日本大会優勝でも世界大会ではあと一歩…。世界で戦うために必要なこととは【kakimoto arms 二子玉川店 細畑久寿さん・坂口綾菜さん】#1
日本ロレアル主催のコンテスト「スタイル&カラー トロフィ ジャパンファイナル」。グランプリに選出されると世界各国の勝者によるインターナショナル大会への出場権を獲得します。
2025年はkakimoto arms二子玉川店のスタイリストであり店長の細畑久寿さんとカラーリストチーフの坂口綾菜さんが日本代表としてインターナショナル大会に出場。並み居る強豪を倒して見事に世界2位を獲得しました。
実はこのお二人、'23年にもコンテストにチャレンジしてインターナショナル大会に日本代表として出場する権利を獲得していました。が、6か国のファイナリストに選出されなかった苦い経験があります。前編では、なぜコンテストに応募しようと思ったのか、前回の大会で何を学んだのか、選出されなかった原因をどのように消化したのかについて伺います。
お話を伺ったのは…
kakimoto arms 二子玉川店
スタイリスト/店長 細畑久寿さん
カラーリストチーフ 坂口綾菜さん

細畑久寿さん(右)/2003年kakimoto arms入社。スタイリストとして青山店、田園調布店に勤務。2020年に二子玉川店の店長として着任。
坂口綾菜さん(左)/2013年kakimoto arms入社。カラーリストとして銀座店、六本木店、川崎店に勤務。2021年に二子玉川店のカラーリストチーフとして着任。
2023年の落選から、「ファイナルのステージに立つ」が目標に

――お二人が日本ロレアルが主催する「スタイル&カラー トロフィ」に興味を持ったきっかけは?
坂口さん:7~8年前に先輩がこのコンテストにチャレンジしていて、インターナショナル大会のファイナルステージに立ったんです。「いつかは私も!」と思っていました。
細畑さん:実は僕もこのくらいの時期からこのコンテストに参加していて、グランプリを獲ることを目標にしていました。
――その当時は、お二人とも二子玉川店ですか?
細畑さん:違います。'20年に僕はこちらに異動して、翌年に坂口が加わりました。
前から坂口のことを「コンテストに意欲的に参加しているな」と思っていたので、日本ロレアルのコンテストも「一緒にやってみないか」と声をかけました。
――お二人の入社してからのキャリアは近いんですか?
坂口さん:10歳離れていますね。大先輩なんですが、私の意見をちゃんと聞いてくれますし、対等に話ができる関係です。
細畑さん:例えば意見が割れてしまっても、「これのココがいい」って説明をしあえる関係ですね。お互いに自分にないものを持っているから、彼女の説明を聞くと「なるほど!」って納得もできます。
――お二人で日本ロレアルの大会に挑戦したのは何回目ですか?
細畑さん:僕はほかのカラーリストと何回か参加していますが、坂口と組んで参加したのは二回目です。
――それは2023年のジャパンファイナルですね?
坂口さん:そうです。ジャパンファイナルでグランプリを獲りましたが、インターナショナル大会ではファイナルに出場できなかったんです。
――「スタイル&カラー トロフィ」の日本大会と世界大会はどう進んでいくんですか?
細畑さん:まずテーマが告知されて、写真審査から始まります。その作品の中から選ばれた6組のスタイリストやカラーリストが日本大会のファイナルステージに進みます。
――日本大会のファイナルステージはどんな感じなんですか?
坂口さん:日本ロレアルのスタジオで、それぞれのチームが4時間半かけてその場で作品を作るんです。一度に6組が揃うのではなく時間差でスタジオに入って、仕上がった順にカメラマンが撮影していきます。
――作品の制作から撮影までが一日で行われるんですね。
細畑さん:カメラマンが撮影した6枚の写真が審査されて、グランプリが決まります。
その写真が日本代表の作品として世界大会の写真審査に提出されるんです。
――世界各国から代表が集められるんですね。
坂口さん:そうです。その中から選出された6か国がファイナルステージのあるパリに集まるんです。
自信作だったのに落選。その理由を審査員に尋ねると…

――2023年の作品も素敵ですよね。この作品にはどんな思いが?
坂口さん:透明感とか洗練された雰囲気を打ち出せたらと思っていました。
細畑さん:ものすごく自信のあった作品だったので、世界大会のファイナルに残れなかったのが、信じられなかったんです。何が悪かったのか、これ以上どうすればよかったのか、残れなかった理由を知りたくて審査員に聞いたんですよ。
――理由を? 自信があるからこそ、自信を打ち砕かれそうで怖くなかったですか?
細畑さん:次回チャレンジするときには、どうすればいいのかを知っておきたかったんです。
坂口さん:中国人の審査員だったかと思います。「もっと日本らしさ、日本にしかできないものを打ち出せば勝てる」ってアドバイスをいただきました。
――日本らしさですか…
坂口さん:'23年も'24年も中国代表がグランプリを獲っているんです。彼らの作品はやはり中国らしさ、自分たちらしさを出した作品だったんです。
――審査員にアドバイスをもらったのは、どのタイミングですか?
細畑さん:インターナショナル大会のファイナルステージのときです。僕たちは写真審査で落ちているので、本来ならファイナルステージの現場には行けないんですが、特別に会場に入れてもらえたんです。
坂口さん:ファイナルに残った6組が作品を作っている様子を見て、「今度は私たちがここで作品を作る!」という気持ちになりました。
――それはすごくいい機会でしたね。2024年もチャレンジしたんですか?
細畑さん:2024年は日本ロレアルから日本大会の審査員の依頼を受けましたので、作る側ではなく審査する側で参加させていただきました。
坂口さん:私は挑戦したかったので、この店舗はもちろん他の店舗のスタッフにも声をかけたんですが、「無理!」って断られてしまったんです(笑)。
――審査員になるのは光栄なことですけど、出場できないのは残念でしたね。
細畑さん:審査員になって学ぶところが大きかったですね。「この作品は何を訴えたいのか」いう視点で作品を審査してみて、審査員に自分たちの作品をどうアピールすればいいのか、逆の立場から考えるいい機会になりました。
――そして2025年に満を持して再チャレンジですね。
坂口さん:6月末が写真審査の締め切りなので、早く準備に取りかかりたかったんですが、なかなかテーマを教えていただけなくて。ようやくパリの本社からテーマが伝えられたのが5月末くらいでした。
――1か月ですか! テーマは何だったんですか?
細畑さん:「elevete classic(エレベート クラシック)」です。
坂口さん:古くて格式のあるものをアップデートするという意味です。
2023年にファイナルステージを逃した悔しい想いを経て、2025年に再チャレンジした細畑さんと坂口さん。
後編では、写真審査を経て日本大会のファイナルステージに向けてどのような準備をしたのか、世界大会のファイナルステージ出場が決まったものの予期せぬ事態に見舞われたこと、2位を獲得して改めて感じたことについて伺います。
撮影/森 浩司
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kakimoto arms 二子玉川店
住所:東京都世田谷区玉川2-23-1 ドッグウッドプラザ3F
電話:03-6805-7674
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