ダブル教育と海外研修でスペシャリストが生まれる『Befine becs』
京都の老舗ヘアサロン「Befine」グループのなかでも、中心街における旗艦店として18年前に三条河原町にオープンした「Befine becs」。前編では、大家族主義による地道な教育によって生まれる、高い技術力などについてお聞きすることができました。この後編では、具体的にどのような施術が受けられるのか、そしてスタッフの育成方法はどのようなものかを、あらためてGO氏におうかがいします。
――この店において提供されるメニューにおいての特徴は何でしょうか。
「やはり、我々が大好きで自信のあるカットでしょうか。美容室なら、まずカット力ありき、だと思っています。また、例えば僕は元々パーマの講師として国内外で教えに行かせて頂いているので、パーマでは絶対誰よりも可愛くしたいと思っています。さらに、カラーだとこちらの下川というスタッフが全国大会で3位に入ったりしています。日本ヘアカラー協会のヘアカラリスト検定のシングルスターからファイブスターまである中のフォースターを持っているのですけど、京都では唯一下川のみが取得しています。パーマだったら僕が、カラーだったらうちの下川が主導している感じです。あとは、ヘアケアにも力を入れています。僕も含めてベテランスタッフが増えてきたこともあってお客様の年齢層も上がっています。そうなると年齢と共に低下してしまう髪の強さを元に戻してあげることが大切になります。本質的な毛髪修復をすることでデザインもよくなるし、お客様が自宅でスタイリングするのも楽になりますから」
――そのヘアケアというのは具体的にどのようなことを?
「ホリスティックケアという、エアブラシを使う手法で、京都ではまだ数店しかやっていないですね。簡単にいえば、ダメージを受けているタンパク質を再生させて元の状態に戻していく方法です。これを施術しておけば、お客様が満面の笑みで喜んでくださるぐらい髪がキレイになってカラーでのダメージがほとんど起きません。髪の毛は日常生活のさまざまな原因でも傷んできます。紫外線やドライヤーの熱、水道水の塩素、寝ている時の物理的な摩擦など…。これもホリスティックケアをしておけば、ほとんどダメージを受けないのです」
スペシャリストへの道も
――このような高度な施術を行うための、スタッフの育成についてはどのような形で行われるのでしょうか。
「私たちの育成法は“ダブル教育”という方法をとっています。まずは通常のベーシックの教育カリキュラムがあって、このカリキュラムを消化していくとジュニアスタイリストになれます。でもそれはベーシックにすぎないので、これと同時進行で、パーマのスペシャリスト、カラーのスペシャリスト、カットのスペシャリスト、着付けのスペシャリスト、メイクのスペシャリストになるためのカリキュラムもこなしてもらいます。ベーシックとスペシャリストの2つのカリキュラムをこなしてもらうから、ダブル教育、というわけです」
ロンドンへの海外研修も
――海外研修もあるとお聞きしていますが。
「そうですね。海外研修が5年に1回あります。グループ全体としては毎年4人ぐらい行っていることになりますね。60万ぐらいのプランを完全に会社負担で行けるので、人気があります。これはたぶん、日本中のサロンを探してもあまりないと思います」
――どの国に行くのですか?
「それは絶対にロンドン。ロンドンでカット研修をします。ヘアカットの発信地って、元々、ロンドンかパリなのです。そのロンドンに『hob』という美容室があって、その店のトップが世界チャンピオンなんですけど、ほんとに天才的で魅力的な人物なんです。僕も先日一緒に食事をしたのですが、『カットは旅だよ。ジャーニーだよ』『ここに行くって思っていても、途中で道しるべが見えたらこっちに行ってもいいじゃない』とか、目をキラキラさせながら話してくださいました。そのhobアカデミーで4、5日間ぐらい勉強して、残りの3日間ぐらいバルセロナに行ってガウディの建築を鑑賞したり観光したりするというコースです」
まさに世界のトップのデザインを肌で感じることができる研修を経たスタッフが、高感度のデザインを提供する「Befine becs」。今後も京都のヘアトレンドをけん引する店として活躍されることでしょう。
創業30年を迎える老舗サロンの“イズム”今も『Befine becs』>>