「歯医者=怖い」イメージが逆転した父の診察室 私の履歴書【宝田歯科 院長 宝田恭子さん】#1

歯科医ならでは視点で美容メソッドを提案している宝田恭子先生。独特でしかも効果的な美容法はさまざまなメディアに取り上げられています。なかでも20年以上も続く日本橋三越本店カルチャーサロンや3か月に1回開催の「顔面地滑り予防」のセミナーには、健康とキレイを両立したい多くの女性が参加しています。

前編では、宝田先生が歯科医を目指したきっかけと、宝田歯科を引き継ぐまでのお話をご紹介します。

TAKARADA'S PROFILE

お名前

宝田恭子

出身地

東京都

出身学校

東京歯科大学

憧れの人

佐伯チズさん(美容家)

プライベートの過ごし方

時間があれば30分間、猛烈に泳ぐ

趣味・ハマっていること

67歳から始めたゴルフ

笑い声が絶えない診察室を見て、歯科医になることを決意!

写真は著作のほんの一部。美容家・佐伯チズさんとの出会いで美容への関心がさらに高まったとか。

――先生が歯科医を目指したのはどんなきっかけがあったんですか?

私の父が歯科医で、歯科技工士さんが常駐していたんです。技工士さんの仕事場で総義歯(総入れ歯)つくっているのを見ていたら、その技工士さんが「この入れ歯を患者さんに合わせる日に、また遊びにおいで」って。

――その歯の持ち主が分かるんですね!

当日、診察室の様子をこっそり見ていたら、患者さんも父もゲラゲラ笑っているんです。患者さんは歯の根っこを抜いて歯が1本もなくなっちゃったのにですよ!

その後すぐに総義歯を入れて鏡をみたとき「前よりキレイになってる!」って、すごく喜んでいらして。それまで父と患者さんの会話を見聞きしたことがなかったので、ビックリしました。

――笑い声の絶えない歯医者は、私も行ったことがないです。

歯科医は痛いことや辛いことをする人というイメージがあったので、絶対に歯科医にはならないと思っていました(笑)。こんなに患者さんが喜んでくれる歯科医ってすごい!私もなりたい!って思ったんです。

――それまでは、何か目標があったんですか?

政治家の秘書になりたかったんです。スーツを颯爽と着こなして、通訳したりスケジュール管理をしたり。高校に進学したときも国立文系の大学を目指していました。

――文系志望が、いきなり歯学部ですか!?

私が10代の頃は高学歴・高身長・高収入の男性と結婚するのが「女の幸せ」と言われていたので、父は大反対でした。

――働く女性は少なかったんですね。

「どうしても歯科医になりたい」と言い続けたら、とうとう許してくれましたが、条件を出されたんです。まず、浪人は許さない。大学に落ちたらご近所のメリヤス工場で働くことって。大学に受かって歯科医になるか、高校を卒業したらメリヤス工場で働くか、二択になってしまったんです(笑)。

――それは恐ろしい!

そこまで父は私を追い詰めたんですね(笑)。その代わり、勉強にかかる費用は、いくらでも出してくれました。父の患者さんに国立大に通っている方がいて、「うちの娘が受験するから家庭教師をしてくれないか」って頼み込んでくれたんですよ。

――心の底では応援していたんですね。

高校二年生までに理系の偏差値を上げなくてはいけなかったので、高校の先輩や塾の友だちとか、友だちの兄貴とかいろんな人に頼み込んで勉強に明け暮れました。受験勉強のストレスで10㎏ぐらい痩せたんですよ(笑)。

――すごい! そんなに体重が落ちるなんて。

国立受験の前に東京歯科大学を受験したら、受かっちゃったんです。私の友だちはみんな私立志望だったので、「卒業旅行に行こう!」って盛り上がってるんですよ。私も行きたくて、父に「国立の受験はやめて私も卒業旅行へ行きたい」って話をしたら、ものすごく怒られました。

――お父様は国立に行って欲しかったんですね。

そうは言っても、父だって私大卒なんですよ。反対していましたが「中学・高校と一緒だった友だちと思い出を作るのも大事だろう」としぶしぶ折れて、6人で旅行することができました。彼女たちとは今も仲が良くて、彼女たちの歯は私がずっと診ています。

週に一度の勤務で、患者から診察拒否!?

とても69歳とは思えない肌のハリ!これも毎日実践している美容メソッドの賜物。

――学校を卒業なさってからは?

大学病院に残って、学生の指導をしていました。その頃、結婚した宝田の父がここで歯科医をしていて「週に一度でいいから、手伝ってくれないか」って頼まれたんです。

――先生のご実家が歯医者で、嫁ぎ先も歯医者だったんですね!

そうなんですよ。大学病院にいるときは学生たちに「ここはこうする!」とか指導して、周りから「宝田先生」って呼ばれてましたけど、ここに来ると患者さんたちからは「お手伝いさん」レベルでしか見てもらえなかったんですよ。

――どういう意味ですか?

当時は女性の歯科医が少なかったから、珍しかったのもあるでしょう。それに患者さんたちは義父のことを信用して通っているので、突然現れた私を受け入れられなかったんでしょうね。

――そんなものなんですか。

義父からある患者さんの総義歯の咬合採得(かみ合わせの記憶を取ること)を頼まれたんです。義父はその日ゴルフに出かけていて、来院した患者さんが「あ、今日は院長いないんだ。じゃいいや」って帰られてしまったですよ。イスに座ることもなく!

――それはショックですね。

患者さんに受け入れてもらえないなら、ここにいる意味がないですよね。ずっと大学病院で働き続けるしかないのかな…と思った時期もありました。

――でも、そうはならなかった。

義父がいなくても、私を指名してくださる患者さんを一人でも増やすにはどうしたら良いか、いろいろ考えるようになりました。
文系志望から一念発起して歯科医になった宝田先生。歯科医になったものの、嫁ぎ先での歯科医院で受け入れられるまでに、ご苦労があったようです。

後編では、受け入れられるまでの間に、現在の美容メソッドのヒントを見つけられたこと、最新のエイジングケアについてお話を伺います。

撮影/森 浩司

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宝田歯科
住所:東京都江戸川区南小岩7-29-17サザンコート1階
電話:03-3657-4525

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