美容師免許は働きながら取得できる?おすすめの方法や美容専門学校を紹介
働きながら美容師免許を取りたいと考えている人は少なくないことでしょう。仕事をするかたわらで美容師免許を取ることは可能なのか、可能な場合はどうやって取得すればいいのかについて知っておくと安心です。
美容師免許取得に向けた学び方や、おすすめの養成施設についても解説します。
美容師免許は働きながら取得できる?
美容師免許を取得するには、美容師法に規定された養成施設で2年以上の課程を修了し国家試験に合格する必要があります。養成施設は昼間の課程以外に夜間や通信もあるので、働きながら必要な知識を得、受験資格を取得することも可能です。
受験資格を得るには昼間・夜間課程で2年以上、通信で3年以上と定められているため、仕事と両立しながら勉強する場合、夜間課程に通えば昼間課程と同じく最短2年で美容師免許を取得することができます。
美容師免許の取得方法や美容師の将来性、美容師の仕事に役立つ美容系資格などは、以下の記事を参考にしてください。
美容師の資格と取得方法を紹介|キャリアアップに役立つ資格5選
美容師免許を働きながら取得する方法とは?
美容師の見習いとして働く方法で、一番多いものは「美容専門学校に通いながら働く」というものです。パターンは大別して2通りで「昼間だけサロンで働き、夜間部に通う」「夜までサロンで働き、通信課程に入学する」のいずれかになります。
それぞれのパターンを詳しく見ていきましょう。
1. 夜間に働きながら美容専門学校の昼間部で学ぶ
美容専門学校の昼間部に通って夜間だけサロンで働くというパターンでは、夜間の営業時間がよほど長いサロンでないと難しいでしょう。
働きながら昼間部で学ぶメリットや注意点、学費の目安を紹介します。
昼間部で学ぶメリットと注意点
昼間部は通常の学校と同じように、月~金曜日の週5日間、午前から午後まで授業があります。学校によっては美容師以外のエステやネイルなどの勉強をすることも。
規定のカリキュラムをこなし、講師に直接指導を受けたり質問をしたりできるのも魅力。2年間みっちり勉強したい方や、幅広い美容の知識を得たい方におすすめです。
ただし学校が終わった後に仕事に行かなければならないため、体力が必要でプライベートな時間の確保が難しいことから、強い意志を持っていないと辛いと感じる可能性もあります。
昼間部の学費はどれくらい?
昼間部は2年で200~300万円程度で、おおよそ「夜間部の1.5倍」の学費となります。昼間部の学費が高い理由は、運動会や海外研修などのイベントが多くあるからです。
逆をいえば、充実したキャンパスライフや美容師以外の勉強ができることに魅力を感じない人にとっては、高い学費を払うメリットは感じにくいかもしれません。
2. 日中に働きながら美容専門学校の夜間部で学ぶ
日中は美容室で働きつつ、夜間課程に通う方法もあります。「働きながらでも、最短で美容師免許を取りたい」と思うなら、夜間部を選ぶべきです。
メリットと注意点、学費について見ていきましょう。
夜間部で学ぶメリットと注意点
夜間部は昼間部よりも一日の授業時間が短いため、学校によっては卒業までに2年半~3年の期間を要することがあります。
昼間部と同じ2年で卒業できる代わりに簡素化し凝縮された内容の授業だったり、カリキュラム時間や内容は同じで、土曜日や夏休みなどの長期休暇にも授業を受けなければならなかったりすることも。
学校に通うため閉店まで働かずに、夕方で上がらせてもらう必要がありますが、採用してもらえる確率が下がることも考えられ、現場で積める実務経験も少なくなるというデメリットがあります。
またお店によっては閉店後にカット技術などを先輩が教えてくれることもありますが、そういった機会を逃してしまうこともあるかもしれません。
夜間部の学費はどれくらい?
