ヘッドスパの魅力はSNSでは伝わらない。人対人の仕事をしてこそ結果が出る ヘッドスパニストbebiさん♯2
tetedebebe headspa by unreve(テテドベベ ヘッドスパ バイ アンレーヴ)のbebiさん。bebiさんは、同じサロンに籍を置きながら美容師からヘッドスパニストに転身。bebiさんの仕事への熱量が上がることでまわりのスタッフの協力体制も上がり、サロンでもトップクラスの売上を上げるようになります。
ヘッドスパニストの仕事は、SNSでは伝わりにくい。だからこそ人対人の仕事をして、それが売上に繋がるのだと話してくれたbebiさん。個性的なファッション感覚を活かしてアパレルブランドのデザイナーとしても活躍。多方面からオリジナルメソッドtetedebebeを盛り上げています。
お話を伺ったのは…
tetedebebe headspa by unreve
ヘッドスパニストbebiさん
美容師時代に抱えたモヤモヤを、オーナーとのカウンセリングでヘッドスパニストになりたいという夢に変換。美容室unreve(アンレーヴ)に籍を置きながら、cotaヘッドスパディプロマ1級を取得。その後もヘッドスパニストへの弟子入り、都内美容スクールなどで学びを深め、独自のヘッドスパメソッドtetedebebe(テテドベベ)を考案。サロンでトップクラスの売上を上げる。2023年unreve内に完全個室のtetedebebe headspa by unreveをオープン。2024年にはtetedebebeヘッドスパメソッドスクールを開校、bebi学長となる。アパレルブランド「bebiKo」のデザイナーとしても活躍中。
ヘッドスパの仕事は、人対人になってこそ結果が出る
――オリジナルメソッドはどのように構築したのですか?
オリジナルメソッドtetedebebeは、フランス語で「赤ちゃんの頭」という意味です。肌や頭皮のトラブルの原因は、そのほとんどがターンオーバーの乱れからきていると言われていますが、いちばん健康な状態は、赤ちゃんの頭皮。そこに戻していくことをコンセプトに、cotaで学んだ技術を変形させながらオリジナルメソッドtetedebebeを構築しました。
スパニストの勉強と同時に東京の美容学校でフェイシャルを学んだので、ヘッドスパにフェイシャルを組み合わせたメニューもあります。大阪・心斎橋でいちばん最初に頭浸浴付のシャンプー台を導入し、それと同時に新メニューが追加できたことは大きな強みになったと思います。
――ヘッドスパスクールも開校するそうですね。
はい、bebi学長になります(笑)。ヘッドスパニストになると決めたときに、tetedebebeの校長先生になりたいという夢を掲げていたので、もうすぐその夢が叶うことはとても嬉しいです。プログラムがほぼ決まっていて、いまそれをブラッシュアップしているところです。もう受講生も決まってるんですよ。
――もう受講生が決まっているのですか?
全く面識のない方がDMしてきてくれて。他にもヘッドスパスクールがいくつかあるみたいで、その人はいろいろリサーチした上で、最終的にtetedebebeヘッドスパメソッドスクールで学びたいと思ってくれたようです。
DMでお話したときに、わたしと同じ年齢のときに同じような悩みを抱えていると知って。いまのわたしなら、がんばれば何とかできると思えるので、「それだったらがんばってみるといいよ。でも中途半端な気持ちならやらないと方がいいと思う」と伝えました。
――やっぱり中途半端な気持ちではできないことでしたか?
そうですね。やっぱりそんなにうまく売り上げは上がるものではないので。というのは、美容師の仕事はインスタにスタイルを上げてカットが上手いことをアピールできますが、ヘッドスパが上手いことは写真では伝わらないんですよね。そこが、美容師といちばん違うところだと思います。ヘッドスパの仕事は、人対人にならないと結果が出ないんです。わたしの場合、ありがたいことに美容師スタッフに振ってもらったりしてお客様が徐々に増えていきましたが、美容師よりも集客が難しいことは確か。やっぱりやるからには、お客様を喜ばせる覚悟みたいなものを持たないとダメだと思います。
今年は、どんどんスクール生を募ってメソッドを世に広めていく活動をやっていけたらいいなと思っています。そのためにも、最初の受講生をしっかりと卒業させてスパニストとして自立できるように支えていきたいです。
自分の世界観を思いっきり表現できるアパレルブランド
――bebiさんはアパレルブランドのデザイナーもされているそうですね。
そうなんです。コロナ禍でお客様が減り、普段は読まない漫画を読むようになり、矢沢あいさんの「ご近所物語」にハマってしまって。服飾の話なんですが、実果子という主人公がすごく可愛くておしゃれで。元々ものづくりが好きで、いろいろ作ってはいたんですが、「ご近所物語」の影響でミシン教室に通い始めて、いろんな服を作るようになったんです。
――どこか発表の場はあるのですか?
