コロナ禍を経てフリーランスに。試行錯誤のうえようやく見つけた、自分らしく働ける環境【美容師・ブライダルヘアメイク/伊良波香里さん】#1 

都内人気サロンで経験を積み、独立してフリーランスに。美容師とブライダルヘアメイクとして活躍している伊良波香里さんにインタビュー。

コロナ禍に今後の働き方を考え、シフトチェンジした人は多いはず。伊良波さんも、そのタイミングで再スタートをきった一人です。
現在は、試行錯誤しながらも、自分のやりたいことを形にすべく日々チャレンジ中。

<前編>では、美容師を目指したきっかけから独立へ至るまでのストーリーをお届けします。

お話を伺ったのは…

美容師/ブライダルヘアメイク 伊良波香里さん

沖縄県出身。山野美容芸術短期大学を卒業後、ビュートリアムの姉妹サロン・サーカス バイ ビュートリアムに入社。アシスタント、スタイリストデビューと経験を積んでいくさなか、コロナ禍に突入。これからの働き方、自分のやりたいことを改めて考え、フリーランスの道を選ぶ。現在は、美容師とブライダルヘアメイクをメインに活動中。東京を起点に、2〜3ヶ月に1回のペースで地元沖縄でも美容師として働く二拠点スタイルに。

KAORI’S PROFILE

お名前

伊良波香里

出身地

沖縄県

出身学校

山野美容芸術短期大学

憧れの人

ブライダルのお仕事でお世話になっている先輩

休日やプライベートの過ごし方

スーパー銭湯が好きで、岩盤浴に一日中引きこもっています!

仕事道具へのこだわり

デビューしてすぐに買ったハサミをずっと愛用していますが、手になじんで使いやすい! 初心を忘れない意味でも、特別な思い入れがあります。

沖縄から上京して短大に進学。子供の頃から夢はずっと「美容師」だった

――まずは美容師を目指したきっかけは?

もう幼稚園の時から、リカちゃん人形の髪の毛を切ったり、自分の髪をアレンジしたりするのが大好きでした。子供の頃の夢はパーマ屋さん!

髪へのこだわりが強く、小学生の時に「こういう髪型にしてください」と、自分で絵を書いて美容師さんに渡していたほどです(笑)

――高校から専門学校へ?

地元(沖縄)の高校を卒業して、山野美容芸術短期大学へ進学しました。
美容師はトレンドを仕事にするような職業だから、東京でしっかり学んでこようと。

――専門学校と大学だと、違う部分もあるのですか?

美容に関するカリキュラムはほとんど一緒だと思います。

それに加え、英語の授業がありましたね。あとは文化祭や運動会なんかもあって、その辺は大学っぽいのかな? と思っていました。

――学生時代の思い出は?

ヘアショーで、みんなで作品を作り上げたことですかね。ヘアやメイク、衣装もオカダヤに生地を買いに行って一から作って、夜遅くまでみんなで夢中で準備して。最後のショーは達成感がありました。

あとはサークルがあって、舞台のメイクをしに行ったり。そんな活動ができたのも良い経験になりました。

デビューして1年半でコロナ禍へ。今後の働き方を考えるきっかけに

――就職は東京のサロンへ?

サーカス バイ ビュートリアムに就職しました。メイクにも興味があって、ビュートリアムはイガリシノブさんのメイクレッスンも受けられるということで、決めました。

メイクレッスンは月1ほどのペースで行われていたのですが、入ったばかりの頃は、もう目の前のカリキュラムをこなすことで精一杯で。1個チェックをクリアしたらその次へ、の連続。

アシスタントの最初の頃はほぼ記憶がありません(笑)

――デビューしてからの集客方法は?

アシスタントを5年半やって、スタイリストに。

ミディアム&ロング、レイヤーカットに特化して、モデルさんを呼んで撮影して写真をアップする……主にホットペッパーやインスタから集客していました。

客層は、20代〜30代の女性が多かったです。

――コロナ禍に入っていったのはいつ頃でしたか?