夜間部の学費の目安は150~200万円ほど。通信課程と比べると高いですが、昼間部と比較するとかなり安くなっています。「免許の取得と関係ないイベントは要らない」と思う人の場合、夜間部の方がいいかもしれません。
3. 働きながら美容学校の通信部で学ぶ
通信部は基本的にテキストを用いて自宅学習をし、レポートの提出や決められた時間数のスクーリングをこなすことで卒業できます。
特に通信課程の場合、多くの美容専門学校が「サロンで働いていること」を入学条件にしています。つまり、通信課程に入学するためにも、美容師の見習いをすることが必要なのです。
このような仕組みはサロンのオーナーも知っているので、現時点で専門学校に入学していなくても「現場で学びたいし、入学資格を得るためにも見習いで採用してほしい」ということを伝えれば、志望理由については納得してもらえます。
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通信部で学ぶメリットと注意点
先にもお伝えしたとおり、夜間部と通信課程のうち年数が短いのは夜間部で、多くの場合2~2年半で卒業できます。一方、働きやすいのは通信課程です。
たとえば19時に閉店する美容院でも、実際にはその後の片付けや明日の準備、カットの練習などで20時や21時頃まで残ることは普通です。日によっては22時や23時にもなるでしょう。
しっかり実務経験を積みながら、それなりに給料ももらえるのがメリットです。「経験を多く積みたい」「採用の面接で落ちたくない」と思っている人は、通信課程を選ぶ方がいいでしょう。
通信部の学費はどれくらい?
学費は昼間部・夜間部と比べると、通信部が断然安いです。夜間部は2年で150~2000万円程度必要ですが、通信課程は3年で50~80万円程度となっています。
総額が安いことも有利ですが、「2年でなく3年で分割して払える」というのもメリットです。今すぐ払えるお金が少ない場合は、この点でも助かるでしょう。
美容室で働きながら学ぶのが一般的
働きながらの美容専門学校通いでは、異なる業種よりも、美容室に勤務しつつ学校で資格取得に向けて勉強する方法が一般的です。学校によっては、通学しながら働ける美容室を紹介してもらえる場合もあります。
美容師免許を持っていなくても美容室で見習いとして働けるため、現場の様子を知りつつ学べて身につきやすいでしょう。
見習いとアシスタントの違い
美容室で働くスタッフのうち、美容師免許を取得していない人(美容学生など)を見習いと呼び、施術ではない部分の業務を担当します。アシスタントとは、美容師免許を取ったあと、一人前になるためにカットなどの技術を学ぶ期間中の美容師のことです。
なお、見習いとしての経験があっても、美容師免許取得後に美容室に就職してからはアシスタントの期間が欠かせません。スタイリストになれるまでには、おおむね2~4年程度かかるといわれています。
見習いの仕事内容
美容師見習いの仕事内容には以下のようなものがあります。
レセプション
レセプション(受付業務)は、来店したお客様の出迎え・荷物の預かり・案内や電話対応、施術が終わったお客様のお見送りなどを行います。担当スタイリストが自分でやることもありますが、流れなどは覚えておくとよいでしょう。
接客全般
接客全般とはお客様に接するすべての業務なので、広義にはレセプションも含みます。待っているお客様への適切な声かけ・ドリンクの提供・読む雑誌の希望や温度の状態の確認など、細やかな気配りや思いやりが求められる仕事です。
施術に使用する道具の準備やスタイリストのサポート
見習いは美容師免許がないため、お客様の髪に触れることはできません。ただし、次のお客様のために施術ブースを整えたり、施術に使用する道具・備品・薬剤を準備したり、スタイリストに準備したものを渡したりといったサポートは許可されています。
店内の掃除や後片付け
店内の掃除や後片付けも見習いの重要な業務。床に散らばった髪の毛を掃く・道具を元の位置に戻す・ごみを適切に処理するなど、こまめに行う必要があります。道具の洗浄や洗濯などもしなければなりません。
その他の雑務
サロンワークには、ほかにもさまざまな雑務があります。勤務する美容室によっては、公式ホームページやSNSの更新などをまかされたり、予約管理を担ったりすることもあるでしょう。
働きながら通学できる美容専門学校夜間部を紹介!
