仕事と子育て、どちらも大切。両方あるから頑張れるんです【美容師 櫻田亜弓さん】#2
人気ヘアサロン「LONESS ginza」に所属するママ美容師、櫻田亜弓さん。前編では、子どもができてからも出産前に近い形で働きたいと、パートナーやサロンととことん話し合ったエピソードや、復帰後の実際の働き方などをご紹介しました。
後編では、櫻田さんが家族と自分のために大切にしていること、疲れてしまったときの秘策、仕事と子育ての両立から感じたことに焦点をあてています。
お話を伺ったのは…
LONESS ginza(ローネス ギンザ)
スタイリスト 櫻田亜弓さん
2013年に美容学校を卒業、表参道のサロンに入社。2015年4月にLONESSに移籍し、25歳でスタイリストデビュー。その後、2019年にオープンしたLONESS ginzaに異動し、サロンワークはもちろん雑誌などの撮影でも活躍。結婚・出産を経て、ママ美容師目線で提案する「結べるボブ」や「楽ちんヘア」が、おしゃれで可愛くいたいママさんたちから支持を集める。
家族全員で過ごす時間と、夫婦ふたりで話す時間が大切
――家事や育児の分担はどうされていますか。
朝、子どもを保育園に送るのは曜日によって担当を振り分けています。お迎えは基本的に私ですね。家事はそこまで細かく決めていないのですが、家にいるほうがやるようにしています。例えば平日は私が食事をつくり、土日は夫…と暗黙の了解で分担できている感じです。
――ご夫婦の休みがずれていると、家族全員がそろう時間が少なくなりませんか。
私が土日のどちらかをたまに休んだり、夫が私の定休日に合わせて有給を取ったりして、3人そろう休日をつくっています。その日は大体、子どもの好きな場所、行きたいところへ出かけます。体を動かすことが好きな子なので、遊具がある広い公園でピクニックしたり、思い切り走り回ったり。
仕事に復帰して最初の1年は、3人でのお出かけは3ヶ月に1度くらいだったんです。でも少しずつケンカが増えて、なぜなんだろうと話し合って。家族の時間が少ないからだよねという結論になり、それからは月に1、2回は全員で楽しむ日をつくるようになりました。
――お話を伺っていると、本当にしっかりコミュニケーションを取るご夫婦なんだなと感じます。
普段、夫は21時から22時の間に帰宅するのですが、それまでに子どもを寝かしつけて、ふたりで一緒に夕食を食べるようにしているんです。そのときに、1日のできごとや今何を思っているかなど、いろいろ話していますね。
「仕事+子育て」で自分の安定を感じられた
――仕事と子育てで疲れたときに、何かしていることはありますか。
疲れたときは、娘が寝たあとに自分にご褒美をあげます。おいしいお酒を飲んだり、ケーキを食べたり。好きな韓国ドラマを観るのもリフレッシュになりますね。自分のご機嫌は自分で取る。そうして元気になれば、仕事も子育てもまた頑張れます!
夫は仕事帰りに飲みに行くこともありますが、実はその時間も結構大事。私にとっては、ちょっと家事をサボって自分の時間を確保できる日でもあるからです。だから、月に何回かは飲みに出かけてほしいかな(笑)。
――仕事と子育て、両方やっていてよかったなと思うことは?
育休期間中は、毎日24時間ずっと子どもと一緒にいたわけですが、そのときにちょっと感じたんです。自分の思いやエネルギーがすべてそこだけに傾くのは、私にはアンバランスかもしれないって。仕事を続けることで、いい意味で分散ができて、自分が安定しているみたいです。
――なるほど。仕事と子育て、相互に好影響を与えているんですね。
仕事をしているからこそ、子どもに向かうときはスイッチを切り替えて全力を出せる。その逆もあります。そして、出産や子育てを経験することで、ママさんたちの気持ちがわかるようになったり、美容師として提案したいことや発信したいことが明確になったりもしました。
櫻田さんが大切にしている3つのこと
1.夫としっかり話せる時間を確保する
2.子どもと過ごす休日は仕事を忘れて全力で向き合う
3.たまには自分のためのリフレッシュ時間をつくる
取材・文/井上菜々子
撮影/喜多二三雄