「ありがとうのバトンを繋ぎ続けよう」。お客様とスタッフを豊かな生活に導く「ファイブスター」関根美保利さん

日本の美容業界を支える企業の魅力を紹介する本企画。今回ご登場いただくのは、2013年創業の「ファイブスター」です。ファイブスターグループは国内6ブランド、約40店舗を展開する総合美容グループ。カミカリスマが率いる技術スペシャリストが揃う「MUKU」や、韓国トレンドヘアに特化した「uni」など、多彩なブランドを通じて美容業界をリードしている注目の企業です。

今回は、そんな「ファイブスター」のオフィスマネージャーを務める関根さんにご登場いただきお話を伺います。

前編では、「ファイブスター」の成り立ちや理念、職場環境などについてお聞きします。創業以来、「ありがとうのバトンを繋ぎ続けよう」という理念のもと、スタッフが働きやすい職場づくりを心掛けてきた「ファイブスター」。創業当時から月8日間の休みを実現していたといいます。

また、スタッフの約半数が子育てをしながら働く美容師のため、育休制度や時短勤務制度も採用。育休復帰率は100%で、同じ境遇の美容師が多いことから互いにカバーし合う文化があるといいます。

今回、お話を伺ったのは…

「ファイブスター」オフィスマネージャー

関根美保利さん

2015年にネイリスト兼レセプショニストとして「ファイブスター」入社。その後、産休を経てオフィススタッフとして復帰。2022年にはオフィスマネージャーに就任し、現在まで人事を中心にバックオフィスの責任者として勤務している。

ハイブリッド展開で高品質なサービスを提供

――まずは企業の成り立ちをお聞かせください。

弊社は2013年に創業しました。東日本大震災を受けて、美容の力で地元・福島を元気にしたいという代表の想いから生まれた企業です。1店舗目は福島県・郡山市にオープンしたヘアサロン。その後、東北エリアを中心にしながら北関東や東京にも店舗を拡大し、都市と地方のハイブリッド展開で企業は成長していきました。現在は、ヘアサロンだけでなくアイラッシュサロンやネイルサロンも運営しており、合計40店舗を展開しています。

また、業界初の異なるテイストを持つ2つのトップブランドとして「MUKU」と「uni」を展開。それぞれが持つ個性と強みを活かしたサービスで、お客様の多様なニーズにお応えしています。

――ハイブリッド展開にこだわる理由は？

いくつかありますが、大きな理由としては、お客様にハイクオリティなサービスを提供したいからです。都市と地方に店舗を持つことで、企業は都市の最先端トレンド&技術の知識を獲得し、そして地方のスタッフに伝えることができます。地方サロンはトレンドに触れる機会が少ないのが弱点ですが、弊社ではトレンドをとらえたサービスをエリア関係なく提供できているんです。

――具体的に最先端のトレンドや技術はどのように地方に伝えていますか。

オンライン講習です。弊社のトレンドサロン「MUKU」や「uni」で働くスタッフが講師を務めて、最新のトレンドやニーズに合わせた技術講習やSNS運用法を学べます。カミカリスマ4年連続受賞の「MUKU」佐脇正徳から学ぶことができるのもグループの強みです。

――企業成長のターニングポイントはいつですか？

コロナ禍ですね。弊社はコロナ禍に出店数を増やしていきました。当時、都内企業のほとんどが営業中止になって、地元に帰る方が多かったんです。そこで地方サロンの需要の高まりを予感して、店舗展開をしてきました。

創業から月8日間の休みを実現。美容師想いのクリーンな環境を整備

――企業理念を教えていただけますか？

弊社の理念は「ありがとうのバトンを繋ぎ続けよう」です。地域社会やお客様、社員同士の間で感謝を共有し、美容を通じて人々の生活に豊かさを提供することを目指しています。

――企業のなかでほかに大切にしていることは何ですか。

スタッフが働く環境の整備です。創業前のお話しになりますが、代表は友人の美容師から労働にまつわる不満をよく聞いていて。練習や業務などの拘束時間の長さ、給料の低さなどに疑問を抱いていたんです。美容業界の労働環境を社内から変えていこうという考えのもと、クリーンで働きやすい環境整備を心掛けています。実際、創業当時は月の休みが4、6日のサロンが多かったのですが、1店舗目から月8日を実現しました。

――すごいですね。ただ創業から月8日は集客的に大変だったのでは？

大変でしたが、代表の集客力が高かったので低迷することはありませんでした。代表はもともと求人や販売促進にまつわる企業の社員で、ノウハウを心得ていたんです。そのため予約サイトの仕上がりもよく、創業当初から集客に成功できました。

――働きやすい環境実現のため具体的にどのような制度を設けていますか。

代表的なものでいうと、育児休暇と復帰後の時短勤務です。弊社は子育てをしながら働くスタッフが全体の約半分を占めているのですが、育休復帰率は100%になっています。ママさん、パパさん美容師が多くいるので互いに助け合う文化ができていて、学校から急な呼び出しがあったときも柔軟にシフト調整が可能です。

先日、行った社内アンケートで「子どもを持つスタッフが休むことに対して、嫌な気持ちになることはあるか」という質問をしてみたところ、99％のスタッフが「嫌な思いはしない。お互い様だと思っている」と回答しました。

――素敵な文化が根付いていますね。

はい。あとは社会保険も完備していて、離職率は業界平均の5分の1程度です。

給料もアップ！スタッフの成長意欲をくすぐる社内表彰式

――スタッフ育成において大切にしていることは何ですか。

弊社では利他の精神を大切にしています。自分のためではなく、まずは他人のためと考えて行動する意識をスタッフ全員が持つことで、互いに安心して働ける環境を作れるほか、お客様に心地いい接客を行えると思うんです。ここまでお話した利他の精神や企業理念などについては、入社1年目に行われる勉強会で学びます。

――スタッフの成長意欲につながるようなイベントはありますか？

社内表彰式があります。上半期と下半期の年2回、スタッフが一堂に介して開催されるイベントで、会社から個人と店舗それぞれに与えられた目標の達成者を表彰するんです。多くの人に祝われるという体験はモチベーションにつながると思います。また目標を達成すると、「目標達成給」という歩合給が支給されるので、自分の成長や努力を実感しやすいのもポイントです。

――社員や働く人に求めていることは？

プラス思考を持ってもらいたいです。美容師はスキルアップや集客などさまざまな場面でつまずきやすい仕事だと思います。落ち込むよりも先にどうすれば改善、成長できるかを考えられれば、どんなに辛いことがあっても乗り越えられると思うんです。

――どのような人材を魅力的に感じますか。

弊社では企業とともに成長していける人材を求めています。そのためチャレンジ精神や向上心のある方は魅力的に感じますね。

「ファイブスター」は、「ありがとうのバトンを繋ぎ続けよう」の理念のもとお客様だけでなく、現場スタッフにとって嬉しい環境を整えているのだと、休日や社内表彰式のお話から伺えました。また、代表の手腕とスタッフの向上心が継続的な成長を生み出しているのだと感じました。後編では、関根さんが入社した理由や研修内容などについて伺います。ぜひチェックしてみてくださいね！