成長には負荷が大切。時間に追われる練習で身につけた高い技術「Lise」大井汐里さん
表参道で15年の歴史を持つインターナショナルヘアサロン「Lise」。独自開発のトリートメントやハイテクカットなど表参道トップクラスのスキルを持つ美容師が集まる同店で、スタイリストとして活躍するのが大井汐里さんです。
もともと大学進学を志していた大井さんは受験の不合格をきっかけに、美容師の道を目指すようになりました。学生時代に文化祭などのイベントで友人のヘアアレンジやネイルに取り組み、喜ばれた経験が、この仕事を選んだ理由のひとつだといいます。
またアシスタント時代の練習では、時間短縮を優先して取り組むという工夫をしていた大井さん。過去のスポーツ経験を通じて、時間に追われるといった負荷が自分をより成長させると学んだそうです。
今回、お話を伺ったのは…
「Lise」スタイリスト
大井汐里さん
東京ベルエポック美容専門学校出身。高校を卒業後、「Lise」に入社。現在9年目でスタイリスト兼マネージャーを務める。カットとカラーを得意としている。
負荷をかけた練習が成長しやすい。スポーツ経験者ならではの発想
――まずは美容師を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
大学のAO入試に落ちてしまったことです。そこで、せっかくなら別の道に挑戦してみたいと思い、美容師を目指すようになりました。私は小学生から高校生までスポーツ漬けの生活を送り、水泳や陸上、ヨットなどに励んでいたんです。常に日焼けもしているような状態で、美容とは真反対の生活を送っていたからこそ興味を持ったのかもしれません。
――なるほど。もともと興味はあったのでしょうか?
子供のころに美容師になりたかったというような憧れはありませんでした。でも、高校時代に文化祭などのイベントで知識がないのにもかかわらず、友人のヘアアレンジやネイルを積極的に行っていました(笑)。そこで友人の喜ぶ姿をみたり、感謝されたりした経験がいい思い出として残っていたことも美容師になると決めた理由のひとつです。
――美容学生時代はどのような過ごし方を?
私は通信制の美容専門学校で3年間学んでいました。1年生の前期と3年生の後期のみスクーリングがあり、それ以外は教材で勉強しながらサロンで経験を積むという形でした。
そのような美容学生時代に力を入れていたことでいえば、国家試験に向けた勉強です。もともとスポーツに取り組んでいたこともあり他人に負けたくないという競争心が強くて。少しでも技術を成長させるために、授業中はもちろん自宅でもたくさん練習していました。
――練習のなかで工夫していたことはありましたか。
技術にかける時間の短縮を優先して練習していました。まず時間を縮めることに専念して練習すると次第に手がスピードに慣れてきて、おのずと同じ時間内でも質が向上していくんです。質の高い結果は時間をかけて取り組めば簡単に生み出せると思いますし、時間に追われるといった負荷は自分をより成長させるとスポーツ経験を通じて学んでいたので、時間に重きをおいていました。練習の仕方は人それぞれですが、時間と質を一度に追い求めてしまうのは成長効率が悪いので避けるべきだと思います。
カット学習が早い分、人頭に慣れた状態でデビューできるカリキュラム
――「Lise」に入社した理由は?
オーナーの姿勢に惹かれたからです。当時はまだ美容師免許を取得していなかったので、応募条件に満たなかったり、見学に行っても相手にされなかったりなどサロンの選択肢が限られていました。そんななか友人の紹介で「Lise」を訪れたときにオーナーから「学生でもやる気があるならなんでも教えてあげるよ」と言われて。その頼りがいがありそうな強気な姿勢に惹かれて応募を決めました。
――かっこいいですね!入社してみてどのようなことを感じましたか。
オーナーの活躍ぶりに驚きました。オーナーはカラーの開発をしたり、他店で技術講習をしたりしています。その事実を私は入社後に知って、尊敬の気持ちが高まると同時に、このサロンで働いていけば技術力の高い美容師になれそうだと期待が高まりました。
――スタイリストになるまでのカリキュラムはどのような内容でしたか?
シャンプー、ブロー&カット、カラー、パーマ、メイク…という流れで技術項目ごとに試験があり、それに合格することで次のカリキュラムに進める形でした。私は入社4年目でデビューしました。
――早い段階でカットを学ぶんですね。
そうなんです。他サロンに比べて早い分、デビュー時点でのカットにまつわる知識量は多かったですし、頭の形にあわせたデザインのレベルも高かったと思います。また、このサロンではカリキュラムをクリアし次第、モデルカットができるようになるのでデビューまでに比較的多くの施術が可能です。人頭に慣れた状態でデビューできるので緊張や不安はあまりありませんでした。
自由時間の少なさに悩んだアシスタント時代。友人との遊びでリフレッシュ
――アシスタント時代で辛かったことは?
プライベートの時間が少なかったことですね。アシスタントは習得しなければならないスキルが多いため朝早くから夜遅くまで活動していました。また私の場合、美容専門学校の勉強も並行して取り組んでいたので、自由な時間はかなり限られていて。体力的にも精神的にも辛かったです。
――その辛さとはどのように付き合っていったのでしょうか。
睡眠時間を削って友人と遊びに行くことで解消していました。私は家でゆっくり休むよりも人と話したり、遊んだりして過ごすほうが気分をリフレッシュできるんです。寝不足で体力的な辛さが加速することもありましたが、仕事を続けるうえでは精神面のほうが大切だと思っていました。精神が不安定では、小さなミスやつまずきでも挫折につながりやすくなります。
後編では、大井さんがいち早くデビューするために取り組んでいたことや、スタイリストに就任してからのお話についてお聞きします。スタッフに各技術のマニュアル動画を配布している「Lise」。その動画を大井さんは通勤中や帰宅後に視聴することを心掛け、自分のやり方と異なる点をみつけることで技術の上達を目指していたといいます。
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Lise
住所:東京都渋谷区神宮前3-5-4 セトル神宮前2F
TEL:03-3401-9939

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