“美容師の新しい働き方”と“代官山”という特別な場所へのプライド『collina』
代官山駅から徒歩数分、風が吹き抜ける丘の上にある『collina（コリーナ）』。同サロンは大きな窓から明るい光が差し込むとても気持ちのよいお店です。
前編の今回は、オーナー・ディレクターの菊池弦さんに、同サロンがオープンしたきっかけやサービスの特徴についてうかがいました。
最高のプロフェッショナルと、そのチームワーク
――サロンの特徴について教えていただけますか？
「現在の当サロンには5名のスタイリストがいます。それぞれが、たとえばファッション誌やコレクション、広告撮影でのスタイリングを経験してきたメンバー、ヘッドスパが得意なメンバー、男性のスタイリングに強いメンバー、若い女性に支持を受けるメンバー、ずば抜けてカットがうまいメンバーなど、とても個性的かつプロフェッショナルな集団です。そして、そんな5人がお互いを尊重しリスペクトすることでさまざまな技術を共有できている点が、このサロンの特徴だと思います。そのためにはチームワークとお互いがフランクに話し合える環境が欠かせません。ですからチームでお客さまをお迎えし、サービスを通して今までにない感動を与えるチームであり続けることを、サロンのコンセプトのひとつにしています」
お客さまに高いサービスを提供するための“メリハリのある働き方”
――サロンをオープンしたきっかけを教えてください。
「私はこのお店をオープンするまで15年ほどひとつのサロンで働き、ファッション誌やテレビ、コレクション、ブライダルなどの仕事もしていました。ですから、そこで自分が身につけてきたことがどれだけ世間で通用するか試してみたかったという動機がまずあります。もうひとつのきっかけはそれまでのサロンの経験を生かして、お客さまやスタッフのためによりよい環境を作っていきたいと考えたことです。
そもそも美容師という仕事は大変な仕事だと思うんですね。私自身、前のお店での15年間お昼をゆっくり食べたことは一度もなくて、立って食べるのが当たり前の世界でした。私はなんとか生き残りましたけど、どうしても途中で体力の限界を感じたり、リフレッシュできず時間的に追い詰められてやめていく人をたくさん見てきました。
しかし、私たち30代〜40代の美容師こそ、そういうのを変えていくべき世代だと思っています。私自身はガテン系・スパルタな世界の先輩に教えられてきたんですが、同じようなやり方で教えると後輩はみんなやめていったんですね。せっかくすごくセンスのあるいい人材も、どんどん辞めてアパレル業界やエクステのサロンに流れていってしまう現状を見てきたわけです。だからこのお店は美容に関するこだわりや芯の部分は残しつつも、若い人たちにとって魅力のある環境を整え、そして経験を積んだ美容師を増やして多くのお客さまをよりハッピーにしていけたらなと思って始めました。
そのために仕事をしているときは集中し、休憩時間はおおいにリフレッシュするというメリハリをつけています。具体的にはこのお店のスタッフにきっちり1時間半、休憩してもらうことを徹底しています。予約状況により休憩時間を消化できなかった場合は他の日に消化してもらっています。売れっ子スタイリストだと繁忙期は休憩がたまってしまい、翌月にまとめて半日や1日休んだりすることもありますし、休憩をあらかじめ確保して予約を取ることもあります。そのあたりはベストの状態でお客様をお迎えできるよう、スタッフ個人の裁量に任せています。また勤務実績に応じて有休の取得も可能です。年末年始やお盆以外にまとまった休暇で旅行を楽しむスタッフもいます。
バックヤードでリラックスできるような環境作りもしていますし、休憩時間に買い物に行ったりカフェにご飯を食べに行くのも自由です。やはり人間は一日ずっと集中し続けるのはムリですから、“休憩することでお客さまにより高いサービスを提供できる”と私は考えています。今後はさらに営業時間を変更して、スタッフのプライベートタイムを充実させるつもりです」
“代官山のサロン”に求められるサービスのレベルとは
――提供されているサービスの特徴はなんでしょうか？
「まず当サロンでは、オールマイティにあらゆるジャンルで高いクオリティのサービスを提供しています。“代官山”という特別な場所にあるこのサロンには、とても髪に対してこだわりの強い方が来店されますから、それに応える高いパフォーマンス力が必要です。首都圏はもちろん北海道や沖縄といった遠方からもお客さまがいらっしゃいますから、私たちは普通の美容室の意識ではやっていけません。お客さまの要望の本当に深いところまでくみ取り、引き出して、それをヘアデザインとして提供していく能力が必要です。もう、技術があるのは当たり前だと思いますね。それこそ、来店されたお客さまが発した最初の声でお客さまの心を読み取るくらいの洞察力が必要です。また私はカットのとき、ずっとお客さまと話をしています。そしてささいな会話のなかに隠された“ヘアデザインのためのヒント”を見つけて、どんどん施術を変えていく。そういうレベルのサービスを提供しているからこそ、お客さまに経験したことがない“ヘアスタイルの持ちのよさ”や“満足感”を感じていただけていると思います」
美容師の働き方を変えていくための先進的な取り組みと、提供するサービスにおける揺るぎない自信を両立させる同サロン。後編ではお客さまの客層や感想、こだわりの店舗作り、今後のビジョンについてうかがいます。
お客さまを“やみつき”にするほどの魅力と、代官山の爽やかな風『collina』>>
