美容師×写真×映像を兼業することで社内のクリエイティブを確立したミウラケイスケさん
美容師の仕事に欠かせないのがスタイルの撮影。今回ご紹介するミウラケイスケさんはスタイル撮影のために購入したカメラに夢中になり、現在は撮影や動画の制作の仕事でも活躍する美容師です。カメラマンとしての技術は本業のサロンワークでもかなり生かせているとのこと。前編ではサロンワークと撮影両方の働き方や両立するために大切な環境選び、またカメラマンを始めたことで社内でのクリエイティブも確立できたお話を伺います。
今回、お話を伺ったのは…
ミウラケイスケさん
美容師・カメラマン・映像
山野美容専門学校出身。卒業後5年ほど南青山のサロンに勤務したのち転職し、現在は全国に展開するサロン「flammeum」のスタイリスト兼統括マネジャーとして神奈川県を中心に活躍。さらに2年前より副業としてカメラマン、映像制作もてがけている。2月にはカメラマンやモデルのコミュニティで初めて渋谷で写真展を開催。
副業カメラマンの技術を生かし、社内の撮影チームの運営も担当
――美容師とカメラマンを両立されているとのことですが、どのような働き方なのか教えてください。
本業は美容師としてサロンワークを行いながら統括マネジャーとして全国をまわり、スタッフの教育や新店舗の立ち上げなどを行っています。休日を使って副業の撮影を実施。月に8日、プラス有給で10日間ほどある休日に合わせてスケジュールを組んでいます。定期的に仕事が入る時は週一回程度。最近は写真展の準備のため2倍くらいのペースで動くようになりました。さらに会社内でも撮影チームのディレクターをつとめています。
――撮影チームのディレクターとは?
社内にある撮影チームの運営と企画を担当しています。過去には外部に依頼していたこともあったのですが、現在はインスタ広告や予約サイトに載せるスタイルなどすべて自社で制作。毎日更新できるくらいの量を撮りためています。
――どのような目的で撮影チームができたのですか?
集客はもちろん、会社内で撮影チームをしっかりと組んで運営している会社が少ないので、美容学生や美容師さんに少しでも見つけてもらえたらというPRもかねて発信を行っています。「flammeum」では3本の柱を軸に経営を行っており、ひとつ目が福利厚生、ふたつ目がアシスタントもしっかり学べるアカデミー制度、最後に自社でクリエイティブに力を入れること。そのクリエイティブのひとつとして撮影チームを立ち上げました。発信を続けることで流行に敏感で美容が好きな方が集まってくるので、しっかりと確立していきたいです。
美容師×カメラマンのメリットを生かして、夢だったヘアメイクも実現
――本業でも撮影の技術を発揮されているのですね。カメラはいつ頃から始められたのですか?
2年ほど前からです。予約サイトなどに掲載するためにサロンでヘアスタイルを撮影する必要があり、一眼レフのカメラを購入しました。撮影を続けるうちにどんどんカメラの世界にのめり込んでいき、個人でも風景やポートレイトを撮影するようになったんです。
――主にどのような撮影をされているのですか?
ウエディングフォトの依頼が多く、ヘアメイクをしたうえで一緒に撮影まで行います。メイクはそこまで本格的にできないので別にプロの方を呼ぶこともありますが、ヘアは基本的に僕が担当。それから動画制作も行っており、ウエディングのオープニングやプロフィールムービーを制作しています。また企業のPR動画やインスタグラムの広告動画を作ることも。写真がメインだった自社の求人広告をプロモーション動画に変えて制作したこともありました。
――撮影では美容師ならではの視点などもあるのでしょうか。
普通のカメラマンさんだと構成に目がいってしまいますが、スタイルをどのように美しく見せるかなどもわかっているのでその点は美容師ならではだと思います。それからヘアメイクをしながら撮影前からコミュニケーションを取れるのもメリットです。突然カメラを向けられると緊張しちゃう方もいると思うので、そこを少しでも事前にほぐせるようにお話をしています。
――カメラを始める前からウエディングのヘアメイクを行うこともあったのですか?
一生に一度の華やかなヘアを担当することに憧れはあったのですが、式場には専属のヘアメイクさんがいらっしゃることが多く、また着替えなどの関係で男性は入れないことがほとんどであきらめていました。勉強はしていたのですが生かせる場所がなかったので、カメラを始めて携わることができてうれしいです。思いがけず美容師としての夢もひとつかなった感じです。
自分の時間を確保できる環境選びが大切
――休日を使って副業をされているとのことで大変なことはありますか?
楽しくやっているので大変だと思ったことがないんですよ。
――それはいいことですね!そのほかのプライベートな時間は確保できているのでしょうか?
カメラのほかにアウトドアが趣味なのでキャンプや山に出かけることもありますよ。しっかりと休みが取れるので、スケジュールを調整すればリフレッシュの時間も確保できます。結局そこにもカメラを持っていってしまうのですが笑。趣味の延長で好きだからこそやっていけているんだと思います。
――副業を始めたい方にとって時間の確保が問題になることも多いと思います。その点についてはいかがですか?
じつは僕も一度カメラの趣味が続かなかったことがあるんです。以前勤めていたサロンでは営業時間外に練習をするなどなかなか時間が取れなくて。転職した今では勤務時間がしっかりと決まっていて、自分の時間がたくさん取れるようになりました。そこで本格的にカメラを始められたので、環境選びは大切ですね。所属するサロンでできることがまったく変わってくると思います。
美容師×カメラマンとして活躍するための3つのポイント
1.カメラマンとして培った知識をサロンワークにも取り入れる
2.心から楽しいと思える仕事を選ぶ
3.自分の時間を持てる環境に身を置く
後編では、ミウラさんがどのようにしてカメラマンの仕事を獲得していったのか、インスタグラムを活用したコミュニティの広げ方について伺います。副業を考えている方必見の内容です!