質よりも量を意識した修行期間を経て、周囲と差別化を図ったサービスにより市内一の人気サロンに【サロンオーナー 鎌田竜也さん】#1
福岡県春日市、福岡市に2店舗のサロンを構える、「hair dress V.I.E.W」オーナーの鎌田竜也さん。最初にオープンしたサロン「hair dress V.I.E.W」は、春日市で人気ナンバーワンの実績を誇ります。
前編では、これまでの経歴をお聞きしながら独立してサロンをオープンさせた経緯を伺い、人気サロンへと成長させた秘訣を探ります。
お話を伺ったのは…
hair dress V.I.E.Wオーナー 鎌田竜也さん
福岡県出身。美容専門学校卒業後、アパレル業界に就職。その後、美容師へ転身。福岡市内でアシスタントを務め、東久留米市でスタイリストデビュー。いくつかサロンを経験したのち、独立して「hair dress V.I.E.W」をオープン。春日市で人気のサロンとして呼び声も高く、そのリピート率は90%。
独立を実現させるために自分に足りない経験を積んだ期間
――これまでの経歴をお聞かせください。
実は美容学校卒業後、アパレルのショップ店員として働いていて、美容師を志したのはそのあとでした。
美容専門学校の先生が経営をしているサロンでアシスタントとして3年ほど働き、スタイリストデビューを目指していたのですが、社内の方針が変わり、デビューが見送りになってしまって…。別の先生の紹介で、久留米市でサロン経営をしていた先生に拾ってもらい、スタイリストデビューできたんです。このときから、独立することを視野に入れていました。
美容師を志したのが遅かったこともあり、当時の僕は経験が足りなかったので、まずは月100回のカット数をこなすことを目標にしていたんですが…就職したサロンは、固定のお客様で集客できている状態で新規の集客が見込めなくて。デビューしたてでお客様もついているはずがなく、僕には大打撃でした。
――どういう対応をとったのですか?
知り合いにひと月で1千万円も売上が立つサロンを経営している人がいたので、久留米市のサロンに在籍したまま働かせてもらうことに。そのサロンは売上重視のため、一人ひとりに時間を割く施術というより、とにかく数をこなしていくタイプで、カット数をこなして経験を積みたいと考えていた僕にピッタリの条件だったんです。
――実際に働いてみていかがでしたか?
柳川市はご高齢の方が多く、パーマのロット巻きなど以前のサロンではできない施術スタイルが経験でき、幅広く対応できる力がついたと感じています。
目標だったカット数は、1年経った頃にはだいたい新規だけでも月200人まで経験できました。
――数をこなして、だんだん自信がついたのですね。
カット数は達成して技術にも自信がついたのですが、客層が高齢の方、と偏っていたため、若年層まで対応できる幅を広げたいと思うようになって。福岡市内でも若年層をターゲットにしているサロンが多い天神に拠点を移し、業務委託の形態で所属できるサロンに転職しました。
ところが、天神で働いて1年経たずに博多で店長を任されることになったんです。最初は戸惑いましたが、就任後は自主的に経営や教育を学びながらSNSでの集客も行った結果、博多の店舗の業績はトップに。そのときは嬉しかったですね。
この頃店長として働いた経験が独立してからの基礎になったと感じます。
マンツーマンに特化し、お客様満足度も人気も右肩上がりに
――このあと独立をされたのですね?
そのつもりだったのですが…当時の代表から博多の店舗をFC(フランチャイズ)で譲り受ける予定が頓挫してしまって。1年くらいカット講師と美容師の二軸で働いていました。独立したのはそのあと。ようやく春日市でのサロンオープンがかないました。
――なぜ春日市を選んだのでしょうか?
福岡県で保育園や美容サロンを中心に手広く経営をしている知人に相談したら「春日市」がいいと言われたんです(笑)。もちろん、自分でも調べました。実際に駅からの距離を歩いて道を確認してみたら、車と電車、両方のアクセスがよかったんですよ。
加えて中心部の天神や博多は、オフィス街で人の入れ替わりがすごく激しいのですが、春日市はファミリー層がメインなので定着率もいいと考えました。サロンもいくつかあったことから、需要がありそうだとも感じたんです。
――他のサロンと差別化を図るためにどんなことをしましたか?
最初は全てのサロンの価格を観察・比較し、低すぎず高すぎずなラインを目指して設定をしました。
――その価格設定が、他のサロンを抑えてリードできたポイントなのでしょうか。
それもありますが、完全マンツーマンの施術が大きく反映したんだと思います。他のサロンはわりと高めの料金でスタイリストとアシスタントが担当をしているようでしたが、うちでは完全にマンツーマン。ひとりのお客様につき、ひとりのスタイリストが全ての施術を担当するようにしました。他のサロンとは違う体制をとったことがいい結果に繋がったと思います。
また、他のサロンよりも低価格の施術が維持できるのはアシスタントを一切雇わないでマンツーマンにしたからです。人件費をかけないことがコスト削減に繋がりましたね。
紆余曲折を経験し、独立をかなえた鎌田さん。後編では、春日市のサロンが人気の秘訣やコンセプト、福岡市でオープンした2店舗目の経緯などについて詳しく伺います!
取材・文/東菜々(レ・キャトル)