美容師がファッションやヘアなどの作品を発信する「yes」という雑誌があるんですが、そこで毎シーズン自分で作った服をモデルさんに着てもらって雑誌に載せてもらってます。ミシン教室で学んだことを眠らせることなく、自分の世界観を思いっきり表現できるのでとても楽しいです。そういう場所があるのは本当にありがたいことだと思っています。
――販売もされているのですか?
サロンでtetedebebeのロゴ入りTシャツを販売しています。第3弾まで完売していて、春にはKメッシュキャップを出す予定です。今年は、tetedebebeのメソッドとともにアパレルブランド「bebiKo」も育てていけたらいいなと思っています。
誰かに覚えてもらうためにはちょっとパンチがないとダメ
――いまのbebiさんと新人時代を比較して変わったところはどんなところですか?
考え方も見た目もすべて変わりました。「派手になったね」と言われます(笑)。名古屋の新人時代は大きな店舗にいて、まわりはみんなすごい人になりたいと一生懸命がんばってましたが、当時のわたしは普通の普通で、すごい人になりたいとかまったく思ってなくて。普通でいいじゃんと思ってました。大阪に来てからですね、すごい人になりたいと思ったのは。
――それはなぜですか?
オーナーへの尊敬や感謝、それから「お母さん」という先輩の存在でしょうか。名古屋ではOLみたいな感覚で淡々とやってればいいやと思ってましたが、大阪でド派手でおしゃれな「お母さん」に会ったことで、誰かに覚えてもらうためにはちょっとパンチがないとダメかも。このままでは埋もれてしまうと思って、めっちゃ派手になりました(笑)。アパレルを始めたのもそれがあったからかもしれません。
――いま新人時代を振り返ってみるとどんな経験でしたか?
方向性が見えなくてしんどい時期もありましたが、その経験がないと現在の自分にたどり着けてないと思います。
新人時代、「わたしなんて…」と否定ネガティブ発言をしていたわたしに、「お母さん」が「それやめたら。誰からも頼られないし、楽しいことも楽しくなるから」とアドバイスしてくれたんです。そこから意識してポジティブ発言をするようにしたら、応援してくれる人や自分の叶えたい夢に近づける情報、そしてチャンスが舞こんでくるようになりました。夢を叶えるためには、ポジティブでいることが近道なんだと実感しました。
辛い時期があったからこそ、今が輝いてる。わたし自身、ヘッドスパニストとして充実した日々を送れているこんな日が来ると思ってなかったですし、家族もびっくりしてます。
――これから美容業界を目指す方にアドバイスをお願いします。
一度は辛い経験をした方がいいと思います。その経験は、絶対に無駄ではないので。その経験を活かすために、その後の自分がどうがんばるか。行動しないと何も始まらない。行動次第で夢は叶うものなんだと思います。
bebiさんがtetedebebe を広めるために実行した3つのことは
1.人対人の仕事をして結果を出す
2.アパレルブランドの展開などtetedebebeを違った方向から盛り上げる
3.誰かに覚えてもらうためにはパンチも必要
bebiさんのプロデューサーでもあるunreveオーナー氏になぜbebiさんをここまで応援できるのか聞いてみると、「世の中には発信する人と受信する人のどちらかしかいない。ヘッドスパニストになりたいという夢が固まったときに、bebiは有名になりたいと言った。僕が考えもつかないようなことを提案するbebiが、どこまで高く昇っていくのか、見守ったり背中を押したりしながら応援することを楽しみたい」と。新人の皆さん、自らの個性を大事に、やりたいことがあったら誰かに伝えてみてはいかがでしょうか。
取材・文/永瀬紀子