美容師のたしなみ着物文化、いまどきの着物ヘア！セミロング編 ＃２

最近、日常的なアイテムとして人気の着物。そこで、美容師としておさえておきたいのが、いまどきの着物ヘアです。

洋装とは異なるアレンジで、優しさやかわいらしさ、色気などを引き出すことができます。ここでは、和装に合う簡単ヘアのワンポイントアドバイスをご紹介。

第２回目は、「セミロング編」。鎌倉レンタル着物 「都」の着物スタイリスト・伊藤好江さん、ヘアスタイリスト・KIMIEさんにお話しを伺いました。

いま人気なのは、ゆるいヘアスタイル

「ロングヘアの方の場合、とてもゆるいアレンジが人気です。ごく簡単にできるのが、ざっくりとしたラフな編み込みで作るアップスタイル。きっちりした編み込みでなく、ゆるいおさげをいかに作るかがポイントです。昔のようにきっちりしたヘアスタイルは、若い方にはあまり好まれません。

髪全体を両サイド二つのブロックに分け、大きな編み込みをしていきます。襟足に短い毛のあるセミロングの方はその部分を束ねますが、ロングの方の場合はその必要がありません。両サイドの編み込みを一つにまとめるだけなので、編み込みさえできれば誰でも簡単にできるスタイルです。

今回のモデルさんは、セミロングのボブの方なので、ぜひ参考にしてみてください。セミロングの方でもとても素敵なアップになります。カジュアルな中にもクラシカルな雰囲気が漂い、とても上品なテイストに仕上がります」とKIMIEさん。

セミロングボブのアレンジ

今回はセミロングのボブヘアのモデルさんです。今一番人気のゆる編み込みを取り入れたアップヘアです。手くしでざっくり取り込んで編んでいくのがポイントです。ロングの方の場合は両サイドを二つのブロックに分けてまとめるだけです。

アレンジ１＜すっきりと上品な印象のアレンジ＞

• 1、両サイドと襟足部分の毛を三つに大きくブロキングし、両サイドは大きくゆるく編み込んでいきます。襟足部分の毛はひとつに輪ゴムでとめます。網目を指先で少し崩していきます。あまりいっぱい引っ張らないように、さり気なく。
• 2、三つをひとつにまとめて、毛先の部分を埋めるようにピンでとめて仕上げます
• 3、外から内側に巻き込むようにして、毛先を隠して出来上がりです。フェイスラインに編み込みを入れて、すっきりまとめたスタイルです。ルーズで大きな編み込みのラインが女らしさを演出します。

アレンジ２＜粋な大人の雰囲気を思わせるアレンジ＞

「前髪がサイドと同じ長さなので、しっとりとした女らしいヘアに仕上げてみました。後ろが短いので襟足を出す工夫をしています。全体をカラーで巻いて少し置いてからアレンジを始めます。前髪に大きなウエーブを持たせ、ちょっぴりルーズなニュアンスを出すことで、動きのあるアレンジに仕上げました」とKIMIEさん。

大きなウエーブとルーズなまとめ髪で大人のニュアンスを引き出しました。美しい襟足がとても色っぽい雰囲気を漂わせます。

• 1、全体をカラーで巻いて、大きなウエーブを作ります。
• 2、耳の上から、両サイドの髪を上に巻くようにしてピンでとめます。
• 3、残った毛を襟足が見えるようにゴムでひとつにまとめます。
• 4、まとめた束を襟足が見えるように巻き込んでピンでとめます。
• 5、ピンでとめていたトップの左の束をおろし形づくりながらピンでとめます。右サイドも同様にし、ゆるく膨らむようにまとめます。右前髪はふんわりさりげなく。

男子も、いまどきの着物ヘアに感動！

「『着物を着ている女性が好き』と答える男子は少なくないようです。その理由としては、奥ゆかしい感じがいい、ゆったりとしたしぐさに癒されるなどがあげられますが、一番多く耳にするのが、髪をあげたうなじやおくれ毛がなんともセクシーという答えです。

女性から見ても、ヘアスタイルでその方の印象は大きく変わります。着物という日本文化に携わるものとして、着物ヘアに関しても、その方の新しい魅力を引き出すお手伝いができたら幸せです」と伊藤さんは語ってくれました。

写真提供/鎌倉レンタル着物 都
取材・文・写真（一部）/ORCA

美容師なら知っておきたい、いまどきの着物ヘア！ショートボブ編 ＃１>>

この記事をシェアする