瞬間瞬間を切り取るフィルムのような記憶に残るサロンに『FILMS』
2017年9月、銀座にオープンした『FILMS』。その技術力、洗練された空間、徹底したサービスで訪れる人を魅了します。代表のひとりである若林紀元さんは、大きな窓から光が差し込み温かい空気の漂うこのサロンと同じ雰囲気を持つ方でした。前編ではオープンのきっかけ、コンセプトについて伺いました。
関わる人すべての記憶に残るサロンであるために
――このサロンをオープンさせたきっかけを教えてください。
「僕は働きだしたときから、いつかは独立したいという思いが強かったんです。以前勤めていたサロンもオープンから入っているので、どのような流れでやるのかというのは学ばせてもらっていて、一通りいろんなことを経験させてもらったと思えた時に、後輩たちも育ったタイミングだったというのがひとつ目のきっかけですね。あとはこのお店は3人が共同代表という形でやっているんですが、そのふたりと出会えたということも大きかったですね。共同代表の笠井は専門学校の同級生、設楽は美容師のつながりで知り合ったんです」
――3人でお店を立ち上げようと思った理由は？
「3人が目指しているところで一致する部分があったり、フィーリング的な部分になってしまうのですが、考え方が似ているなと思っていたんです。さらにそれぞれ得意とする分野が違ったので、似ている人と一緒にやるより、早く形としてでき上がるのかなという思いがありましたね。3人とも美容室の利益をスタッフに還元していくいい方法を模索しているところがあり、じゃあ3人でやってみようかということになりました」
――コンセプトを教えてください。
「このサロンの企業理念が『“記憶に残る”を創造して、未来を叶える』になるのですが、お客さま、スタッフ、関わるすべての人にとって、いい意味で記憶に残るようなサロンにしていき、いろんな人の未来、要するに目標や夢ですね、それらを叶えられるようにしていきたいという思いがあります。『FILMS』という店名は、フィルムという言葉からとっています。卒業、結婚、出産などお客さまの節目節目に髪型を通じて長く関わり、いいものを提供していくことで、写真をフィルムに残すようにお客さまの記憶に残るようなお店でありたいと考えています」
一番のサービスは不満をいかに消すかを考え行動すること
――とても洗練されて居心地のよいお店ですが、内装のコンセプトはどう決められましたか？
「クリーンで洗練されたイメージをコンセプトに、自分たちが本当に好きなテイストを可視化していき、デザイナーさんと話し合いながら作り上げていきました。瞬間瞬間を切り取るというのが店名のコンセプトとしてあったので、場所ごとに少しずつテイストを変えているんです。受付、シャンプー台、お待ちいただくスペースと、つながってはいるんですが、雰囲気を少しずつ違うんです。他にも小さいところにお店のコンセプトを散りばめていて、たとえば受付のところには『RECOLLECTION』と書いてあります。これは『回想する』という意味です。最初はレセプションと書こうと思っていたんですが、受付というのは、サロンとお客さまが関わる最初と最後の場所になるので、サロンを出られてからも髪型を通してサロンを思い出したり、次回に来てもらったときに空気や香りを通してこのサロンのことを思い出してもらえる場所であったらいいなと考えて、このような名前をつけました。あとはトイレの案内も映画のフィルムからとって、カチンコをイメージしたものを使っていたり、トイレの床にはアルファベットがちりばめられていて、つなげると『FILMS』 となるようになっていたりと、小さなところですが自分たちのこだわりを詰め込んだお店です」
――オープンから8ヵ月が経ったとのことですが、お客さまから支持されているのはどんな点でしょうか？
「一番のサービスは美容室に通うなかで出てくる不満をいかに消せるかというところだと思うんです。トップサロンを目指して、掃除接客がトップレベルになっているか。そこはみんなで常に意識し合っています。たとえば待ち時間をいかに少なくするか、いかに快適に過ごしてもらうかなど細かい部分を突き詰めるようにしているんです。マニュアル通りに接するのではなく、自主性を持って接客してほしいというのが僕たちの理想で、そのあたりを認めていただいているのかなと。瞬間瞬間に自分たちで考えてお客さまに接することを大切にしています」
オープンから8ヵ月を迎え、スタッフの人数は倍になりひとりの退職者も出していないという『FILMS』。後編ではその秘密に迫ります。
“道徳”の時間や社会貢献活動を通して人として成長し続ける『FILMS』>>
