宝塚時代に体調を崩したのがきっかけで、トレーナーを目指すようになりました【パーソナルトレーナー・柔道整復師 ほしきつばささん】#1

宝塚歌劇団に10年在籍したのち、バレエ講師を経て、パーソナルトレーナーとなったほしきつばささん。東京のスタジオでフルタイムで働きながら柔道整復師の資格を取得。現在は独立し、自分のスタジオで、よりひとりひとりのお悩みに合った専門的な施術を提供。多くの顧客の信頼を得ています。

前編では、宝塚退団後にトレーナーの職業を選んだ理由や、パーソナルへのこだわり、お客様の悩みに合わせたオーダーメイドの施術について伺います。

お話を伺ったのは…

パーソナルトレーナー・柔道整復師 ほしきつばささん

兵庫県宝塚市出身。宝塚男役として活躍。退団後、バレエ講師、パーソナルトレーナー、柔道整復師としてキャリアを積む。2025年に10年間勤めたスタジオを退職し、個人のスタジオを立ち上げる。柔道整復師としての豊富な知識やピラティスの動きを取り入れたオリジナルのトレーニングに魅了され、クチコミで顧客が増加。現在は、新規顧客の受付は停止している。

HOSHIKI’S PROFILE

お名前

ほしきつばさ

出身地

兵庫県宝塚市

趣味

愛兎と戯れること

宝塚市出身で踊ることが好き、自然な流れで宝塚音楽学校へ

「幼い頃からバレエをしていて、踊ることが好きでした。宝塚音楽学校へは宝塚好きの母の勧めで入学しました」

――ほしきさんは元タカラジェンヌですよね。その頃の話を伺えますか?

私は生まれ育ったのが兵庫県の宝塚市なので、幼い頃から宝塚歌劇団は身近なものとしてありました。ただ私自身はそこまで「入りたい!」という強い気持ちがあったわけではなかったんです。というのも小さい頃からバレエをやっていて、将来はバレリーナになりたいと思っていたんですよね。

宝塚音楽学校には、母の勧めで受験することになりました。私もバレエではないものの、「踊ることができるなら」という感覚で入学を決めました。

――ほしきさんは現在、パーソナルトレーナーとして多くの人の体のメンテナンスを行なっているわけですが、ほしきさん自身には体のトラブルはなかったんですか?

宝塚時代に初めて体を壊すという経験をしました。宝塚時代の10年間はいろいろなことをさせてもらいましたが、主にダンサーとして活動することが多かったですね。

ただ在団途中に体を崩してしまって。精神面と体調面のバランスを同時に崩して、半年ほど休養をいただき自宅で過ごしていました。

とてもつらかったのですが、この経験が私にとっての転機となりました。この休養期間がなければ、今のような職業をしていないかもしれません。

――それはどういうことですか?

それまでの私は、わりと能天気に生きてきたんです。体力にも自信があったし、大きな怪我や病気もしたことがありませんでした。

そんな私が体調を崩して、しかも長期間の療養をするなんて、自分自身にショックを受けたし、同時につらい人の気持ちがわかるようにもなりました。それが収穫でしたね。

先輩からいただいた言葉を今も大事にしています

――在団中に体調を崩したことで、「人を癒す職業」に興味を持ったと。

はい。当時、10個上の上級生で退団後理学療法士になっていた方がいたんですが、私が休養を経て復帰した時に、その方からハガキをいただきました。そこにはその方の字で「健全な精神は健全な肉体に宿る」というメッセージが書かれていて。その言葉にすごく感銘を受けました。

「普段からもっと健康に意識を持っていたら、体を鍛えていたら、精神的なダウンもしなかったかもしれない」と思い、あらためて体をメンテナンスすることの大切さに気付かされました。と同時に、筋肉や骨格といった体の仕組みについて興味を持つようにもなりましたね。

――25歳で退団されます。その後のキャリアについてはどのように考えていましたか?

バレエの講師になりました。でも、そこでも私は「体のこと」が気になってしまって。キレイに踊ることよりも、姿勢のこととか、負担のかからない体の使い方とか、そういったことを重点的に指導しました。

そうするうちに「もっと体について知って、トレーナーになりたい」と思い、バレエの講師と並行しながら、トレーナーとしても働くようになりました。

――ボディメンテナンスへの強い興味があったほしきさんですが、他業界への道は考えなかったんですか?

退団してすぐに、自分が今度やりたいことを書き出してみました。その時は、トレーナー、バレエの先生、調理師、栄養士、臨床心理士の5つが、やりたい職業として候補に上がりました。

その中から自分に合ったものはなんだろう、と考えてみると、私は昔から体を動かすことが好きだったので、自然とトレーナーとバレエの先生に絞られたという感じですね。

人の体は変えられる、ということを知れた

柔道整復師の資格を持つほしきさんは、現在ピラティスの資格も取得中。それらの要素を取り入れたオリジナルメソッドで、施術を行っている。

――退団後はそのまま関西でお仕事をされていたのですよね。現在は東京で働かれているわけですが、上京するきっかけはなにかあったのですか?

宝塚を退団後、1ヶ月程度の休養を経て、大阪でバレエの先生をしながら、パーソナルトレーニングのジムで働き始めました。

次第に「トレーナーとしてもっと本格的に学びたい」と思うようになり、退団した翌年には上京して、東京のパーソナルジムで働き始めました。

――上京して本格的にトレーナーとなったわけですが、その時に感じたことはありますか?

私自身トレーナーになる前は「人の体はそこまで変わらない」と思っていたんです。根本的に変えることは難しい、と。それが、東京に来て日々お客様の体をケアするようになって、「人の体は根本的に変えることができる」ということを確信しました。

例えば長年扁平足に悩んでいた人の足にキレイなアーチが生まれたり、痛みのあった部分がマッサージや運動をすることで痛みが取れたり、ひどく姿勢が悪かった人が理想的な姿勢になったり。そういう、「人の体の変化」を何パターンも見てきました。

――ほしきさんが行うトレーニングは、具体的にどういうものですか?

私がやっていることは、トレーニングというよりは機能改善のお手伝いといったほうが適切かもしれません。このまま行くと怪我につながるかもしれない、という部分を予防するとか、一部の関節だけに負担をかけないよう全身のバランスを整えるとか、そういったことをメインに行なっています。

そうやってひとりひとりに合わせた施術をすることで、トラブルを治すことはもちろん、その先にある目指したい体になるといったプラスアルファのご要望のお手伝いをすることもあります。

最初は腰痛がひどいために通われていた方が、気づくと腰痛はすっかり良くなって、「もっとプロポーションをよくするには」とか「富士山を登れるようになるための体になるには」といった施術までステップアップすることがあります。体が良くなることで、心も元気に前向きになっていくのを一緒に見られるのも、この職業のいいところだと思います。

取材・文/皆川知子(tokiwa)
撮影/ワタナベミカ

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