自分のやりたいことを模索していた最中に出会った「気功整体」 私の履歴書 【サロンオーナー/ヨガインストラクター兼整体師 小林直人さん】#1

東京都杉並区と世田谷区の境目付近に位置する京王線・東急世田谷線の下高井戸駅。駅前には商店街が伸びて様々なお店が立ち並び、暮らしやすい街として老若男女から愛されています。そんな街で整体とヨガ教室を営んでいるのが、今回お話を伺う小林直人さんです。

妻のゆかりさんが営むエステサロンと協働経営する形で、下高井戸駅から徒歩1分ほどの好立地に「りらく洞ゆうな」を構えています。3人の子どもたちにも囲まれ、高い健康意識に基づくナチュラル志向の生活を謳歌中ですが、それまでには長い長い自分探しの期間がありました。

前編では、学生時代からサラリーマン時代までやりたいことを探して彷徨い続けたお姿や、今の道を選ぶに至ったきっかけ、そしてその後の学びや修行の様子などをお伝えします。

NAOTO’S PROFILE

お名前
小林直人
出身地
東京都品川区
年齢
62歳(2024年10月時点)
出身学校
日本大学 生物資源科学部 獣医学科
東京療術学院
憧れの人
「憧れというよりは尊敬の方が近いかもしれませんが、X-JAPANのYOSHIKIさんと、プロボクサーの井上尚弥選手です。ご自身のアイデンティティが確立されている姿をリスペクトしています。また前者は音楽、後者はボクシングとジャンルは異なりますが、それだけ集中できるものがあるのは強いですよね」
プライベートの過ごし方
『孤独のグルメ』に出てくる飲食店巡り、読書
趣味・ハマっていること
料理
仕事道具へのこだわりがあれば
「ヘッドスパや美容整体に使うオイルは、赤ちゃんが口に入れても害のないものを使用するようにしています。首から上にはオーガニックのココナッツオイル、体にはキュアリング(加熱処理)済みのセサミオイルを使っています」

山篭りやサラリーマン生活、ボクシングにサックス…。自分の道を探す日々

学生時代には、この職業に就くことを想像すらしていなかったそう。そんな小林さんをこの業界に導いたものとは…?

――ヨガインストラクターや整体師としてご自身のサロンをお持ちの小林さんですが、現在の職に就くに至った経緯を教えてください。

実は、僕はとても回り道をして今の職に就くことになっているんですよ。大学は、日本大学の獣医学科に入学しました。

――学生時代は、獣医を志していたのですか?

ええ、当時は。けれど在学中に自分のやりたいことではないと気づき、途中で学科も変更して、卒業後は新卒で出版社に就職しました。

しかし、入社して1週間ほどでパニック障害を発症してしまい、満員電車に乗れなくなってしまいました。せっかく就職しましたが、出版社もそのまま退職することになりまして…。

――東京都心の満員電車は、過酷ですよね…。

さて、これからどうしよう、と思いながらおもむろに求人情報誌を眺めていたとき、和歌山県にある自給自足コミュニティからの募集を見つけました。ざっくり説明すると、山奥で農業や畜産業を行いながら自給自足で集団生活を営むというものです。

これにピンと来て、ラジカセ1つだけを引っ提げて「ここで働けますか?」とそちらの門戸を叩いたんです。当時の僕は音楽が好きだったので「音楽だけは手放せない」と思いまして。

――大都会から、山奥での生活へ?!

なんとなく「山籠りも良いかもしれない」と思ってしまって(笑)。求人情報誌に掲載されていたにもかかわらず無給でしたが、ここでの生活は大変ながらも、自然との共生を全身で体験できた良い機会でした。また、俗世から切り離されたような静かな環境で「僕は何がやりたいのだろう?」とじっくり考える時間にもなったと思います。

こちらには、23歳から24歳くらいまでの1年ほどお世話になりましたね。その後、好きな映画や漫画、小説などの影響から「ボクシングとサックスを習ってみたい」と思い、山を降りて東京に戻ることにしました。

――東京に戻られてからは、どのようなお仕事を?

