着実に成長したいならフィードバックをもらえ!他者が新たな気づきをくれる「Lise」大井汐里さん
表参道で15年の歴史を持つインターナショナルヘアサロン「Lise」。独自開発のトリートメントやハイテクカットなど表参道トップクラスのスキルを持つ美容師が集まる同店で、スタイリストとして活躍するのが大井汐里さんです。
前編では学生時代の練習方法やアシスタント時代の過ごし方、悩みなどについて伺いました。
後編では、大井さんがいち早くデビューするために取り組んでいたことや、スタイリストに就任してからのお話についてお聞きします。スタッフに各技術のマニュアル動画を配布している「Lise」。その動画を大井さんは通勤中や帰宅後に視聴することを心掛け、自分のやり方と異なる点を見つけることで技術の上達を図っていたといいます。
今回、お話を伺ったのは…
「Lise」スタイリスト
大井汐里さん
東京ベルエポック美容専門学校出身。高校を卒業後、「Lise」に入社。現在9年目でスタイリスト兼マネージャーを務める。カットとカラーを得意としている。
自分だけでは気づけないこともあるから積極的にフィードバックをもらう
――カリキュラムを早く進めるために取り組んでいたことは?
サロン内で共有されている各技術のマニュアル動画を通勤中や自宅でよく見ていました。動画にはオーナーがスタッフに技術指導している様子が収められていて、複雑な部分までプロセスがわかりやすい内容になっています。細かな違いで最終的なデザインが変化するので、自分のやり方と異なる部分はどこなのかを探して気がついたことを踏まえて練習するようにしていました。
――なるほど。
あとは、ウィッグでヘアスタイルを仕上げるたびにオーナーからフィードバックをもらうようにしていました。完成したときにどうしてこうなってしまったのかを自分なりに分析、反省することも大切ですが、他者に見てもらって初めて気づくこともあるので積極的に声をかけていました。特にオーナーは毎回細かな部分まで1つひとつ丁寧に添削してくださったので着実に成長できました。
――デビューに向けて準備していたことはありましたか。
1対1のコミュニケーション力を鍛えていました。デビュー後はお客様と接する時間がより多くなりますし、特にカウンセリングの場面では理想のスタイルを聞き出すためにコミュニケーション力が必要不可欠です。また、自分の行動ひとつでリピートなども決まってくるので、アシスタントのうちから積極的に話題や質問を投げかけたりして会話の練習をしていましたね。
お客様のリピートがモチベーションだった新人時代
――スタイリストになってみてどんなことを感じましたか。
責任感が大きくなりました。スタイリストはカットなどの技術はもちろん、薬剤の選択やアシスタントへの指示出しなども行います。アシスタントの小さなミスも含め、すべてスタイリストである自分の責任になったので、行動1つひとつが慎重になりました。
――新人時代のモチベーションは何でしたか?
お客様のリピートですね。施術を振り返ってみて、もっといい接客やスタイルを提供できたかもしれないと落ち込むことがあります。でも再び来店いただけると、前回の施術が肯定されたような気持ちになるんです。
また、リピートを繰り返すなかでお客様の生活に変化があると自分もがんばろうという気持ちになります。はじめは学生として通っていた方が社会人になったときは、次回来店いただいたときに私ももっと成長していたい、いいものを提供できるようになりたい、と特にモチベーションが高まりました。
――マネージャーを務めているそうですがキャリアアップの秘訣は?
キャリアアップのために特別取り組んだことはないのですが、強いて言うなら誠実に働き続けたことが秘訣かもしれません。私は今年で入社9年目になります。これまで会社のさまざまな変化を見てきたことで、いまの「Lise」には何が足りないのか、よりよいサービス提供のためには何をすればいいのか、などが浮かぶようになりました。そのアイデアなどを提案、共有してきたことで周囲からの信頼を獲得でき、今の役職もオファーいただけたのかもしれません。
ここまで成長できたのはお客様がいたから
――振り返ってみて、新人時代に取り組んでおけばよかったことは何ですか。
美容師同士のコミュニティをもっと広げておけばよかったと後悔しています。コミュニティが広ければ広いほど、サロンの働き方やカリキュラムなど多くの情報を得られるんです。得た情報はお客様との話題や、技術練習、スタッフとのコミュニケーションなどさまざまな場面での選択肢を広げてくれますし、心の余裕にもつながります。
――新人時代と現在を比べてみて、どのような違いがあると思いますか?
お客様への感謝の気持ちが大きくなりました。やはり自分がここまで成長できたのはお客様の存在があってこそだと思うので、アシスタント、スタイリスト、マネージャーと役職や立場が成長するたびにありがたみを実感します。また、これは美容師の魅力でもありますが、「あなたがいるから来てるんだよ」などとお客様からうれしい言葉をいただくことが多いんです。そのような場面が訪れるたびにお客様をもっと大切にしようと思います。
――最後に、新人時代を過ごしている方へのアドバイスをお願いします。
新人時代は悩んだり、辛いと感じたりする場面が多いと思います。でも、それを乗り越えた先に技術の成長やお客様の増加といった美容師の仕事の楽しさがあるんです。なので挫折したとしても転職を選んで、美容師という仕事だけは続けてほしいと思います。
大井さんが充実の新人時代を送れた3つのポイント
1.早期にカットを学び、人頭に慣れた状態でデビューした
2.マニュアル動画をよく視聴し、気づいた点を踏まえて練習していた
3.オーナーから技術のフィードバックを積極的にもらい着実に成長した
やわらかな物腰で丁寧にインタビューに答えてくださった大井さん。さまざまなエピソードを通してお客様への愛情が伝わると同時に、大井さんがお客様に愛されている理由もわかった気がしました。入社したばかりの方、これから美容師を目指そうと思っている方はぜひ参考にしてみてくださいね。
Check it
Lise
住所:東京都渋谷区神宮前3-5-4 セトル神宮前2F
TEL:03-3401-9939

-min.jpg?q=1)
-min.jpg?q=1)

-min.jpg?q=1)
