美容師とブライダルヘアメイクの仕事を両立。これからは東京⇄沖縄の二拠点で活動を広げていきたい【美容師・ブライダルヘアメイク/伊良波香里さん】#2
都内人気サロンで経験を積み、独立してフリーランスに。美容師とブライダルヘアメイクとして活躍している伊良波香里さんにインタビュー。
コロナ禍に今後の働き方を考え、シフトチェンジした人は多いはず。伊良波さんも、そのタイミングで再スタートをきった一人です。
現在は、試行錯誤しながらも、自分のやりたいことを形にすべく日々チャレンジ中。
<後編>では、独立後のフリーランスとしての働き方と、東京-沖縄の二拠点活動について、今後の展望などをお聞きしました。
念願だった東京・沖縄の二拠点での活動をスタート

――東京と沖縄の二拠点で美容師をされているそうですね。
東京ではtoenでサロンスペースをお借りして、カットしています。こちらでのベースが固まってきたので、地元の沖縄でも美容師ができたらと思い始めました。
今は、2〜3ヶ月に1回の頻度で10日間ほど沖縄に滞在しています。お客様の髪の周期に合わせている感じですね。
――地元でも活動しようと思った理由は?
地元の沖縄が好きだし、せっかく美容師をやっているのだから、両親や友達のカットもしたい。たまに実家に帰った時はできるけど、カラーは難しい……など、いろいろ思いはありました。
拠点を変えるってなかなか難しい。でも独立してフリーになったら、少しずつであれば実現できそうだなと挑戦してみました。
――沖縄ではどこで切っているのですか?
レンタルスペースを自分で探して、美容室として使える場所を見つけました。単発で借りられるスペースなので、沖縄に行く予定に合わせてレンタルしています。
シャンプー台もセット面もある個室タイプ。美容室として貸し出している部屋なので快適に使っています。あと実家から行きやすい場所で、良いところが見つけられてよかったです。
――集客はどのようにしているのでしょう?
沖縄では口コミの影響が大きいです。インスタでSNSもがんばってみましたが、やっぱり口コミで人から人へ伝わっていく方が多いようで。
今後は集客の方法もいろいろ広げていけたらと思っています。
ブライダルヘアメイクの仕事はハードだけど達成感も大きい
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――ブライダルヘアメイクのお仕事もしているとのことですが、始めた経緯について教えてください。
美容師をしている頃から、ヘアアレンジやヘアセットに興味があり、すごく楽しいと思えるジャンルでした。
フリーになったら、そういった新しいジャンルの仕事も広げていきたいと思っていたので、思い切って飛び込みました。
――どこかヘアメイク事務所に所属しているのですか?
はい。まずは事務所に所属して、先輩のアシスタントにつきながら仕事を覚えていく形でした。
結婚式の会場、成人式、写真館での撮影、あとはキャバ嬢さんたちのヘアセットをさせていただいたり、いろんな練習を重ねて一年くらい。今は一人で現場に入って担当できるまでになりました。
――美容師とジャンルは似ていますが、また違った大変さがありそうです。
そうですね。ブライダルだとヘアメイクだけでなく、ドレスの着付けがあったり全体的にサポートしなければいけません。
結婚式のスケジュールは分刻みで、もちろん時間厳守。一日中、花嫁さんにつきっきりになるので、責任感も緊張感もはんぱないです。
人生で一番可愛くいたい特別な日ですから、お金も時間もかけて、みなさんこだわりが強いのは当然です。それにしっかり応えられるかどうか。
一回一回がもう本当に大変なお仕事ですが、経験を重ねてがんばっています!
――前撮りなども流行っているので、需要は多いのでしょうか?
多いと思います。コロナ禍で結婚式ができなかった人、予定が大幅にずれてしまった人もたくさんいるようで。
あとは子供が生まれて落ち着いてきたタイミングだから、記念日だからとか、撮影する方も増えていると思います。
需要は多く、スタッフ側としてはむしろ数が足りていないのでは? くらいに感じています。
お客様から感謝の気持ちをいただいた時、またがんばろうと力がわきます

――二つの仕事をするうえで、自分を切り替えるコツなどありますか?
今は、美容師とブライダルで半々くらいの仕事量で調整しています。
私にとってはどちらも同じく大事な仕事ですが、お客様への向き合い方は少し違ってくる場合があります。
美容室のお客様は基本的にリラックスしにくるのに対し、ブライダルのお客様はすごく緊張した状態なので、その緊張感をほどよく保ちつつ、少しテンションが上がるように……など、接し方や自分の気持ちもコントロールしながら臨んでいます。
――なるほど、同じ技術職であり同じ接客業ですが、だいぶ雰囲気が変わってくるのですね。
もはや違う仕事って感じかもしれないです。
一つの仕事をやり続けるより、いろんな仕事をバランスよくやっていく方が自分の性格に合っているんだなと、とフリーになって気づきました。
二つの仕事をしていく中で自分の中でも切り替わる瞬間があって、それが息抜きになったり、リズムをつかんでいくような感覚。
――今後、挑戦してみたいことや注目していることは?
美容師の方では、「骨格診断」や「パーソナルカラー診断」を取り入れていけたらいいなと思っています。
数年前から流行っていますが、髪型やカラーをどうするかカウンセリングする際に、お客様からいろいろ相談されることは多いです。
顔のタイプ(キュート、エレガント、クールなど)で似合わせも変わってくるので、そのあたりもポイントなのかも。
しっかり勉強して、メニューにプラスできるくらいのスキルを身につけたいです。
――ブライダルのお仕事はどうですか?
例えば、結婚式の当日のヘアメイクだけでなく、本番までのヘアメンテまでサポートするなど、もっとトータルで関われるようなスタイルが理想です。こちらも今後、アップデートしていけたら!
――二拠点活動は広げていく予定ですか?
はい、目標は東京と沖縄で半々くらい。沖縄の割合が増えても黒字で営業していけるバランスを目指しています。
あと、沖縄こそブライダルヘアメイクの需要が多いと思うんですよね。そこも狙って、お仕事の幅を広げていけたらと思っています。
――最後に、伊良波さんにとって「働く」とは?
挑戦して、失敗して、そこから学ぶことがあり、成長する。仕事はそれの繰り返しだと思うのですが、私は成長を感じることが次の仕事へのモチベーションになっています。
あとは、日頃お客様に感謝の言葉をもらった時、結婚式が終わった後にお手紙やメールをいただいた時なんかは、本当にうれしくて、またがんばろうと思えます。
毎回お客様が来てくださることを当たり前と思ってはいけないですよね。こちらが日常と思っても、その人にとっては特別な日で心待ちにしている瞬間かもしれないから。
「いつまでも初心を忘れない」。この気持ちを心にとめて、これからもがんばっていきたいです。
取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:生駒由美
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toen(トエン)
住所:東京都渋谷区神宮前4-9-1 神宮前AKビル301号室
電話:03-6434-5900
※伊良波さんは、東京ではこちらのサロンで活動中。
沖縄でのスケジュールはインスタから確認を。
Instagram @irahakaori
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