運送業界の会社員として再就職することにして、ボクシングジムと、サックスを習うための音楽教室に通っていました。

それなりに忙しくしていましたが、仕事も2つの習い事も両立できていたと思います。ただ、運送会社でのサラリーマン生活は飲み会も多く、食べ疲れや飲み疲れに加えてボクシングジムでの身体的な疲労も重なり、徐々に体の不調が気になり始めました

実は、幼少期の僕は体が弱くアレルギー体質でもあり、よく病院に通っていたんです。そして当時、花粉症の薬をもらいにいった先の病院の医師も、僕と同じく花粉症で辛そうにしていました。そんな姿を目の当たりにするにつれ、「あまり医師や薬に頼りすぎるのは良くないかもしれない」という考えになっていたんです。もちろん疾患にもよるんですが。

そんな時でしたね、「気功整体」に出会ったのは。

「気功整体」との出会いに衝撃。自分の道が定まった

「気功の“気“とは目に見えないもの。だからこそ心の状態が、体の不調に対してとても大切なんです」(小林さん)

――気功整体とは、一体何ですか? また、どのようにして出会ったのでしょうか?

気功整体とは代替療法、つまり医療行為に該当しない民間療法の一種です。平たく言うと、人体に流れるエネルギーの一種であるとされる「気」の流れに関係する整体のこと。東洋医学的な思想がベースとなっています

出会ったきっかけは、会社の同僚からの紹介でした。試しに受けてみたところ自分には合っていたようで、しばらく続けるうちに、心身共に回復に向かったのです。

――気功整体の効果を、身をもって体験されたのですね。

はい。「薬を使わずとも、体調は良くなるんだ」と感銘を受けると同時に、心と体の調和の大切さに強い関心を抱きました。

しばらく後に、この気功整体を本格的に学びたいと思い、脱サラすることを決意。東京療術学院に入学することにしました。

――運送会社も辞めることとなったのですね。長く勤められていたのでは?

うろ覚えではありますが、13年前後くらいかな。長らくお世話にはなりましたが、気功整体をはじめとした療術の技術をしっかり身に付けたかったし、いつかは「自分の店舗を持ちたい」との思いを入学時から持っていたので、潔く退職することにしました。37、38歳くらいの時かな。振り返ってみれば、なかなか大きな決断だったと思います。

整体師としてのスキルを高める日々の中、ヨガとの出会いも

気功整体をきっかけに入った専門学校では、様々な出会いや経験を積むこととなる

――東京療術学院での日々は、いかがでしたか?

充実していましたね。学んだことをより効率よく生かそうと、学院に在籍しながら接骨院や整形外科にも勤務していました。マッサージや整体など保険診療の範囲の内容を中心に施術を行い、学びながら同時に現場経験も積んでいきました。

――今の職につながるような生活へ、一気にシフトされたのですね。

そうですね。東京療術学院で学んだことやその時の人脈が、その後のキャリアにも役立っていると感じています。同時に、気功整体と関わりが深いとされる太極拳も学び始めて、こちらも修行を続けていました。

ヨガと出会ったのも、学院の気功整体の先生からおすすめされたことがきっかけです。試しに挑戦してみたら、体への解像度が上がり、体調も良くなりました。もしかしたら気功整体と同じかまたはそれ以上に、自分の体に合っていたんじゃないかな。そこで、ヨガも本格的に学んでいくことにしました。

学院の先生からお誘いをいただき、気功やヨガ、そしてそれらと関わりの深い仏道の修行をするため、海外へ修行に赴いたこともあります。

――海外での修行はどちらへ、どのくらいの期間行かれたのですか?

中国にあるチベット高原と敦煌(とんこう)に、それぞれ2週間ほど滞在しました。

ヒマラヤ山脈の北側にあるチベット高原では、標高が高く空気が薄い環境を活用して、呼吸のコントロールを学びました。

また、広大な砂漠を有する敦煌は、日中は50度前後となるような暑さになりますが、朝晩はぐっと気温が下がるという気温差が激しい環境です。ここでは、その酷暑や寒暖差に負けない自律神経を主に鍛えていました。

国内ではとても体験できない環境下での修行は、自分自身を心身共に強くしてくれたと思います。

小林さんが「道場」と呼ぶ、ヨガ教室や整体を行う一室


大学卒業後の山籠り生活からサラリーマン生活へ、そして気功整体に出会い現職への活路を開くまで、人生を二転三転させながらも自分探しを続けてきた小林さん。様々な道のりを歩んできたからこそ、気功整体に出会い「これだ!」というものを見つけ、その道を一直線に突き進んで来られました。後編では、独立してご自身の店舗を構え、さらなる出会いを経て現在のスタンスとなるまでのキャリアのお話やご家庭との両立、さらに小林さんの仕事観や人生観にも迫っていきます。

撮影/内田 龍
取材・文/勝島春奈

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Salon Data

りらく洞ゆうな/ヨーガ教室&整体
住所:東京都世田谷区松原3-42-1 クラウンズコート3F
TEL:090-6520-8894

 

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