NYでも注目の技法！スタッフにも伝えたい『accueil』
幅広い層から根強い人気を得ている「accueil」。その人気の秘密は、代表の森貞健悟さんの高いスキルに加え、ご夫婦2人で営むアットホームな雰囲気によるものだと感じました。後編では、森貞さんのスキルのなかでもスペシャルなメニューで、ニューヨークでも注目されているステップボーンカットという特殊な技法、そしてスタッフの育成についても語っていただきます。
西洋人のような立体的ヘアスタイルに
――前編でお伺いした“ステップボーンカット”とはどのようなものでしょうか。
「世界で唯一特許を取っているカット技法です。西洋人のような立体的な髪の形を作って、さらに小顔に見せることができるのが特徴ですね。例えば日本人に多い絶壁の平面的な後頭部に出っ張りを持たせることもできます。もともと日本人女性が発案したものですが､メディアでも取り上げられると共に世界各地に拡がっていて､現在ではニューヨークでも店舗が登場ています。私はそのカットのライセンスを取り､講師の資格も取りました。またウチの店では、大阪でここしかやっていないエンジェリックケアという施術も行っています。特殊なコームを使って毛の根元の立ち上がりをコントロールして､毛の向きを変える技法です。これは、前髪をまっすぐ下ろしたい方､分け目が目立って気になる方､部分的にボリュームを持たせてスタイリングを楽にしたい方には最適なものです。施術は15分程度ですが１か月前後は持ちます。お客様には結構喜んでもらっていますね」
美容師として生きていく“絵”を見せたい
――現在はご夫婦2人。しかし3年前までは他のスタッフがいらっしゃったとか。
「そうです。3年前まではスタッフもいました。若いスタッフは一人暮らしが多かったりするので､ウチの家でご飯を食べさせたり､家内がご飯のおかずをタッパに入れて渡したりしていました。でも今、スタッフの育成については、力及ばずだったと反省しています。こういった夫婦で営む個人店ならではのサポートはしてきましたが､“ここに居たい”理由を作ってあげられてなかったな、と。自分が美容師として生きていく“絵”を見せてあげられてなかった。私がステップボーンカットを習得した理由は、もちろんお客様のためではありますが、スタッフの事も考えたからです。今後スタッフが来るということになれば、そのカットを教えてあげることはもちろん､自分が美容師として生きていく術を与えてあげられるのではないかと思っています。ちなみにレッスンは､私たち自身が夜遅くなるのは年齢的にもしんどいので､あまりやりません(笑)。営業中にうまく時間を使ってレッスンすることもできますから。さらに､アシスタントでも売上を上げられ､その分給料に反映させてあげるシステムも考えています。同期の中でも給料が一番上だった､と言ってもらえるようにしたいですね。それに休みもしっかりとってしっかり遊ばないとね。そうして魅力のある人間になってもらいたい。お客様も、魅力のある人間に髪を切ってもらったら魅力のある髪型にしてもらえる、と思ってらっしゃいますから」
これからも“２つ”の魅力を
――今後は、何か新たな展開などは考えておられるのでしょうか。
「ステップボーンカットやエンジェリックケアなどの技法を取り入れているのも､やはりデザインのため。その部分では常に他店に真似できないクリエイティブなものを作っていくつもりです。また、今年6月には17周年を迎えるのですが、これにあたって店名も「accueil un couple(アクーユ・アン・クープル)」に変更します。クープルとはカップルという意味です。これには夫婦で営んでいることを意味しますが、アットホームな部分とクリエイティブな部分を両方持っていることも含んでいます。さらに今、家内が理容師の国家資格の取得を目指して勉強しています。これに受かると、美容と理容の２つの施術が受けられる。そういった､いい意味での二面性をこれからも発揮していければと考えています」
夫婦で営む人気のサロン世界的に注目される技法も『accueil』>>