スタイリストデビューして、1年半くらい経ったあたりです。

当時は一気にお客様の数が減りました。わざわざ表参道まで出向かず、家の近くの美容室でカットする人が一時的に増えたからです。

自宅待機になったり、あの時の働き方はかなり流動的でしたね。仕事は徐々に戻っていきましたが、時間があったので将来のこともいろいろ考えました。

――独立のきっかけにもなったのでしょうか?

そうですね。コロナきっかけというのもありますが、スタイリストになって自分を少し見つめ直したのもあります。

アシスタントの頃は目の前のことに精一杯で、でもスタイリストになるとちょっとだけ時間に余裕が生まれる。そして、デビュー後は自分の目標を作ってがんばらないといけないから、自分との戦いになってくる。やる気も売り上げも自分次第。

だからこそ、本当にやりたいことや好きなことでないと、この先突き詰めていくのが難しいなと思ったんです。

――ブライダルのお仕事を考えたのもその頃に?

もともとヘアアレンジやヘアセットが得意で、好きな仕事でした。カットだけでなく、アレンジの依頼があるとすごく楽しみで。

そんな流れでブライダルのヘアメイクにも興味があって、好きなジャンルをもっと仕事として形にしていけたらと考えました。

コロナが少し落ち着いてきた頃に、退社してフリーランスに転身しています。

意を決して独立。フリーランスの道はそう甘くはなかった

――独立してからまず始めたことは?

まずは、美容師としての活動をシェアサロンにうつして再スタート。予約も自分で管理しながら、お客様に来ていただきカットしていました。

私の読みが甘かったと反省点なのですが、シェアサロンは初期費用が思いのほかかかるということ。

クロス一つから、道具は全部自分で揃え、個人のロッカーへすべて収納。サロン勤務時代は基本的なものはすべてお店に揃っていたため、こんなにお金がかかるんだ……と。

――なるほど、最初に直面したお金問題(!)

売り上げからサロン側に支払う額もあるので、その辺の計算とかかるコストをやりくりするのに慣れるまで大変でした。

ブライダルヘアメイクの仕事も少しずつ始めていきましたが、やはり最初はコスメなどを一式買い揃えたりするのに費用がけっこうかかりましたね。始めは先輩について修行する形だったから、もらえるお金も交通費くらいにしかならず。

苦労したけど、学びも多かったです。

――サロン勤務とフリーランス、いろんな面で違いはありそうです。

当然といえば当然なんですけど、フリーだとすごく孤独だなと感じることも。

サロンの頃はまわりに他の美容師もアシスタントもたくさんいたので、自然と仲間に囲まれていました。

フリーで活動していると、あれ? 誰もいないんだ……みたいな(笑)
日常のちょっとした会話をする人がいなくなって、最初は寂しさを感じましたね。

――シェアサロンは同じところをずっと利用しているのですか?

シェアサロンや業務委託サロンでの勤務を経て、材料の管理の大変さや、業務委託契約での働き方は、これからやりたい二拠点での美容師活動やブライダルヘアメイクとの両立が難しいと感じるようになりました。

すごくお世話になったのですがしばらく働かせていただいた後に卒業し、ご縁があったこちらのtoenにうつりました。

――toenはどんなスタイルなのでしょう?

ここは面貸しの条件で、サロンスペースを借りてカットしている形です。シャンプーやカラーなどの薬剤、道具系は揃っていてそれを使うことができます。

場所は表参道で駅から近く、お客様も通いやすいと思います。

いろんなスタイル、やり方を経験してここに辿り着けたので、自分のやりたいことに向かってまた新たに進んでいきたいです。

取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:生駒由美

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toen(トエン)
住所:東京都渋谷区神宮前4-9-1 神宮前AKビル301号室
電話:03-6434-5900
※伊良波さんは、東京ではこちらのサロンで活動中。
沖縄でのスケジュールはインスタから確認を。
Instagram @irahakaori

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