施設でも自宅でも「サロン品質」を体感してもらうのが夢【K+plus佐々木真優さん】#2
新人時代をどう乗り越えてきたのかを伺うこの企画。前編に続いて、赤羽にあるヘアサロンK+plusで、サロンワークと同時に訪問美容もこなしているスタイリスト、佐々木真優さんのインタビューをお届けします。
前編ではヘアメイクへの憧れから始まり、認知症のお客さまとの出会いを機に楽しく真摯にお客さまに寄り添う美容師を目指してK+plusへ転職するまでをご紹介しました。
後編では訪問美容を始めて難しかったことや嬉しかったこと、訪問美容でどんなことを実現したいのか、サロンではどのような接客を心がけているのかなどを伺います。
お話を伺ったのは…
K+plus
スタイリスト 佐々木真優さん
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理美容専門学校を卒業後、2020年に地元の美容室に就職。3年かけてスタイリストとしての技術を習得したものの倒産。顧客が通いやすい場所を選んで転職する。約1年後の2025年、サロンワークと訪問美容の両立がかなうK+plusに転職し、現在に至る。
念願の訪問美容を担当! 現場で学ぶことが盛りだくさん
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――K+plusに転職をして、訪問介護とサロンワークはどのくらいの割合ですか?
訪問が3でサロンが7くらいですね。サロンでは1歳にならない赤ちゃんからお年寄りまで幅広い年代の方を担当しています。
――訪問美容はどんな所へ?
介護施設やお客さまのご自宅にお邪魔しています。
訪問美容をもっと増やしていきたいんですが、まだ広く認知されていないのが悩みですね。
――訪問美容は設備が整っていない場所もありますよね。どんな部分が大変ですか?
施設にお邪魔するとき、ご本人の意志でカットを申し込むケースもありますが、ご家族や施設が申し込む場合があります。そのときの意思の疎通が難しいですね(笑)。ご本人は「切りたくない!」っておっしゃるけど、こちらとしてはカットしたい。「切った方が絶対に可愛いよ」って言いながら、お客さまの気持ちを乗せるように口とハサミを動かしながらカットしています(笑)。
――それは大変ですね(笑)。
怒りっぽくなる方もいらっしゃって、「バカ野郎!」とか「ふざけんな!」とか言われることもあります。それを真に受けてイライラしていたら時間のムダなので、「せっかく会いに来たのに、そんなこと言われたら寂しくなっちゃうよ」って言いながらカットしています。
――メンタルの強さも求められますね。
「ちゃんと話をすればお客さまの態度が変わるのかな」とも思いましたが、何も変わらなかったので、こちらが変わるしかない(笑)。
――言われ続けると落ち込みますよね。そんなときは?
お客さまの言葉で落ち込んだとき、救ってくださるのもお客さまなんですね。たとえ落ち込んでしまっても、次の現場で「待ってたのよ」とか「ありがとう!」って言われると、また来月も来なくちゃ!という気持ちになれます。
――訪問美容で良かったことはどんなことですか?
私の訪問を待っていてくれる方がいることですね。「お菓子を用意しておいたよ」っておっしゃってくださる方もいるんですよ。たくさんおしゃべりして、たくさん食べて、たくさん笑っている方は認知症にはならないですね。
――訪問美容のあとにサロンワークをする日もあるんですか?
ありますよ。訪問美容では耳の遠い方が多いので、ずっと大声で話しているんです。戻ってからすぐサロンに出てしまうと、私の声が大きいままなので(笑)、少し時間をおいて耳と声を慣らすようにしています。
訪問先のお客さまにサロン品質の施術を体感してほしい
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――サロンワークを含めて、辛かったことや失敗したことはありますか?
お客さまの思い通りのスタイルにならなかったことですね。
私のお客さまには80~90代の方もいらっしゃって、その世代の方が「いい」と思うスタイルと私が「いい」と思うスタイルに差があるんです。その差を埋められなかったときは、本当に申し訳なく思います。
――どうやって差を埋めていくんですか?
その方が普段どうヘアセットをしているのか、やり方や道具を見せてもらいます。その上で、「そのやり方なら、この部分は切った方が良いね」とかスタイルを決めていきます。
――押しつけないんですね。
やり慣れている方法でできるスタイルをご提案した方が、お客さまもやりやすいと思うんです。
普段の生活のこともじっくり伺いますよ。例えば毎日髪を洗わないなら、スタイリング剤を使わないスタイルをご提案します。
訪問の場合は、次にカットするのが二か月先なら、それまで「うっとうしい」と思わなくて済むような長さにすることもあります。
――同世代だと参考になる髪型の情報がたくさんありますが、年配の方の場合はどうしていますか?
50~60代はまだ情報があるんですが、それより上の世代はなかなかないんですよね。サロンにいらっしゃる先輩のお客さまとか、街中を歩いている方たちのスタイルをチェックしています。「こういうスタイルが好まれるのか」というのが分かるようになりました。
――佐々木さんは今、どんな美容師を目指していますか?
お客さまのライフスタイルの1パーツになることですね。例えば月に一度、髪を切る予定に組み込まれていたり、シャンプーの回数が週に何回かでも、それでも問題がないスタイルをご提案したり。お客さまの生活に関わっていける美容師になりたいです。
――訪問美容に関しては?
サロンに来られなくなっても気軽に美しくなれることを、もっと広めていきたいですね。
それと同時にサロンのクオリティーとリラクゼーションを体感していただきたい。肌の状態や体調に合わせたケアを訪問先でもできれば良いなと思っています。
佐々木さん流! 壁を突き破るための3つのポイント
1.「好き」になるために、現場に飛び込んで学びを深める
2.丁寧なヒアリングでお客さまが求めていることを探る
3.変わらないことは、自分が変わって対応する
撮影/森 浩司
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K+plus/K+plus訪問美容
住所:東京都北区赤羽南2-11-18 FKビル301
電話:03-6903-8605
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