5年後、10年後の自分を想像したときに芽生えた「一流の美容師になりたい」という思い「SUNVALLEY」土田美沙子さん

人気美容師の朝日光輝さん、渋谷謙太郎さんのふたりが共同代表を務める、「SUNVALLEY」。2018年のオープン以来、高い技術とホスピタリティあふれる接客を提供する一流のサロンとして、多くのお客様から支持を集めています。

そんな「SUNVALLEY」にオープニングスタッフとして2018年に中途入社したのが、土田美沙子さん。現在は入社6年目を迎え、店長としても活躍されています。

元々、表参道にある別のサロンで働いていたという土田さんは、代表の朝日さんと知り合い、一流美容師の世界を知ったことが、入社のきっかけとなったといいます。前サロンで4年間働き、スタイリストデビュー目前だったという土田さんは、技術のクセがなかなか抜けず苦労したそうです。

そんなときに活用したのが、ノート。指摘されたり、自分で考えたりした改善点をノートに書き留めることで頭のなかが整理され、どこを直すべきかが明確になり、落ち着いて仕事ができるようになったといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「SUNVALLEY」店長/スタイリスト
土田美沙子さん

美容専門学校卒業後、表参道のサロンを経て、2018年に「SUNVALLEY」へ入社。3年ほどアシスタント経験を積み、スタイリストデビューを果たす。2024年4月より、店長に就任。髪質改善や似合わせカットを得意とする。

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デビュー直前での転職。将来を見据えて、一流の美容師を目指すことを決意

「SUNVALLEY」の店内で取材に応じる土田さん

――「SUNVALLEY」に入社された理由は?

元々は表参道にある、別のサロンで4年間働いていました。そこのオーナーと朝日が知り合いで、朝日のことを紹介してもらったんです。それまでも美容師として技術を高め痛い気持ちはもちろんあったのですが、有名店に入りたいとか、一流の美容師になりたいといった思いはとくになかった私にとって、朝日の存在は衝撃でした。

まず第一線で活躍している、一流の美容師の世界というものを、初めて間近に見ました。そして男性スタイリストである朝日がヘアメイクでも活躍していること、さらに朝日の作り上げるスタイルがとてもかわいいことなど、私には驚きの連続だったんです。美容師にはこういう世界もあるんだと、美容師のあり方が一気に広がったような気がしました。

――そういった世界に触れたことが、入社の決め手になったのですか?

はい。前に働いていたサロンではデビュー目前でしたし、正直、かなり悩みました。私と同時期にサロンに入社した友人たちが、次々とスタイリストデビューしている時期でもあったので、再スタートを切るのはかなり勇気がいることでした。

ただ5年後、10年後にどんな自分でいたいかを考えたときに、「SUNVALLEY」で一流の美容師を目指したいという気持ちが生まれてきたんです。日本トップレベルの技術を毎日見られる環境に身を置いていれば、自分の感覚も常にブラッシュアップできると感じました

――実際に入社してみてから、以前に働いていたサロンとはどんな違いを感じましたか?

お客様を美しくするという根本的な部分や、お客様が質の高いサービスを求めていらっしゃることに変わりはないのですが、それまで働いていたサロンと「SUNVALLEY」では、ゴールに違いがあると感じました。

以前働いていたのがトータルビューティーを提案するサロンで、ヘア以外にも、ボディやフェイシャルなどのエステメニューや、ヘッドスパも提供していたため、リラクゼーションを求めているお客様がほとんどでした。一方の「SUNVALLEY」では、一流の人に髪を切ってもらいたい、おしゃれな空間にいたいという方が多い気がしました。

――技術面での違いを感じることはありましたか?

前職も技術面が低かったということではないのですが、代表がもともと有名店で働いていたこともあって、カリキュラムがきちんと構築されていると感じました。より本質的な内容が凝縮されているカリキュラムになっているな、と。

とくにカットとブローの技術の高さには驚きました。ブローに力を入れているのは、それがヘアメイクの基本だからです。入社してから丸2年は代表の渋谷のアシスタントに入らせてもらっていたのですが、めちゃくちゃ鍛え上げられたと思います。

――なるほど。渋谷さんは厳しかったですか。

厳しかったですが、愛情が感じられたので乗り越えられました。幹部としても、このお店ができて初めてデビューするスタッフになるので、技術をきちんと習得してお店に立ってほしいという思い入れのようなものがあったんだと思います。私もそれに応えたかったので、振り落とされないように必死でしがみついていました。

お客様が求めているものを瞬間的にキャッチ。ふたりの背中から学んだこと

土田さんがオープニングスタッフとして入社した「SUNVALLEY」。代表のふたりから多大な影響を受けてきたという

――入社当時に朝日さんや渋谷さんを見ていて、印象的だったことはありますか?

ふたりは1日に20人から30人と、本当にたくさんのお客様の施術を行っています。1人当たりのお客様に接している時間がかなり短いこともよくあるのですが、そのなかでも満足度を高めて、20年来、指名をもらい続けているというようなお客様がたくさんいることが、私には衝撃でした

――身近で見ていて、なぜそれが可能になっていると感じましたか?

技術が高いことや、お客様との信頼関係が築かれているということもあると思うのですが、私が近くで見ていて一番感じたのは、お客様が求めていることを瞬間的にキャッチする能力に長けているということです。お客様のお洋服や雰囲気を見て、どういうものが好きかを一瞬で判断し、そしてその人に似合うものをプラスしてヘアスタイルを完成させます

ふたりともサロンワークだけでなく、ヘアメイクの現場にもずっと立ってきた人間なので、瞬間的に見抜く力が培われてきたのではないかと思います。

技術のクセが抜けずに苦労した新人時代。ノートを活用し、課題を整理

アシスタント時代に一番苦労したのが、前サロンでの技術のクセを封印することだったという

――アシスタント期に、一番大きな壁だと感じたことはありますか?

前のサロンで4年間働いていたので、そこで身に付けていた技術のクセがなかなか抜けなかったことです。「SUNVALLEY」で技術を100%吸収するためには、それまで培ったものを引き出しにしまう作業が必要だったのですが、なかなかそれができませんでした。

――それはどのようにして乗り越えたのですか?

ノートを活用していました。改善点を頭のなかだけにとどめておくと、ごちゃごちゃしてしまうし、自分が何に取り組めばいいのかも分からなくなってしまうので、いつも注意されることに対して、自分はどう対策をしていけばいいか、ノートに書き出して整理をしていました。頭のなかもすっきりして、メンタル面でも安定した気がします。


土田さんが新人時代を乗り越えた3つのポイント

1.新しい環境に飛び込む際、一流の美容師になるという信念を持っていた

2.厳しい指摘も愛情をとらえ、自分のプラスになると信じていた

3.注意を受けたことや改善点は、ノートに書き出して整理をしていた

後編では入社から3年でスタイリストデビューを果たした土田さんが、どんな体験をしてきたかについて伺います。デビュー後の1年ほどはなかなかお客様がつかず、自信を失うことも多かったという土田さん。

そんなときに意識したのが、自分にしかできない接客のスタイルを見つけること。女性スタイリストが少ない「SUNVALLEY」のなかで、やわらかな接客スタイルを確立し、徐々にお客様をつけることができるようになったといいます。

また美容を楽しみ、技術や接客のムラをつくらないことが、失客をしないコツだと朝日さん、渋谷さんに教わった土田さんは、心と体の健やかさを保つことを何より意識していたそうです。

後編もお楽しみに!

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Salon Data

SUNVALLEY
住所:東京都港区南青山5-2-12 B1F
電話:03-6427-3807
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