SNSであこがれの美容師に猛アピール！できることに全力で取り組み、専門時代はオール5をキープ 「COA GINZA」ゆうだいさん
東京・銀座にある「COA銀座」は、SNSで人気のスタイリストが多数在籍する人気サロン。そこで活躍中なのが、スタイリストのゆうだいさんです。(2024年7月より新店COA表参道にて勤務)
ゆうだいさんは専門学校に入学してから卒業するまで、オール5の成績を取り続け、学年1位の成績をキープ。どんなサロンでも採用したくなるような美容師を目指して、技術の研鑽を続けたそうです。1社目の就職先には、多店舗展開型のサロンを選んだゆうだいさん。しかし、いつかCOA銀座のオーナー小西さんと働きたいと思い、SNSで熱烈なアピールを続けたといいます。
行動派のゆうだいさんがスタイリストデビューをするまでの、新人時代のお話を伺いました。
今回、お話を伺ったのは…
「COA銀座」スタイリスト
ゆうだいさん
宮城県出身で、美容師歴5年目。きれいめカジュアルなボブヘアのスタイリングを得意とし、ボブカットの店内指名率ナンバー1を誇る。カットコンテストでは全国2位を獲得し、専門学校で週に1度授業を受け持っている。Instagramフォロワーは3万人。
オール5で1位の成績を2年間キープ！
ストイックな学生生活を送っていたというゆうだいさん
――ゆうだいさんが美容師を目指したきっかけを教えてください。
YouTubeで活躍している美容師さんに憧れたことがきっかけです。中学時代まで野球をやっていた僕は、ずっと坊主頭で過ごしていました。高校生になりやっと髪を伸ばし始めて、周囲よりも一足遅れて髪のセットをするようになり、YouTubeでヘアセットを学び始めたんです。そこに登場している美容師さんたちがみんなキラキラ輝いて見えて、美容師の仕事に憧れを抱くようになりました。
また文化祭などで友達からヘアセットを頼まれるようになり、アレンジをすると喜んでもらえることがうれしかったという体験も、美容師になる夢を後押ししました。
――美容師を目指し始めた後の進路を教えてください。
高校を卒業した後は、地元の仙台ビューティーアート専門学校に入学しました。美容科のなかのスタイリストコースを選択して、実践的な内容について学びました。
――専門学生時代はどんなことを努力していましたか。
僕は、専門学生だった当時、あまり有名なサロンを知りませんでした。いつかやりたいことやなりたいもの、入りたいサロンが見つかったときの選択肢を広げるために、「どんなサロンでも絶対に採用したいと思われる美容学生」になることを目標にしました。
「どんなサロンでも絶対に採用したい」と思われるためには、周囲の誰よりも技術や熱意がなければいけないと思い、絶対に学校を休まないことと、オール5で1位の成績を取り続けることにこだわりました。
――すごい努力ですね！
毎日10分間の休憩で昼食を食べて、昼休みの30分は技術練習に充てていましたし、友達との遊びを断って、練習をすることが多かったように思います。
追い込みが足りないと思ったときには、親に生活費の支援を頼み込んでアルバイトを辞めるようなストイックな学生生活を送っていました。ちょっと変わった美容学生だったと思います（笑）。
――なぜそんなに自分を追い込めたんでしょうか。
心配性であることが努力の原動力になっていたように思います。僕は不安性で、テストで100点に近い点数をとっていても「国家試験で知らない問題が出てしまったらどうしよう」「いつもやっているワインディングが失敗したらどうしよう」と、いつも心配をしていたんです。しかし逆に「わからないことがなくなれば不安に勝てるのでは？」と気づいて、さらに努力を重ねるようになりました。
美容師は、生まれて初めて心の底から「絶対になりたい！」と思えた職業だったので、努力も苦痛ではなかったです。
同年齢の美容師とSNSでつながり、切磋琢磨した新人時代
同年齢の美容師たちと切磋琢磨していたそう
――ゆうだいさんは中途でCOA銀座に入社されています。1社目に選んだサロンはどんなところでしたか？
1社目は都内の西武線沿いに多店舗展開をしている美容室でした。店舗数は多いのですが、1店舗ずつの規模は小さめで、地元密着型のお店でしたね。
――COA銀座さんとは少しタイプが違いますね。なぜそのサロンを選んだのですか？
求人で「教育型サロン」という打ち出しをしていたのが決め手でした。「営業時間内でトレーニングが可能。営業時間外の時間は自由に使える」という打ち出しを見て、「営業時間内に練習ができて、営業時間外は自由ということは、他の人の2倍練習できる！」と思い、入社しました。
ちなみに学生時代は、Instagramでの就活方法があることや、有名店の存在をあまり知らなかったので、学校に直接募集がかかる求人を中心にチェックしていました。
