美容師の志望動機に書くべき内容とは?書き方のポイントやおすすめの例文、NG例を紹介
髪を整えお客様の美の手助けをする美容師は、美容業界のなかでも人気の高い職業のひとつです。そんな美容師として就職するためには、志望動機が不可欠。志望動機を上手に伝えることができなければ、就職は難しいでしょう。
そこで今回は、美容師の就職に焦点をあて、どんな仕事をしているのか、どんな能力が必要なのかを紹介します。
また、志望動機を書くときのポイントや注意点、未経験者・経験者それぞれの例文も紹介するので、参考にしてください。
美容師の仕事とは
美容師の仕事は、ただ髪を整えるだけではありません。カットやカラー、パーマの施術が主な仕事となるのは間違いありませんが、その前にお客様の要望を伺うカンセリングをはじめ、ときにはメイクや着付けをしたり、さらに清掃や事務などのいわゆる「裏方の仕事」もしたりします。
オーナー美容師がひとりで経営する美容室などでは、すべての仕事をひとりでこなす必要がありますが、複数のスタッフを雇用している場合は、アシスタントが補助にあたることもあります。
美容師として就職する際は、こういったアシスタントとして先輩美容師の補助などの下積みからはじめ、ジュニアスタイリストやスタイリストなど、少しずつランクを上げていくことが多いです。
必要な資格
美容師になるには、国家資格である美容師免許が必要です。美容師免許を取得するためには、高校卒業後に厚生労働大臣が指定する美容学校に入学し、カリキュラムを修了することで受験資格を得て、国家試験に合格する必要があります。
さらに、公益財団法人理容師美容師試験研修センターに申請して美容師名簿に登録されることで、美容師免許の交付を受けることができます。
厚生労働大臣指定校は、昼間または夜間課程2年間または通信課程3年間、通うことが義務付けられています。
美容師免許の取得方法については、別記事でもご紹介していますのであわせてチェックして見てください。
美容師の資格と取得方法を紹介|キャリアアップに役立つ資格5選
美容師に必要な能力とは
美容師として就職するには、求人を出している企業やサロンが、どんな人材を求めているのか把握することが重要です。美容師に必要とされる能力やスキルの一部をご紹介します。
コミュニケーション能力
まず美容師に求められるのは、コミュニケーション能力です。美容師は、お客様が希望している髪型を聞き取るだけでなく、お客様のことを知り、さらに細かい要望、たとえば施術を終えたあとのお客様の予定から、どのような仕上げをするのか、などを判断する必要があります。
また、美容師はお客様の髪や肌に直接触れ、ハサミなどの刃物を使用するため、お客様からの信頼を得なければスムーズな施術が難しくなってしまいます。お客様と信頼関係を築くためにも、コミュニケーションは重要といえるでしょう。
さらに、お客様との会話だけでなく、スタッフとの連携など、サロンを円滑に運営していくためにも大切な要素です。
向上心
ヘアスタイルやメイクは日々新しい理論や技術が発表され、トレンドの移り変わりも比較的早いです。そのため、常に技術やトレンドを追求していく姿勢や、仕事以外の時間もスキルアップのために勉強していくための向上心が求められます。
デザイン力
美容師はお客様の髪を整える職業のため、美容師の好みの髪型ではなく、お客様が求めている髪型をデザインに落とし込む能力が必要です。また、それを実現する技術力も欠かせません。
志望動機に書くべき内容
さまざまな業務をこなし、お客様を満足させるために幅広い能力が求められる美容師。そんな美容師として就職するためには、どのような志望動機を書けばよいのでしょうか。
ここからは、志望動機に書くべき内容についてみていきましょう。
美容師を目指す理由
まず大切なのが、なぜ美容師になりたいのか、熱意を伝えることです。美容師を目指す理由を、具体的な経験を踏まえて書いてみましょう。
たとえば、「初めてヘアカットをしたときに親身になってもらえて感動した」といったような、美容師という仕事を意識するようになったきっかけのエピソードを盛り込んでみてください。
美容師の仕事に活かせる経験や強み
今までの自分の経験や、自分がもつ強みのなかで、美容師の仕事に活かせそうなものを具体的に説明することも重要です。
卒業したばかりでは難しいかもしれませんが、サロンに貢献できそうな経験、たとえば「長年運動部だったため体力には自信があり、長時間の立ち仕事もできる」といったことや、そのほかの長所をアピールしてみましょう。
美容師としての目標やキャリアプラン
美容師としての目標を書くことで、就職後にどう働いていくかイメージがつかめ、熱意を伝えることができるようになります。そのため、自分自身がまずどんな美容師になりたいのか、どのような目標があるのか、キャリアプランなどを整理してみてください。
応募先には、その美容室で長く働くための目標を、具体的に書くとよいでしょう。
その美容室で働きたい理由
数多くの美容室があるなかで、なぜその美容室で働きたいと思ったのかという理由も書きましょう。
