「治療ができるトレーナー」になりたいと思い、働きながら柔道整復師の資格を取得【パーソナルトレーナー・柔道整復師 ほしきつばささん】#2
宝塚歌劇団に10年在籍したのち、バレエ講師を経て、パーソナルトレーナーとなったほしきつばささん。東京のスタジオでフルタイムで働きながら柔道整復師の資格を取得。現在は独立し、自分のスタジオで、よりひとりひとりのお悩みに合った専門的な施術を提供。多くの顧客の信頼を得ています。
後編では、パーソナルトレーナーとして働きながら柔道整復師の学校に通い、資格を取得。学ぶことをやめない意欲の根源と、今後の展望について伺います。
お話を伺ったのは…
柔道整復師・トレーナー ほしきつばささん
先輩の使っている技術がほしくて柔道整復師に
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―― パーソナルトレーナーとしてキャリアを積んでいたほしきさんですが、柔道整復師の資格を取ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?
私が働いていたスタジオに、腰痛のお悩みを抱えたお客様がいらっしゃったんです。一緒に働いている先輩に柔道整復師の資格を持っている先輩がいたので、その先輩に「どうすればいいですか?」と質問をしたんです。
その時に先輩が言ったのが、「あなたは怪我を治すことはできない。あなたができることは、病院へ促すことだけ」ということ。さらに「お客さんの治療をしたいのなら、それができる資格を取る必要がある」と言われたんです。
柔道整復師以外にも、理学療法士、あん摩マッサージ指圧師、などいくつかの国家資格がある中で、私は先輩の持っている技術がいつも素晴らしいなと思っていたので、柔道整復師の学校に通うことにしました。
――柔道整復師は資格取得までに3年かかる国家資格ですよね。働きながら学校に通われたのですか?
はい、2017年から2020年の3年間、夜間の学校に通っていました。その時は週5のトレーナーの仕事のほかに、バレエも教えていて、舞台にも出ていました。仕事をしながらの勉強はとても大変でした。それに柔道整復師の資格の合格率は60パーセント前後と言われているので、簡単ではなかったですね。
――めちゃくちゃハードワークですね!
性格的に、困っているお客様がいたら「治してあげたい!」と思っちゃうんですよね。できることを全部してあげたいという思いで、資格取得も頑張りました。
ピラティスの資格も取得中
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――本日、取材させていただいているほしきさんのプライベートスタジオには、ピラティスのマシーンが置いてあります。
はい。ピラティスとは、もともとリハビリの手段として始まったものなので、体の軸を整えたり、ゆがみを正すのにはうってつけなんです。
今はピラティス資格も取得中で、もう少しで取れる見込みです。
――ピラティスの技術だったり、柔道整復師の手技だったり、引き出しが多いのは強みでもありますよね。
そうですね。ひとりひとりに合ったベストな施術をするのがこだわりです。パーソナルにこだわるのもそういったところからですね。グループレッスンはあまり経験がないのですが、もしやったとしても、たぶんできない人や不調がありそうな人のことが気になってしまううと思うんです。だからといって特定の人ばかり構うわけにはいきません。そういう点で、私にはパーソナルトレーニングが向いているのかなと思います。
トレーニングのメニューはほぼ独学です
――話は戻りますが、ほしきさんは最初からパーソナルトレーニングジムで働いていたんですよね? メニューの組み方やトレーニング方法はどうやって覚えたのですか?
胸のトレーニングにはこういうのがあるよとか、スクワットは膝がつま先より前に出ないようにとか、おおまかなことは勤めていたスタジオの先輩に習いました。ただ私がいたところは、マニュアルというものがなくトレーナーに任せていた部分が大きかったので、最初は大変でしたね。
私自身は、バレエ経験者でもあるし、宝塚で踊っていた経験があるので、一般の人よりは体の使い方への知識はあるものの、細かい部分はわからないことが多く、常に勉強をしていました。
お客様からもよく「ほしきさんといえば、いつも筋肉や解剖学の本を読んでいたイメージがある」と言われていましたね(笑)。今でも常に「もっと勉強をして知識を得たい」と思っています。
――トレーナーとして働く中で、大変だったことはありますか?
やっぱりコロナ禍ですね。お客様と対面で行う仕事なので、あの時期は収入面でも大変でした。そんな中でも当時のオーナーが踏ん張ってくれて、なんとか乗り越えることができました。
今いるお客様の満足度を上げたいので、新規受付はストップしています
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――特に大きな宣伝をしているわけでもないのに、現在は新規受付をストップするほど、ほしきさんの施術は人気です。
ありがとうございます。お客様からは「勉強熱心でまじめだね」と言われることが多いですね。私はやりたいことをやっているだけなのですが、そういったまじめさが信頼をいただいている理由かもしれません。
新規受付をストップしているのは、今あるお客様を大事にしたいから。たとえばお客様が予約を変更したい時に、「しばらく空きはありません」ということはしたくない。ほかにも、怪我をしたお客様に対しては、予定よりも施術時間を延長したい場合もあります。そういった不測の事態に対応できるように、スケジュールにはゆとりを持つようにしています。自分自身の体力も維持したいですしね。
――そういった自由がきく点は、独立したからこそのメリットかもしれませんね。
そうですね。あと、自分のスタジオを作ってよかったなと思うのは、「お客様を迎える側」になれたこと。ジムに勤めていると、お客様同様自分もそこに通う形になります。気分的にもリラックスはできませんでした。
でも今は、自分の心が落ち着いた状態でお客様を迎えることができます。
――独立してまだ1年ですが、これからどうしていこうと考えていますか?
独立して1年、このスタジオに引っ越してきて1ヶ月なので、正直まだ先のプランは考えていません。今の状況を安定させることで大事なので。
あと、現在はピラティスの資格を取得中ですが、無事取得できたら次は巻き爪を治す技術や脚のテーピングができるようになりたいと思っています。
そうやってできることを一つずつ増やしていっているのは、すべて「今いるお客様の満足度を高めたいから」です。お客様から困りごとを聞くと、「私が治せるようになりたい」と思ってしまうんですよね。
なので、目下の目標があるとしたら、今いるお客様にさらに喜んでいただけることになるかと思います。
ほしきさんの成功の秘訣
1.お客様の健康を第一に考える
2.常に誠実に向き合う
3.伝える、理解していただくことを大切にする
取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ
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