夜間部はすべての美容専門学校に用意されているコースではありません。ここからは働きながら通学できる美容専門学校と夜間部の内容を紹介します。
窪田理容美容専門学校|美容学科 トライチェンジコース
東京にある窪田理容美容専門学校は美容師国家資格合格率99.1%を誇る、ひとりひとりに合わせたサポートが特徴です。
美容学科トライチェンジコースは夜間部で、卒業まで3年間かかりますが、昼間部と同じように美容師資格以外にも、メイクやネイル・エステティック・着付けなど幅広い美容の知識を得ることができます。
引用元
窪田理容美容専門学校
美容学科 トライチェンジコース|窪田理容美容専門学校
学費はどれくらいかかる?
3年間の学費は248万5,000円ですが、独自の奨学金制度で月々の支払いを軽減することも可能です。そのほか、分割払いの回数や納期はひとりひとりの事情に合わせて考慮されます。
さらに学生寮もあるので、一人暮らしのアパート代も節約しながら、アルバイトと学業に専念できる環境です。
日本美容専門学校|専門科[夜間部]
東京の日本美容専門学校は創業70周年を迎える歴史ある学校です。「ニチビ」の名称で親しまれ、数多くの美容系専門職の人材を輩出してきました。
昼間部と同じ授業内容を受けられるうえに、2年間で卒業できるのが大きな特徴。2年間で取得可能な資格は、美容師以外にAJESTHE認定エステティシャンやJNECネイリスト技能検定試験 1級・2級・3級などがあり、卒業後は美容室以外のサロンに就職したい方にもおすすめです。
学費はどれくらいかかる?
学費は2年間で、261万8,500円です。昼間部と同じ授業内容を受けられ、2年間で卒業できますが、学費は昼間部より安く設定されています。奨学金や学費ローンを借りることも可能。
奨学金については入学後に説明会がありますが、確実に奨学金の支援を受けたい方は、高校在学中に予約採用の申し込みをすることが推奨されています。
NRB日本理容美容専門学校|夜間部美容科
NRB日本理容美容専門学校は、大阪府の理容学校としてはじめて学校法人として認可され、その3年後には美容科が設立されました。
夜間部の授業は16時からスタート。トータルビューティーコースとスペシャリティーコースの2つがあり、どちらのコースも昼間部と同じ内容を学べます。ロールプレイングを取り入れたサロン実習では、技術だけでなく実際のサロン現場で役立つマナーやコミュニケーション力も培うことができるでしょう。
引用元
NRB日本理容美容専門学校
入試情報|NRB日本理容美容専門学校
学費はどれくらいかかる?
夜間部の学費は2年間で162万8,800円です。このほか選択必須科目費として15万円が別途必要。
年次ごとに3期分納となりますが、一括納付も可能です。厚生労働省や文部科学省が実施する教育支援の奨学金を受給できる可能性があるので、奨学金を受けたい方は事前に調べてみましょう。
美容師免許の取得を目指しながら働ける美容室の求人を探す方法
最後に、美容師免許の取得を目指しながら働ける美容室の求人を探す方法を紹介します。
就職支援エージェントを利用する
就職支援エージェントとは、アドバイザーが求職者の相談に乗り、求人情報を紹介したり、就活成功に向けた助言を行ったりしてくれるサービスです。人材を求める企業と仕事を探す求職者の架け橋になってくれます。
美容師志望の方は、美容業界に強いエージェントを利用するとよいでしょう。
求人情報サイトで検索する
求人情報サイトとは、多くの求人データを取り扱っているサイトです。いつでも利用でき、自力で仕事を見つけられます。
美容業界に特化した求人サイト「リジョブ」では、「未経験歓迎」「美容師免許不問」「学生歓迎」などの検索条件を設定でき、免許取得を目指しながら働ける求人を探すことが可能です。
サロンで働きながら美容師免許の取得を目指そう
仕事と勉学の両立は大変ですが、夜間部や通信部でも美容師免許を取れるので、美容室で見習いとして働きながら美容師免許の取得を目指すのはおすすめです。夜間部がある美容専門学校の例も紹介したので、自分の状況に合わせて選んでみてはいかがでしょうか。
また、見習いとして働ける美容室を探す際には、ぜひ「リジョブ」をご利用ください。美容業界専門の求人サイトのため、多数の募集があり、ぴったりの仕事を見つけやすいです。