歯科助手が覚えることは?主な用語や治療の流れ・仕事内容を紹介

どんな職業も同じですが、歯科助手の仕事でも覚えることがたくさんあります。歯科助手になりたいなら、どんなことを覚えなければならないのか、具体的な仕事内容はどんなものなのかを知っておきたいもの。分類分けして順番にチェックしていきましょう。

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まずは歯科用語を覚えよう!

歯科助手として働くためには、まず歯科用語から覚えるとよいでしょう。覚えるべき用語の例を紹介するので、ぜひ以下の項目順に覚えていってください。

1. 歯式・歯の構造など

歯は上下左右にずらりと並んでおり、どの歯に治療が必要なのかわかるようにしなければなりません。そのため、歯の1本1本に「歯番」といわれる番号やアルファベットが振られ、歯が生えている位置を「歯式」で示します。

右上・右下・左上・左下にブロック分けし、センターを境に上下左右の4本を1番として、奥に向かって2番、3番…と進み、一番奥が7番(親知らずは8番)です。1〜8番で区別されるのは永久歯で、乳歯の場合は中央から奥に向かってA~Eで示されます。

永久歯は全部で28本(親知らずを含めると32本)、乳歯は20本です。ただし、先天的に本数が少ない・けがなどで一部の歯がなくなっているという「欠損歯」の人もいます。

なお、歯式を記載する際は患者側の向きで書くため、自分から見て左右反対に記載することがルールです。歯の構造や歯式は歯科の知識のなかでもベースになる内容の1つなので、しっかり頭に入れましょう。

2. 症状の分類・治療方法

歯や口腔内の状態、治療方法などを示す用語も多数あるので、以下で例を挙げます。略称もよく使われるため、セットで覚えておくとよいでしょう。

・むし歯:カリエス(C)
・歯髄炎:むし歯が進行した状態(Pul)
・根尖性歯周炎:神経のない歯の根に炎症が起きた状態(Per)
・はめ込み型の詰めもの:インレー(In)
・かぶせもの:クラウン(Cr/HRやFCKなどの種類あり)
・デンチャー:入れ歯(義歯)
・PC(パーシャルデンチャー):部分入れ歯
・FC(フルデンチャー):総入れ歯
・歯周病:ペリオ(P)
・P処置:歯周病の治療全般
・機械的歯面清掃(PMTC):歯垢やバイオフィルムを除去する
・麻抜(抜髄):麻酔して神経を取る
・根管治療:歯の根の治療(RCT)
・型取り:印象採得(Imp)
・抜歯:エキスト(EXT) など

3. 治療に使用する器具

治療に使用する器具・機械も欠かせません。たとえば以下のようなものです。

・ミラー(口腔鏡):患者の口の中を見るための鏡
・探針:口の中の状態をチェックするための針状の器具
・スケーラー(歯石取り器)・エキスカベータ:プラークや歯石を除去する道具
・プローブ:歯周ポケット(歯と歯茎の間の溝)の深さを測る目盛り付きの器具
・バキューム:治療の際に口の中にたまる唾液や水を吸い取る機械
・エアーウォーターシリンジ:口腔内の清掃や冷却のために使う、水と空気が出てくる機器 など

なお、患者が座るチェア・器具や薬品を置くテーブル・うがい用の水が出てくる装置とうがい鉢・オペレーティングライト・フットコントローラーなどがセットになった、歯科専用の機械を「ユニット」と呼びます。

基本のユニットに、必要な機能や装置をオプションで追加できることもあるようです。治療の際は、患者1人に対して1台のユニットを使用します。歯科医師やスタッフが多数在籍する院では、複数台のユニットが並んでいることも多いです。

すべての治療に使用するものも多いので、名称や形状、用途をしっかり覚えましょう。

治療の流れを覚えよう!

