念願かなってついに独立! すべて自由なフリーランスが小林さん流 私の履歴書【kanatoオーナー・セラピスト 小林明日香さん】#2
物づくりが大好きで、ファッション業界で働くことを目標にしていた小林明日香さん。お母さまの練習台になったことがきっかけで、美容業界に飛び込びました。
後編では、絶対的な自信を身につけたベトナム出張のこと、独立してから教える技術が役立ったこと、サロンを持つのではなく出張セラピストを選んだ理由について、さらに深掘りします。
「どこに行っても仕事はできる!」腕に自信をつけたベトナム派遣

――『レイ・ビューティ スタジオ』にはどのくらい在籍していたんですか?
5年半くらいです。最初は3年くらい働いたら独立しようと思っていましたが、なかなか辞めるタイミングが合わなくて(笑)。
――最初から独立する予定だったんですね?
美容室を経営している母の影響もあると思いますが、自分がどこかに勤め続けるイメージがわかなくて。田中先生のオールハンドの技術とお客さまに対するサービスを身につけたら、独立するつもりでした。
――先生には「ゆくゆくは独立したい」という話はしていたんですか?
まったくしていません。ただ他のスタッフが辞めてしまったり、産休に入ったりして辞めるタイミングを逃してしまったんです(笑)。
そうこうしている間に、先生の代わりにベトナムへ出張することが決まりました。
――ベトナムですか!?
先生の技術を学びたい方は中国やベトナムにもいて、日本のサロンで教えることもあれば、現地に出張して講習会を開くこともあったんです。だいたい先生が直接、出向いていましたが日程的に難しいときは私が派遣されました。
――小林さんが派遣されたときはどんなことを?
私がサロンに出向く日は、すでにVIPの方々の予約が朝から晩まで1時間半おきにみっちり入っているんです(笑)。私がその方たちの施術をしながら、スタッフがその様子を見て学ぶ感じでした。空き時間はスタッフたちの手技を見て、指導していました。
――言葉は?
専属の通訳さんが着いていたので、お客さまやスタッフとのやり取りは問題ありませんでした。でも、せっかくベトナムに4日間滞在しても、ホテルとサロンの往復だけですから、精神的にはちょっとキツかったですね(笑)。
――サロンにいらっしゃるのはどんなお客さまなんですか?
先生や私が施術するときは特別料金だったようで、当時は一回の施術で私だと4~5万円、先生の場合は7万円から8万円くらいだったと思います。ベトナムで暮らす方たちの1か月分のお給料だそうです。そんな金額をぽんと支払える方たちなので、ものすごいVIPなのだと思います。
――それはすごい!
日本だけじゃなくて外国の方に私のマッサージが受け入れられたのはものすごい自信になりました。「この技術さえあれば、どんな場所でも働ける!」って。
神奈川と東京を拠点に、ついに独立!

――レイ・ビューティ スタジオから独立したのは何年目ですか?
5年半勤めて辞めました。サロンを辞めてから母が経営している美容室の一角を借りて施術をしたり、都内のレンタルサロンを利用したり。せっかく独立したものの翌年にはコロナが流行して、集客できなくなってしまったんです。
――なんとタイミングが悪い!
そんなときに、美容機器メーカーがマシンの使い方を教える講師を募集しているのを知って、応募しました。レイ・ビューティ スタジオで何度も講師を務めてきたので慣れていますし、教えることも好きだったので。
――コロナ禍でも仕事があったんですね。
どのサロンさんも「コロナはいつか終わる。コロナが明けたら何をするか」ということを考えていたようです。なので、日本全国あちこち行きましたよ(笑)。ヘアサロンやエステティックサロンに出向いて、機械の使い方をレクチャーして回りました。
――講師の仕事は今も続けていますか?
今はもうやっていません。2022年から現在の出張スタイルでセラピストの仕事をしています。
――ご自身のサロンをつくろうとは思わなかったんですか?
サロンをつくってしまうと、一か所に縛られてしまうじゃないですか。それが私には向いていないな…と思っています。出張スタイルだと働きたいときに働きたい分だけ仕事をすればいい。あちこち出かけるのも好きなんですね、きっと(笑)。
――出張のエリアは決まっているんですか?
首都圏ですね。私の住まいが都内なので1時間以内に行ける場所に限定しています。
――新規の方も受け付けているんですか?
もちろんです。セラピストを派遣するアプリがあって、施術を受けたい方はそのアプリから予約していただいて、都合が合えば伺います。
――小林さんほどの腕なら、顧客も多いでしょう?
おかげさまで(笑)。自宅NGという方もいらっしゃるので、そういう方にはレンタルサロンを利用します。
――小林さんが施術をするとき、どんなことに気をつけていますか?
私は医者ではないので医療行為はしませんが、お客さまの身体を預かるという意味では同じだと思っています。身体に触れるときは「手当てする」ことを意識しています。
――なるほど。「手当て」ですね。
例えば、「腰が凝ってる」とか「脚が重い」と言っても、その部分だけほぐせばいいワケではありません。全身つながっているので、「ココをほぐせば、こっちが緩むかな」とか、つながりを考えながら施術しています。これも経験ですね。たくさんの身体に触れて、自分自身もいろいろな施術を受けてみないと分からないと思います。しかも、人によって効果の現れ方が違うので、「この場合はこうすればいい」って教えられないんですよね。
――これからの展望を教えてください。
この仕事を始めたときから、どこにいても自分の身ひとつで人を癒やすことができると思ってきました。これからも場所を選ばず、いろいろなところで施術をしていきたいと思っています。
――これからセラピストになりたい人にアドバイスをお願いします。
セラピストは決して楽な仕事ではありません。でも、私は「人のために何ができるか」を考えるのが楽しいんです。私と同じ気持ちを持っている方なら、間違いなく向いていると思います。
これは自分にも言えることですが、技術を磨き続けることが大事。これさえ続けていけば、お客さまは絶えないはずです。
小林さんの成功の秘訣
1.たくさんの人身体に触れ、施術の経験を積むこと
2.いろいろな施術を体験して自分のものにすること
3.今の技術に満足せず、常に学び続けること
撮影/森 浩司
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