熱意と自己PRをしっかりと伝えることが面接の好スタートにつながる【MINX shibuya smart salonディレクター 取締役 池戸 裕二さん】#2
美容師を目指す学生、新天地を目指すスタイリストさんにとって、避けては通れない就職活動。晴れて採用を勝ち取るためには、どんな準備が必要? 心がまえは? そんな疑問を、実際のサロン採用担当者にインタビュー!
教育サロンとして信頼と実績のある「MINX」。前回に引き続き、「MINX shibuya smart salon」のディレクター兼MINXの取締役である池戸 裕二さんにお話をお聞きします。
第2回となる今回は、履歴書の重要度について。MINXでは、創業当初から書類選考を行っていないとのこと。その理由と評価される履歴書の書き方、履歴書以外の提出書類の重要度を詳しく教えていただきます。
お話を伺ったのは…
MINX shibuya smart salonディレクター 取締役 池戸 裕二さん
松本理容美容専門学校卒業後、1997年より、MINXに入社。多くのヘアスタイルを提案し、メディアの第一線で活躍を続け、数々の賞を獲得するなどプレイヤーとしての実績は多数。役職を歴任し、現在は取締役に就任。採用担当として店舗運営を担う傍ら、ヘアショーや技術セミナーの講師などサロンの垣根を越えて業界の発展のために尽力しており、活躍の場は広い。
書類選考がない理由は「人対人の交流を重要視している」から
――書類選考をしない理由は?
第1回でもお話したように、MINXが重要視しているのは面接です。美容師は人対人の商売なので、一緒に働いていく仲間として見たいのは人柄。これは創業当初から一貫しているのですが、紙一枚だけでその人を判断するのは勿体ないし不可能だと思っています。実際過去に、履歴書をもらったあと会ってみたら印象が違う、なんてこともありました。
職業柄、僕たちは今まで数えきれないたくさんの人とお会いしてきました。その経験則を手がかりに、直接会って合否を決めることに重きを置いています。
――改めて、履歴書の提出方法をお聞かせください。
MINXのエントリーフォームにアクセスしていただき、個人情報や学歴、志望動機など全てを入力すると、履歴書が出来上がる仕組みになっています。個人で送ってもらうのではなく、こちらで用意したものに従ってもらうような感じですね。
あくまでも履歴書は、面接のときのための一つの資料という位置付け。そこは公平性を持って、一括の形式で管理できるようにしているんです。
――履歴書で一番見ている項目は?
志望動機と自己PRにはよく目を通しておきます。履歴書の時点で、ぜひMINXに入りたい理由を明確に記してほしいです。
丸写しはNG! 自分の意志がしっかり伝わる履歴書作りを心がけて
――重要視しているポイントは?
空欄なく埋めている人は好印象を受けます。項目に対して一行、二行で送ってくる人もいる中、びっしりと熱意が伝わる文面が綴られていたら、どちらに目が行くかは明白ですよね? 履歴書だけで判断はしませんが、内容が薄いと「本当にMINXが良いの?」って不安になってしまいますね。
応募者が向き合って考えた文面は、面接への期待度にしっかりと反映されると思います。
――では、期待度が低い履歴書はどんなものでしょう?
自分の意志ではなく、ネットや先輩の実例を模写をしているような履歴書でしょうか。正直、そういうものは見たら分かってしまうんです。「あれ、以前の応募者またはどこそこのネットにあがっている例文に似ているな」と(笑)。
そういう履歴書を提出する人は丸写しするくらいですから、会社について理解していないことが往々にしてあります。今はない場所にあるサロンの話をしていたり、いない人物を挙げていたり。最低限、事前に会社について調べることはマナーだと思います。そのうえで、自分の意志をしっかり書いてもらえるとベターです。お互いに時間を割いていますから、事前に分かりやすいものを用意いただけると嬉しいですね。
履歴書以外に「成績証明書」も重要参考資料になる
――履歴書以外に必須の提出物があれば、重要度と併せて教えてください。
成績証明書を用意してもらっています。
実は、重要度としては結構高めです。具体的には、遅刻や欠席、科目ごとの成績のズレなどを見ています。遅刻や欠席が多い場合は、その理由と背景について面接で伺っています。
――受け答えで気を付けてほしいことは?
ネガティブな要素があったとしても、誤魔化さないで正直に話してもらえると良いかなと。体調が悪かった、家族のことで何かしらあった、バイトが外せなかったとか。限度を超えていない、常識の範囲内と分かれば特に大きく合否に関わることはないと思います。
面接で好スタートを切るための履歴書作成3つのポイント
1.志望理由と熱意を明確に記す
2.簡潔で分かりやすい「自分説明書」作りを意識する
3.想いを綴り、厚みのある内容にする
次回は、採用される面接のポイントについて詳しくお聞きします。
取材・文/東 菜々(レ・キャトル)