曖昧ではっきりしない理由にしてしまうと、「うちの店じゃなくてもいいのでは」「どの応募先にも使えそうだ」など、かえって悪い印象を与えてしまう恐れがあります。そのため、事前にその美容室について調べたり、実際に行ったりして、どんな点に感銘をうけたのかなど、具体的な熱意を伝えてみてください。
志望動機を書くときのポイント
志望動機を書くときは、上述した内容をただ書くのではなく、自分自身をアピールする書き方も大切です。そこで、美容師が志望動機を書くときのポイントをおさえておきましょう。
「なぜ」に対する答えを先に書く
熱意を伝えたいがあまり多くの情報を詰め込みたくなるかもしれませんが、ここでだらだらと説明するのはおすすめできません。企業(美容室)が知りたい「なぜこの美容室に応募したのか」ということをはじめに簡潔に書きましょう。
なぜ美容師を目指したのか、なぜこの美容室に応募したのかという理由がきっとあるはずです。その理由を思いつく限り書き出してみて、説得力のある理由を一言で伝わるように簡潔に書くのがおすすめです。
補足としてエピソードを伝える
上述した「なぜ」に対する答えを補足するように、その決断にいたったエピソードをまとめます。
<例>
「私は学生のころからヘアメイクに興味があったため美容師を目指しました。
学生のころはイベントがあると、友達のヘアセットを手伝ったりメイクをしたりしていました。自分自身のヘアケアやメイクも日々研究するのが日課で、最新の情報は常にチェックするようにしています。
美容室で施術を受けるとき、いろいろなお客様の喜ぶ顔や満足そうな笑顔を目にします。私も大好きなヘアメイクで、お客様に喜んでいただける仕事をするのが目標です。」
美容師を目指したきっかけやその美容室に応募した理由を深堀し、説得力をもたせるエピソードを盛り込みましょう。
入職後に貢献できる強みを伝える
志望動機を書くうえで企業分析は欠かせません。美容室のコンセプトや理念、ターゲット層や特色などとからめて、入職後にどのような貢献ができるのかを伝えます。
自分自身が努力してきたことや自信があることを伝え、お店のコンセプトや目標を一緒に実現していける人材であることをアピールしましょう。お店にとって必要な人材だと思われるよう、美容室の特色を整理し、マッチングする特技がないかを洗い出してみるのがおすすめです。
仕事に対する意欲を伝えて締める
志望した理由や補足するエピソード、自分自身の強みや貢献できることをしっかり記述したら、最後に仕事に対する意欲や熱意を書き加えるのがおすすめです。いくら感動的なエピソードを伝えても、働く意欲や熱意がない人材を採用したいとは思わないでしょう。
美容室によっては、スキルや経験より熱意を重要視することもあります。特に未経験で応募する場合、アピールできる経験が少ないので、最後に前向きに取り組む意欲を伝えて締めましょう。
美容師の志望動機としてNGな書き方の例
志望動機として不適切な例も、いくつかご紹介します。知らずにNGな書き方をして、不利になることもあるかもしれません。
しっかりチェックして、履歴書作成に活かしましょう。
主体性がなく待遇面だけの理由
たとえば、「給与や福利厚生が充実しているので」「社内研修制度があるので」といった理由では、ほかにもっといい条件の美容室があったら転職するのではと思われかねません。
給与や福利厚生といった待遇のよさに言及するなら、「お客様だけでなく従業員も大切にする姿勢に感銘を受けた」などと言い換えてみてください。
美容師の仕事とあまり関係がない理由
美容師を目指したエピソードや自分の強みが、美容師の仕事とあまり関係ない内容の場合、アピールとして不十分です。
たとえば「学生時代は水泳部でインターハイに出場しました」「趣味は映画鑑賞です」のような、一見美容師と関係がないことでも、もう一歩踏み込んでポジティブな表現に言い換えることで、適切な志望動機になる可能性もあります。
学生時代にインターハイに出たことは、そのために練習を続けたことをからめて「体力と忍耐力、向上心には自信がある」と付け加えることで、努力をいとわない人間であるとアピールすることができるでしょう。
いずれ辞めることをほのめかしている
美容師を採用するにはコストがかかるため、美容室は一度採用した人に長く働いてもらいたいと考えます。すぐ辞めてしまうような人かどうかを見極めるために、書類選考や面接をするという一面があることも事実です。
美容師という仕事への熱意があっても「広い世界で活躍できる美容師になるのが目標です」「ゆくゆくは自分のサロンを持ちたいです」のような、最初から長く働く気はないととれる書き方は避けるべきでしょう。
美容師の志望動機の例文
志望動機に書くべき内容やポイントを踏まえ、志望動機の例文をケース別に見ていきましょう。新卒と経験者の例文をそれぞれ紹介しますので、参考にしてください。
新卒の場合の例文
まずは新卒の方の志望動機例文を紹介します。
例文1. 子どものころからヘアアレンジが好きだった
子どものころからヘアアレンジをするのが得意で、自分の髪だけでなく、姉妹や友達の髪もアレンジして喜んでもらうのが好きでした。私が美容師を目指したのは、自然な成り行きだったと思います。
