華麗なる転身を遂げた全日本ネイリスト選手権受賞の河瀬さんの流儀 #1
これまでに数々のコンテストで、数え切れないほどの賞を獲得しているネイルサロン『セレン』の河瀬奈津子さん。昨年の全日本ネイリスト選手権フラットアート部門では、見事チャンピオンに輝きました。そんな河瀬さん、最初はテーマパークで働いていたとか? ネイリストに転身したきっかけや、作品をつくる上でのこだわりを伺いました。
全日本ネイリスト選手権とは?
NPO法人日本ネイリスト協会が主催している、国内で最大級を誇るネイル大会。毎年東京ビッグサイトで開催され、トップネイリストが最高峰のテクニックを駆使して挑み、熾烈な戦いを繰り広げている。様々な部門がある中で、河瀬さんは「フラットアート」部門でグランプリを獲得。フラットアート部門は、80分の時間制限がある中で事前に公示されたテーマに合わせ、エアブラシを用いて両手10本をデザイン。アートテクニックを競い合います。
“好き”と“人のために”が原動力に、ネイリストの道へ
――ネイリストになろうと思ったきっかけを教えてください。
「最初からネイリストを目指していたわけではなく、もともとテーマパークで働くのが夢でした。ある大型テーマパークで働いていたときに、美術系の学校を卒業していたこともあってネイルアートを施すブースやフェイスペインティングをするコーナーに配属されました。お客様に人気キャラクターのネイルシールを貼って、トップコート(ネイルの保護やツヤを出すために塗る仕上げの塗料)で仕上げた瞬間、“かわいい!”と声を出して大喜びしてくれたのがとても嬉しくて。間近でゲストが喜んでいる姿を見て、ネイルを通じてお客様を喜ばせたいと思いネイリストを志しました。そこからネイル学校に通い、サロンに2年間勤務。その後、独立しました」
――テーマパークで働いていたのは驚きです! なりたい職業や、やりたいことがあってもなかなか踏み出せない人も多いと思いますが、そこまで河瀬さんを突き動かしたものはなんですか?
「私はアートやネイルが“とにかく好き”で、どうせ頑張るなら好きなことのほうがより頑張ることができるのではないかと思いました。さらに、好きということに加えて“お客様のためになる”ことをしたいという気持ちが、自分を突き動かしたと思います。駆け出しのころはお客様に厳しいことを言われたりもしましたが、それに応えようと努力、たくさん練習したことが今の自分につながっていると思います。今、やりたいことに踏み出せないという人は、まずはやってみるということが大事だと思います」
お客様に喜んでもらいたいという気持ちを1番に
――サロンワークする上でのこだわりはなんですか?
「いかにお客様がしたいデザインをくみとれるかを心がけています。昔から通ってくださっているお客様の好み、洋服やお仕事などは大体は把握しているので、生活スタイルや好みに合わせたネイルを提案するようにして、必ず満足してから帰っていただくようにしています」
――普段のサロンワークとコンテストのときの作品づくりはまるで違うと思いますが、ご自身で精通しているなと思う点は何かありますか?
「全日本ネイリスト選手権のときはモデルさんを一人たてて両手にアートしていくのですが、モデルさんが喜ぶような作品を意識して作っています。“相手に喜んでもらえる作品をつくる”という点は、普段のサロンワークでも変わらないと思います。昨年グランプリを獲得した作品では、事前に龍を描こうと考えていたのですが、モデルさんがプロ野球球団の広島東洋カープファンということが分かり、鯉を描きました。相手が喜ぶようなエッセンスをちょこっと加えるだけで、お互いに楽しくなると思うので大事にしています」
テーマパークでの勤務から、ネイリストへの華麗なる転身を遂げたのには驚きましたね。後半では、河瀬さんが全日本ネイリスト選手権で魅せる華麗なアートや圧巻のテクニックの数々をご紹介します。
取材・文/梅澤暁(レ・キャトル)
撮影/中村早
Salon Data
セレン
日本ネイリスト協会認定講師の河瀬奈津子さんの技術、全日本チャンピオンで裏付けされている繊細なネイルアートを提供している。
※現在、ご新規様受け付け・募集はしておりません。
住所:〒164-0001 東京都中野区中野3-40-27 横川ビル1F
http://www.serendipity-nail.com/
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