧いたことに対する素早い行動力と柔軟な判断力によるものだということがインタビューを通して伝わってきました。

後編では、ネイル業界を盛り上げるためにしている事業や橋本さんの原動力となっていることについて教えていただきます。

お話を伺ったのは…

橋本実花さん

デザインを学ぶために大阪芸術大学に進学し、その間にネイルに興味を持つ。ネイルについて独学後、数々の資格を取得したのち、自宅にてネイルサロンを開業。大学院に進み、個人事業主としてサロンを改めて開業するも経営者に転身し、ネイル事業に特化した合同会社WORLDLYを設立。2020年、結婚し、子どもが1人。現在もネイル業界を盛り上げるべく、さまざまなサービスを展開している注目の経営者。

取材・文/東菜々(レ・キャトル)

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