次に覚えることとして、治療の流れが挙げられます。以下で大まかな流れを理解しましょう。

準備

はじめに、これから行う治療の準備をします。歯科医院では、歯科助手が器具の準備を行う機会も多いです。予約表やカルテでその日の治療内容を確認し、必要なものをそろえます。

準備が整ったら席(ユニット)に患者を案内して、歯の様子はどうか、変わりがないかを尋ねましょう。変化があった場合はきちんと医師に報告することも大切です。

治療

実際の治療には専門の知識と技術が必要なため、歯科医師が担当します。歯科助手は治療自体は行えませんが、ライティング(医師の手元に合わせてライトで口の中を照らす)やバキューム(吸引)といったサポートをします。

アシスタント業務の内容は次章で詳しく解説するので、あわせてチェックしてみてください。

片付け

治療が終わったあとは、使用したものを片付けなければなりません。さらに、衛生状態を維持するのも非常に重要です。器具の清掃や滅菌を行い、次の患者を案内できるようにユニット周りを整理・消毒し、必要に応じて模型の管理なども行います。

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歯科助手の仕事内容を覚えよう

前章でも触れていますが、歯科助手の仕事内容もしっかり覚えましょう。

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1. 器具・備品整理

前述の「準備」や「片付け」の項目でも解説したように、歯科助手は治療に使う器具や備品の準備・片付け・整理を行います。

歯科では、特に衛生管理を徹底しなければなりません。前の患者に使用した器具をそのまま次の患者に使い回すことはできないため、院の方針に従ってきちんと洗浄や消毒・滅菌を行ってください。滅菌が終わったら、所定の保管場所にしまいます。

また、ユニット周辺の消毒や院内の清掃も歯科助手の大切な仕事です。常に院内を清潔に保って患者を迎えましょう。

2. アシスタント業務

前述の「施術」の項目で解説した、アシスタント業務です。歯科医師や歯科衛生士の補助役として、患者への待ち時間の説明や問い合わせへの対処、席への誘導やエプロン掛け、治療・処置中のライティングやバキュームなど、医療行為にならない業務を行います。

歯科助手が患者の口の中に触れるのは違法です。治療のアシストにつく際は、歯科医師や歯科衛生士が作業しやすいように、指示に従ったり先を読んで行動したりといったサポートを行うことが求められます。

また、患者から治療について質問された際は、歯科助手の対応範囲外であることもあるため、適宜歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。

3. 受付業務・電話対応

歯科助手が受付業務を担うこともあります。受診に来た患者を出迎え、診察券や保険証を受け取って、内容を確認しましょう。さらに、予約や問い合わせの電話がかかってきた際に応対したり、治療後の会計や予約管理をしたりという業務もあります。

また、患者への対応だけでなく、業者が来たときに対応しなければならないこともあるかもしれません。

5. カルテ管理・レセプト業務

院によっては、患者のカルテ管理や毎月のレセプト業務、スタッフのシフト管理などの事務業務を行うケースもあるでしょう。

レセプトとは「診療報酬明細書」のことで、健康保険を適用した治療の費用を保険者に請求する業務です。院の収入の大半を占めることもあるため、間違いや抜け漏れのないように請求しなければなりません。

なお、事務作業の範囲や負担量は医院によって異なります。日報を作成する・定期検診の案内のはがきやメールを送る・備品の管理や発注をするなど、想像以上に多くの事務作業を任されることもあるので、気になる場合は事前に確認しておくと安心です。

焦らずにスキルアップを目指そう!

歯科助手の仕事は覚えることがたくさんあり、難しいと感じたりくじけそうになったりすることもあるでしょう。しかし、「できない」と焦らずに、コツコツと努力しながら、仕事をするなかで少しずつステップアップしていけば大丈夫です。

一緒に働いている先輩達も、はじめから今のように、何でも素早く理解してテキパキと動けていたわけではありません。みんなスタートは同じ初心者です。

わからないことや困ったことがあれば、先輩の歯科助手や歯科医師、歯科衛生士に積極的に質問・相談しましょう。頑張っている姿は必ず周りからも認められますし、努力を積み重ねればどんどんスキルアップすることができます。

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段階を踏んで少しずつ歯科助手のスキルを身につけよう!

歯科助手が覚えることとしては、歯科に関する専門用語や用語が示す内容・治療の流れと使用する器具類・歯科助手の業務内容などがあります。

勤務先ごとに独自のルールや方針があるケースもありますが、覚えることの基礎は変わりません。一度にすべて覚えようとせず、まずは基本的な用語から頭に入れるなど、日々の業務のなかでじっくりと着実に身につけていくことが重要です。

未経験でこれから歯科助手になりたいと考えている人は、職場探しにぜひ「リジョブ」を覗いてみてください。たくさんの求人のなかから、自分にぴったりの仕事を見つけましょう。


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