――1社目の入社時期はコロナ禍でしたよね。大変だったこともあったのではないでしょうか。
やる気に満ち溢れ、モチベーションが高かったので、練習する環境がないことが少し苦しかったです。
2020年の入社後、お店がすぐに1ヶ月の休業と営業時間の短縮をしました。入社直後は不要不急の外出も禁止され、営業後のお店での練習も満足にできませんでした。その間は、自宅のお風呂場にウイッグを持ち込んで、練習を重ねた思い出があります。
元パティシエから美容師に転身したすごくモチベーションの高い先輩がいたので、一緒にオンラインサロンの動画を見て練習をしたり、相談をしたりできたことが支えになっていました。
――入社してから、努力をするモチベーションはどんなところにあったのでしょうか？
有名店に入社した同じ年齢の美容師たちをSNSでフォローして、連絡を取り、技術を見せ合ったりしてモチベーションにつなげていました。「有名店の新卒がカラーの研修をしているなら、僕はカットの練習まで進むんだ！」という感じで切磋琢磨していましたね。
あとは学校の成績がよかったことで、恥ずかしながら少し天狗になっていたところもあり、「自分が入ったお店を、自分の力で有名店にするんだ！」という気持ちがありました。それもモチベーションのひとつになっていたように思います。
代表・小西さんのカットに魅了された専門学生時代
「小西のカットは衝撃的でした」と話すゆうだいさん
――2社目であるCOA銀座とはどんなタイミングで出会ったのですか？
僕が在学していた専門学校のセミナーに、小西が登壇したのが最初のきっかけでした。セミナーで見た小西のカットが本当に衝撃的だったんです。
その時、僕の同級生がセミナーモデルを務めたんですが、ロングヘアで少し内気なタイプのその子の髪を小西がばっさりとショートカットにしたら、雰囲気がとても明るくなったんです。髪型が変わったことをきっかけに、他の生徒から「どこのサロンに行ったの？」「すごくかわいいね！」と話し掛けられる姿を目にするようになりました。そして、彼女が徐々に社交的になっていったんです。
髪型一つでいろいろな変化が起きているのを目の当たりにして、小西のカット技術の魅力に取りつかれてしまいました。ただ僕はそのタイミングですでに1社目の内定をいただいていたので、「いつか小西さんと一緒に働きたい」という思いを持ちながら、別のサロンに就職することにしたんです。
――1社目に入社したときには、すでに小西さんと出会っていたんですね。
僕はずっとワインディングのコンテストに重きをおいて技術向上に励んでいたのですが、小西のカットを見てから「モデルさんやお客様に活かせるカットなどの技術を高めなければ」と、練習の方向転換をするほど影響を受けました。
そこからはカット練習をしてでき上がったスタイルを小西のInstagramのダイレクトメッセージに送り続けていました。知り合いでもなんでもないので、当然ながら返事が来ることも既読がつくこともなかったのですが、「今日もカット練習しました」「アドバイスをください！」とメッセージを送り続けましたね。
――すごい熱意ですね！ほかにどんなアピールをしていましたか？
小西が出版した本を購入して、写真をSNSにアップして、小西のアカウントをメンションしたこともありました。
そうこうしている間に、小西がCOA銀座をオープンすることと、スタッフの採用を行うことをSNSで告知したんです。やっとめぐってきたチャンスに飛びつき、すぐにInstagramのダイレクトメッセージで応募の連絡をしました。
すでに僕がたくさんのカット写真を送っていたので、小西はダイレクトメッセージを見てすごく驚いたそうです（笑）。
写真は、いつか自分が有名になったり、どこかでご一緒できる機会があったら、小西に「あのとき、ダイレクトメッセージをしていた者です」と言えればいいかなぁという思いで送っていたんです。だから、まさか採用試験という形で早々にカットを見てもらえることになるなんて、自分でも予想をしていませんでした。
ゆうだいさんが大切にした新人時代の3つの心構え
1. 自分の選択肢を広げるために、そのときできることに全力で取り組んだ
2. 意識の高い人と刺激し合い、切磋琢磨した
3.憧れの人に近づくために、さまざまな方法でアプローチをし続けた
後編では、COA銀座の中途採用試験の内容と、新人時代を経て、ゆうだいさんが大切にしている考えについて詳しく伺います。ベストセラーではなくロングセラーの美容師を目指して、コツコツと技術を高めているそう。年次を重ねるにつれて自分の技術向上だけではなく、後輩の成長や環境の整備にも意識が向き始めたといいます。後編もお楽しみに！