貴社は式場やイベント会場が周辺に多いという立地もあり、着付けやヘアセットの依頼が多いと聞いております。以前私もイベント時にヘアセットを貴店にお願いしたことがあり、そのときの行き届いた心遣いやサービスに感動したため、是非私もこの美容室で働きたいと感じたため応募させていただきました。
学校で学んだことを活かし、一人前の美容師になれるよう日々努力していきたいと思います。よろしくお願いいたします。
例文2. 職場見学で美容室のホスピタリティの高さに感動した
去年、美容専門学校在学中に貴社の職場見学をさせていただきました。スタッフの方がみなさん笑顔で楽しそうに働いていたことや、ホスピタリティの高さ、最初から最後まで一切の妥協がないお客様満足のためのサービスなど、お店のこだわりに強く感銘を受けました。
是非私も貴店でクオリティの高い接客を学び、美容の技術を磨いていきたいと思います。一日も早く戦力となるべく、一所懸命に取り組んでいく所存です。
例文3. 学生時代に美容室でアルバイト経験あり
専門学校時代に運よくサロンでアルバイトをさせていただく機会に恵まれました。そのときに施術を受けて帰られるお客様の清々しい笑顔や、美しくなった喜びを肌で感じ、私も人を美しくして喜んでいただける施術ができるようになりたいと思いました。
アルバイト先のサロンではおもに受付や案内を担当していましたので、サロンでの接客は経験しています。先輩方の接客を間近で見ることができたのも、いい経験になりました。
専門学校を卒業見込みで、これから多くのことを学んでいく立場ですが、アルバイト経験や学校で学んだことを活かし、一人前のスタイリストとして活躍できるよう人一倍の努力をしていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
ブランク明けや同業からの転職の場合の例文
美容師として働いていて違う美容室に転職する場合や、再就職でブランク期間がある方の志望動機例文を紹介します。
例文1. 10年以上の経験を経て新たなチャレンジがしたい
専門学校卒業後に就職した美容室で、アシスタント期間を経て10年以上、スタイリストとして働いてきました。その美容室はおもに10~20代の若年層をターゲットとしており、年齢を重ねた自分の居場所として、違和感を覚えるようになりました。
若いお客様のエネルギーは大変刺激になりますが、自分自身の理想とする美容師像や接客のスタイルが年齢とともに変化してきた今、スタイリストとしてのキャリアを考えたときに新たなチャレンジをするときだと感じたため、転職を決意しました。
貴店の幅広い年齢層をターゲットとした営業スタイルや、ひとつの考えに縛られない自由なコンセプトに共感し、貴店でスタイリストとしてチャレンジしたいと考えています。私自身もこれまでの経験にとらわれることなく、柔軟な考えで仕事に取り組んでいきたいと思いますので、是非よろしくお願いいたします。
例文2. マンツーマンで施術がしたいと感じた
以前勤めていたサロンでは、施術の工程がそれぞれ担当制になっており、ひとりのお客様と通しで関わることはありませんでした。働くなかで、美容師としてカウンセリングから仕上げまで、じっくり向き合いたいと感じるようになりました。
貴店のマンツーマンでお客様がリラックスし、しっかり信頼関係を築く接客というコンセプトは、まさに私が求めていた接客です。ひとりのお客様を責任をもって担当し、ご要望にお応えできるよう、技術力や接客力の向上に努めてまいりたいと思っています。
貴店のコンセプトに沿ってお客様にご満足いただけるよう、謙虚に取り組んでまいりますので、何卒よろしくお願いいたします。
例文3. 子育てを理由に離職したが再就職を希望している
以前はスタイリストとして数年働いていましたが、結婚と出産を機に退職しました。妊娠中や育児中はなかなか美容室に行くことができず、また、産後の抜け毛や髪の傷みにも悩んでいましたが、そんなときにこちらのサロンに出会いました。
子連れでも温かく迎えていただき、髪の悩みに真摯に向き合ってケアやアドバイスをしていただいたことに感動し、大変救われました。子育ても落ち着いて、今度は私が小さなお子さんをお持ちのお母さま方の助けになれたらと考えるようになり、子連れのお客様に寄り添う貴サロンの一員になりたいと思い応募させていただきました。
具体的なエピソードを盛り込んだ志望動機で熱意を伝えよう
志望動機は、応募者がどんな人間であるのか、応募先の求める人材に合っているかなどを判断する大切な材料で、就職活動には欠かせません
美容師の志望動機は、「美容師を目指した理由」「その美容室で働きたい理由」を明確にし、「美容師の仕事に活かせる経験や強み」や「美容師としての目標やキャリアプラン」を具体的にしましょう。
「このサロンだからこそ働きたい!」という強い熱意を志望動機を通してアピールし、美容師としての就職を叶えてみてくださいね。
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