小_佐知子 interview #1:ヨガは仕事、でも自分を磨くエネルギーになる
大人の女性に人気の習い事で常に上位にランクインする「ヨガ」。内面から美しくなりたいと考える女性にとって、呼吸を整え、血液循環、姿勢改善など効果の高いヨガは一つのサプリメントのような存在です。福岡で13年以上ヨガインストラクターを務める小栁佐知子さんはスタジオレッスンだけでなく、美容専門学校や大学等でも講師を務め、ヨガがもたらす美容効果の素晴らしさを広めています。2018年4月14日自身のスタジオ「ヨガスタジオ SOWAKA」をオープンさせたと聞きつけ、お話を伺いました。
やりたくないという気持ちからのスタート
――ヨガインストラクターをなられた経緯を教えてください。
「これは異例かな…と思うのですが、私自身、始めからインストラクターを目指していたわけではないんです。東京から福岡へ帰ってきて、仕事を探しているときに『ヨガスタジオの求人』を見つけて、勝手にスタジオの受付事務の求人だと思い、応募しました。面接に行って見ると、そこはヨガインストラクターのオーディションで『どうしよう…逃げられない…』と追い詰められた形で始めたのがきっかけです。ヨガ自体もワークショップとかに数回参加した程度で、知識も経験もなかったですから、よく採用されたなって(笑)。」
「やりたくなかったから、やり続けられたと思うことがあります。インストラクターに採用されて、研修期間はとにかく、うまくできない、きつい、先生が怖い…という思いで『やりたくない!』と思うことは何度もあったのですが、辞めるという選択肢はなかったです。もし、もとからヨガが好きで、ヨガをやりたいという思いで採用されていたら、その辛さを知って辞めたくなっていたのかもしれません。私の場合、初めはヨガが好きでなくて、インストラクターとしてデビューして、生徒さんたちの表情や反応を見ているうちに、ヨガを好きになりました。当時は、やりたくないと頑張らなきゃという感情が一緒にあったと思います。それが自然と、ヨガをやり続ける原動力になっていました。」
ヨガを楽しいと感じることができたのは最近のできごと
――好きじゃないからヨガを始めて、ヨガへの考え方に変化はありましたか?
「ヨガを始めて13年目になるのですが、最近ようやくヨガが好きになった感覚があります。以前は『ヨガは仕事』という気持ちが強かったです。仕事以外にワークショップ等に参加しても『あの先生の良いところを吸収しよう』と自然と仕事モードになっていました。なので、せっかくのOFFの日なのに、リフレッシュした気分になれずにいたんです。しかし今年の4月にこのスタジオ『SOWAKA』を開いてから、自分の好きなことをやっているという思いが出てきて、その感覚もほぐれ、ヨガを楽しめるようになりました。プライベートでも別のスタジオのヨガレッスンに通ったりしてON/OFFともにヨガを楽しんでいます。」
表に出さない美意識の中に芯の強さを感じる
――小栁さんのレッスンを受けられる生徒さんの反応はいかがですか?
「ヨガをダイエットや美容目的で運動をしたいと思って始める方が多いのですが、極めていくうちに、精神面で安定剤になっているとおっしゃる方もいます。生活のリズムや、乱れた心の状況を整理してくれたりだとか、なにかリセットしてくれる効果が高いので、気持ちも頭もすっきりするという感覚を味わえます。」
「生徒さんはすごく美にこだわりがある、という方が多いわけではないです。綺麗な身なりをされているという印象はありますが、だからといって、ぐいぐい前に出て『ヨガから美を吸収したい!』という意識の高さがある感じではなく、控えめながらも理想像はしっかりある、という感じの方が多いですね。」
初めは興味がなかったと語るヨガ。しかし生徒さんとの触れ合いの中で、その世界にのめり込み、自身が『好きになった』と感じるまで、ヨガを極めた小栁さん。そこには小栁さん独自の目線で生徒さんを深く観察し、思いやる気持ちが関わっているのだと感じました。後編では小栁さんの「ヨガスタジオ SOWAKA」の特徴と魅力、生徒さんを思い考えられたメニューの秘密について伺います。
Profile
小栁佐知子さん
東京で映像制作会社に勤務したのち、福岡に帰郷し、ヨガインストラクターへ。スタジオ勤務や病院勤務、フリーインストラクターを経て、ビューティスタジオ「somnia」でヨガを指導。独立し、2018年に自身のスタジオ「ヨガスタジオSOWAKA」をオープンさせる。
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