やりたいことも方向性も、動くうちに見えてくる!【Pono主宰 片岡貴美子さん】#2
前編に引き続いて、もがきながら道を切り開いた、private salon Ponoを主宰するセラピストの片岡貴美子さんのインタビューをお届けします。
前編では、いったん一般企業に就職したものの、手に職を身につけるべくリラクゼーションサロンとエステティックサロンに転職するまでのお話をご紹介しました。
後編では、転職したエステティックサロンが倒産したのを機に独立の準備を始めたこと、いざ独立というタイミングでお父さまが亡くなり実家の家業と板挟みになったこと、初めてのサロン経営で「やりたいこと」がたくさんあって絞りきれなかったことについて伺いました。
勤めていたサロンが倒産。ついに起業を決意!
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――エステティックサロンにはどのくらい勤務したんですか?
10年です。ずっと店長として頑張ってきましたが、会社が倒産してしまったんです。
自分のサロンを立ち上げるにも、何も準備をしていなかったので、元上司のリラクゼーションサロンで働かせてもらいました。
――エステサロンに転職する前にお勤めだったリラクゼーションサロンですか?
そうです。元上司がフランチャイズ契約でご自身の店を持つことになって、そこへお邪魔しました。「いずれは自分の店を持ちたいので、そんなに長く勤められませんが」と伝えましたが、2~3年は勤めました(笑)。
――お勤めする方がいろいろな面で楽だと思うのですが、独立にこだわったのはどうしてですか?
学生の頃から、頭の中に「いつかは自立したい」という想いがあったんです。何をやるのかは決めていませんでしたけれど。
転職先のリラクゼーションサロンで整体の技術を習得して、アロマテラピストの資格を取って、エステティックサロンでマッサージを学ぶうちに、自分のサロンを持つことが目標になりました。
――片岡さんがずっと願っていた「手に職」ですね。
私の実家が石材店をやっていて、父は職人だったんです。独身時代の母は帽子のデザイナーで、料理が好きな姉はパティシエの道を進びました。ですので、何かしら技術を身につけて仕事にすることが、私にとって「当たり前」だったんですね。
――独立の準備をする間、リラクゼーションサロンにお勤めになったのはどうして?
マッサージでも施術でも、手を動かしていないと技術が鈍ってしまいそうな危機感があったんです。それで元上司に「働かせてください」とお願いしました。
いよいよ開業という時に、降ってわいた家業の手伝い
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――起業なさったのは何年ですか?
2023年です。本当は2022年にサロンを開く予定で、店舗も見つけていました。でも賃貸の契約をする前日に父が倒れて、そのまま亡くなってしまったんです。それでいったん白紙に戻すことになりました。
――なんとも言えないタイミングでしたね。
父が経営する石材店を姉が手伝っていたんですが、姉は育休中だし、一人で経営の全てを担うのは難しい。「会社が潰れるか否か」の緊急事態でしたから、私もセラピスト業を続けながら石材店をお手伝いすることにしました。
――もともと石材店の経営に興味があったんですか?
全くありませんでした(笑)。でも、ここで「手伝わない」と言ってしまったら、家族関係が悪化するうえに、父との繋がりが切れてしまうような気がしたんです。でも自分のお店を持つ夢も捨てられない。それで欲ばりとは思いつつも、週三日くらいでよければ…と石材店をお手伝いすることにしました。
――まったくジャンルが違うと、かけ持ちするのは大変ではありませんか?
大変というか、自分のやりたいことが定まらなくなった時期がありました。
家業を手伝うとは言ったものの、「手伝ってあげている」という意識があって、そのせいで「サロンの運営が中途半端になっている」と考えていたんですね。
――それはモヤモヤしますね。
発端は忘れましたが姉と大げんかになったことがあって、姉から「あなたがいったい何をしたいのかが分からない!」って言われたんです。その一言で、改めて「自分のサロンでセラピストとして仕事をしたい」ということがガツンと響きました。
――本音をぶつけ合えてよかったですね。
それからどちらも中途半端にならないように、サロンで施術をする日と石材店で働く日を決めて、きっちり分けるようにしました。きちんと分けるようになってからは、家族関係もよくなりましたし、両立しやすくなりました。
やりたいこと満載からシンプルなコースメニューへ
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――ご自身のサロンを作るにあたって、こだわったことはありますか?
アレもやりたいコレもやりたいって、頭でっかちになっていた部分もあって(笑)、いろいろな方に相談しました。「最初はやりたいこと、やれることは何でもやった方がいい」というアドバイスを受けて、オープンに向けてホームページにいろいろ載せました(笑)。「やっていくうちに、やりたいことが見えてくるから」と言われたことを信じてよかったです。
――今はどんなことにこだわっていらしゃいますか?
まず使っている精油はオーガニックであること。お客さまの肌と身体に負担をかけないように厳選しました。それからサロンにいらしたときは「無」でいられるようにすることですね。
――「無」というのは?
リラクゼーションサロンに勤めていたとき、マッサージを受けながらスマホで映画を見ていたお客さまがいたんです。時間が惜しいと思っていらしたんでしょうが、暗がりでスマホを見ると目が疲れますし、脳も身体もリラックスできません。それで、ここで過ごす1~2時間は、目を閉じて頭をできるだけ空っぽにして全てを忘れていただければ…と思っています。
――サロンによっては食事とか運動のアドバイスをするところもありますよね?
お客さまの目的によってはアドバイスします。「痩せたい」とか「肌をきれいにしたい」とかエステティック要素を求める方には、ライフスタイルでどのようなケアをなさっているのかを伺います。
ただ、ここはアロマトリートメントを主体でやっているサロンなので、首肩こりの解消や疲労回復のご要望が多いですね。
――あれこれ迷いながらも、進むべき道が見えていらっしゃるんですね。
計画的にいろいろと考える性格ですが、その通りに進まないことって多いですよね。まずは「えいやっ!」って一歩踏み出すことが大事だと思います。そうすると、どんどん課題が与えられて、それをこなすうちに1本の道筋が見えてきた気がします。
――これからセラピストを目指そうという方にアドバイスをお願いします。
「私にできるかな?」という不安を抱えている方が多いと思います。その想いは今、この業界で働いている人たちも、最初は同じ想いだったと思います。直接、お客さまの笑顔と「ありがとう」をいただける、とてもやりがいのある素敵な職業です。興味があれば、ぜひチャレンジしてください。
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