どんな状況でも美容が好きだから頑張れた。やりがいを見出すポジティブさが大切「egerie prime」千葉未来さん
東京・恵比寿に店舗を構える「egerie prime」は、「ヘッドスパ効果をライフスタイルの中に」がコンセプトの、心身共に癒されたい大人に人気のサロン。同店で活躍中なのが、スタイリストで店長も務める千葉未来さんです。
もともと美容に興味があった千葉さんは、トレンドの中心で、高い技術を身につけるために、東京の専門学校へ進学。ヘアメイク科に通い、プロの現場を体験したといいます。専門学校の恩師に紹介された「egerie prime」にお客として足を運び、人生で一番気持ちよいシャンプーを受けたことに感動。働くスタッフの表情にも憧れ、入社を決意しました。
今回、お話を伺ったのは…
「egerie prime」スタイリスト
千葉未来さん
新卒で「egerie prime」に入社し、今年で9年目。スタイリスト・店長・教育部責任者を務める。外部ではヘアメイクや講師としても活躍中。代表からは「会社愛やお客様愛は誰よりも強い」と評価されている。抜け感がありながら、今っぽいヘアスタイルの施術を得意とする。
「最先端の技術を身につけたい」と上京し、進学
――千葉さんが美容師を目指したきっかけを教えてください。
あまりかっこいい理由はなくて、単純に美容に興味があって、髪を触るのが好きだったことがきっかけです。自分のヘアアレンジをしたり、部活終わりに友達の髪をきれいにしたりすることが好きで、「どうせなら好きなことを仕事にしたいな」という思いでヘアメイクのできる美容師を目指すことにしました。
――専門学校はどのように選びましたか?
私は茨城県の出身なのですが、「せっかく美容師を目指すなら、東京に出てトレンドや一流の技術に触れたい!」という思いで、高校卒業後に葛西にある美容専門学校のヘアメイク科に進学しました。
都心にある美容専門学校もおしゃれで魅力的だったので少し悩みましたが、私と同じ地方出身者が多く、励まし合って頑張れる環境がありそうな学校に進学することにしたんです。
――専門学校時代の印象的な出来事はありますか?
ヘアメイク科に進学したため、ヘアメイクの現場に足を運んで勉強していたことが印象に残っています。現場でプロの方のアシスタントをさせていただき、体力的に大変な仕事だということを、身をもって知りました。「プロってこういうことなのか」と実感しましたね。
ただ高校まで部活を頑張っていたこともあってか、比較的タフだったので、仕事に対するワクワク感が勝っていましたね。「つらい」「大変そうだからやめたい」と思ったことは、一度もありませんでした。
――ヘアメイクの練習と国家試験の両立は、大変ではなかったですか?
大変だと思ったことがほとんどなくて、楽しい思い出ばかりなんです(笑)。美容師の国家試験に臨むにあたっては、同じことを何度も繰り返して技術の精度を上げていきます。私はコツコツ積み重ねをしていくことが好きなので、苦ではなかったですね。むしろ、だんだん技術が身についてくるのがすごく楽しかったです。
シャンプーと働く人の表情に惹かれて入社を決意
――美容師ではなく、ヘアメイクになる進路は考えなかったのですか?
実習などもとても楽しかったので、一時はヘアメイク一本で生計を立てていくことも考えました。しかし現実主義の私にとって、いきなりヘアメイクとして働くことは難しく感じたので、あくまで「ヘアメイクもできる、サロンで働く美容師」を目指すことにしたんです。
その後、毎日国家試験の練習に打ち込むようになって「美容師になったら、こうやって毎日髪をカットして、パーマを巻いて、カラーをして生きていくんだな」と、将来の自分の像がリアルに見えてくるようになりましたね。
――学生時代は、何がモチベーションになっていましたか?
美容が大好きなので、ハサミを持ったり、メイクをしたりと、美容に関われることがうれしくてたまらなかったんです。加えてチームで何かを成し遂げたりすることが好きな性格なので、周囲の仲間たちと一緒に学べる環境がモチベーションになって、頑張ることができていましたね。
――「egerie prime」に入社した理由は?
専門学校の先生に勧めていただいたことがきっかけです。「egerie prime」を運営する会社に専門学校のOBが就職しており、そのつながりで先生から「オーナーが働く人を大切にしていて、とてもいいサロンだよ」と、紹介してもらいました。
――そこからどのように就職活動を進めましたか?
実際にお客として「egerie prime」の系列店に足を運んで、サロンの雰囲気を感じることから始めました。シャンプーにとても力を入れているので、初めて施術を受けたときにその気持ちよさにとてもびっくりしたんです。「私もこの技術を習得して、自分のお客様に施術したい!」と思って志望度がぐっと上がりました。
そのとき足を運んだのが女性スタイリストの多い店舗だったんですが、みんなすごくいい顔つきをしているように見えたんです。仕事に対する情熱とか誇りとか、そういうものがにじみ出た表情がすごく魅力的だったこともあり、「egerie prime」の入社試験を受けることを決めました。
アシスタント時代のモチベーションは「周りの人に気持ちよく働いてもらうこと」
――無事、入社が決まった後はどんなお仕事からスタートしましたか?
専門学校卒業前の9月に就職が決まり、10月頃からはアルバイトとして仕事をスタートしました。最初の頃は専門学校の友人にサロンに来てもらって、シャンプーの練習をしたり、掃除や片付け、受付、雑務なども行っていましたね。
――その時期はどんなことをモチベーションにしていましたか?
実際に施術を受けて、絶対に身につけたいと思っていたシャンプーの技術を教えてもらえることがモチベーションになっていましたね。「私もあのシャンプーができるようになるんだ!」とわくわくしていました。
また「周りの人にいかに気持ちよく働いてもらうか」ということも、ひとつのモチベーションになっていました。スタイリストが必要としている物を、言われる前にスッと渡せたときは快感でしたね(笑)。
――入社後、ギャップを感じることはありましたか?
私が入社した9年前は、今より少し帰りが遅かったりしましたね。でも練習も大好きだったので、とくにつらいと思ったことはなかったです。出勤日は毎日、サロンの開店前、閉店後に練習をしていました。練習に毎日付き合ってくださった先輩に、本当に感謝しています。
――先輩からのアドバイスで、印象に残っている教えはありますか?
私たちのサロンは、「お客様のライフスタイルパートナーになる」ことを目指しています。その観点から、長い目で見たときにどんな提案ができるかをよく考えるよう、先輩に指導してもらいました。
具体的には、「今がよければよい」という施術ではなく、先々を見据えて今できるケアの方法などをお客様に伝えるようになりましたね。
千葉さんが大切にした就職活動期と新人時代の3つの心構え
1.どんな状況でもポジティブにとらえ、ワクワクしながら仕事に臨んだ
2.モチベーションになることを見つけて、楽しみながら努力をした
3.サロンの理念を理解して、それに沿った施術や接客を身につけることを意識した
後編では、千葉さんが新人時代にぶつかった壁について伺います。デビュー後、とある施術でお客様から指摘をいただき、落ち込んだ経験もあったそう。しかしそのときの経験をバネに、「どんなカットもできるようになる!」と決意を新たにしたといいます。後編もお楽しみに!