おしゃれ美容師の元祖!百冨友香理さんの“美容師として開花するコツ”・bloc #2
ヘアサロンがコンビニより乱立するご時世。ただでさえ、集客に頭を悩ませる人たちは多いのに、ここ数年はSNSによるファン獲得も視野に入れて活動しないといけません。
技術だけでなく、プラスαの部分を負担に感じている美容師も多いのではないでしょうか。bloc百冨友香理(ももとみゆかり)さんの第二回目のインタビューでは、「技術とSNSのパワーバランス」、「美容師として開花する瞬間とその見極め方」についてアドバイスをいただきます。
SNS用の作品とお客様への技術。反比例しないことが大切
――百冨さんのインスタグラムはファンも多いのでは?
「ありがたいことですね。時代的にコマーシャルツールは外せませんから、発信し続けることは必要だと感じています。Webマガジンでファッションやビューティについてお話すると、その流れでイベントなどにも呼んでいただいたり。Blocをより多くの方に知っていただく機会が増えることは、スタッフとしてうれしい限りです」
――仕事の幅が増えることは大変ではないですか?
「なにが一番大切かというと、やはりサロンワークです。だから、毎日動画を上げるなどの作業は私には向かないと思います。自分のキャパシティを超えないよう、本質からずれないように…を、意識しています。SNS用の作品が上手いことと、目の前のお客様を満足させることは、必ずしも比例しませんよね。美容師という技術職に就いた以上、カットがなによりも面白い!追求したい!と感じなければ、結果的に伸び悩むかもしれません。
それと、サロンはチームみたいなものですから、1匹オオカミにならないことも大切かな。輪を大切にして動くことは、重要な仕事のひとつですね」
――技術職の場合、自分は自分という個のスタンスに陥りやすいと思うのですが…
「私は、人と比べることも大切だと思っています。いい部分を吸収し、ない部分を別のスタッフから学ぶ。確かに個々が技術職人ですが、私はサロンスタッフに助けられたこともたくさんあります。結局はチームワーク。共にモチベーションを上げていこうと意識すると、自然と仕事もスムーズに進む気がしています」
自分の色がわかると、美容師としてステップアップできる
――数字面など、美容師として自信がない方へのアドバイスは?
「そうですね…。私自身がそうだったのですが“自分の色”が見つかると、その瞬間が美容師としてステップアップするチャンスかと。私の場合は“女性らしい質感”こそが、それでした。
昔からこだわりがあって、アシスタントのころは今のようにSNSがなかったから、頻繁に本屋に通いました。洋書なんかをたくさん購入し、モデルや海外女優の髪の質感を研究しましたね。今でもその習慣は続いていて、書籍からインスピレーションをもらうことは多いです。で、練習していく度に段々と狙っている質感の作り方がわかってくるんです。そうなると強いですね」
強みをみつけたら徹底的にそこを学ぶ
――つまり“女性らしい質感なら百冨さん”と印象付ける!
「人によって伸びしろは違いますから、カラーやパーマ、また、可愛いなら僕は得意!とか、ショートはお任せを!など、なんでもいいと思います。Blocのスタッフにもいるんですよ。カットはまだ発展途上でしたが、カラーが本当に上手な技術者がいて。でも、本人にそこを自覚させてお客様にもアピールしていったら、ものすごく数字が伸びたんですね」
――自分のウリ=色がわかるとブレがなくなるということ?
「美容師の学びに終わりがないんですよね。だから、全体がフワッとしてしまうと不安になりやすい。もし、ここにこだわりたい!という部分ができたら、そこを徹底的に学んで修得すると自然と数字も伸びていくと思いますね」
クールなビジュアルの百冨さんですが、お話してみるとおっとりとした語り口調でホワンとした方。そして、仲間を信頼し大切にする姿が印象的でした。気負いなく自然体、でも芯はしっかりと… まさに、理想的な大人の女性美容師さんです。
取材・文/小澤佐知子
撮影/松橋晶子
作品写真提供/bloc
Salon Data
bloc(ブロック)
渋谷区神南にサロンを構えるblocは、店内は広々としているものの入口からはあえてわかりにくく、隠れ家サロン風の装い。スタッフもモード感たっぷりで、NYやLONDONにトリップした錯覚に陥るかも。エッジの効いたデザインが人気で、ミュージシャン、モデル、アーティストなども集う、こだわり感が詰まった極上サロン。
http://www.bloc.co.jp/
Information
エル・スタイルインサイダー
http://www.elle.co.jp/
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