苦手から始まったメイクが自分のウリに。美容師からさらなる道を切り開く【Ways TOKYO/noen 大木光さん】#1 

都内有名サロンを経て「Ways TOKYO」を同世代で立ち上げ、美容師として、そしてメイクアップアーティストとしても技術を磨いてきた大木光さん。

2025年2月からは、メイクアップ アイサロン「noen」の代表となり、ますます活躍の場を広げています。

今回は、そんな大木さんの美容人生にクローズアップ。<前編>では、美容師を目指したきっかけから修行時代、Ways TOKYOの立ち上げエピソードなどをお聞きしました。

お話を伺ったのは…

Ways TOKYO/noen 大木光さん

都内有名サロンで経験を積み、Ways TOKYO立ち上げに参加するためフリーランスに転身し、2019年Ways TOKYOがオープン。神宮前本店を皮切りに、表参道店、新宿店と、現在は3店舗に拡大。大木さんは表参道店の統括プロデューサーとして活動している。一方で、コツコツと技術を身につけながら構想を練り続けてきたメイクアップ アイサロン「noen」が、2025年2月ついにスタート。こちらは大木さんが舵を取り、メイクアップとアイデザイン(眉毛、まつ毛の施術)ができる専門サロンとして注目が集まっている。

OKI’S PROFILE

お名前

大木光

年齢

35歳

出身地

千葉県

出身学校

国際文化理容美容専門学校

憧れの人

大谷翔平

休日やプライベートの過ごし方

旅行、読書

仕事道具へのこだわり

シザーやメイクブラシは自分が納得するまで幾度と変更して、ようやくたどりついたお気に入りのアイテムを使用しています。

ライバル関係でバチバチだった、そんな元同期とチームを組むことに

――美容師もヘアメイクもされている大木さんですが、最初は美容師からのスタートですか?

はい、美容専門学校を卒業して東京の美容室へ就職しました。美容師を目指した理由は、当時高校生の頃に大きな夢とかは描けておらず、ファッションやおしゃれが好きで美容師さんかっこいいな〜と憧れているような、そんな感じでしたね。

最初に務めたのは原宿にあるサロンで、学生の頃からカットに通っていたお店。憧れのサロンで自分も働くことが決まって、そこから美容師としての下積みがスタートしました。

――そこではどのくらい働いていたのですか?

3年くらい働いたタイミングで、その店舗がなくなるという話になりまして。今後をどうするかいろいろ考えた結果、お世話になった先輩スタイリストが新店をオープンさせるということで、そこについて行くという形に。

――下積み時代になかなか大変な決断でした。

まだアシスタントの時だったので、他店に行くのか、シフトチェンジした方がいいのか、かなり悩みましたが、すごく尊敬していた先輩だったのもあり、そこで新たに頑張っていくことに決めました。

スタイリストデビューも叶い、いろんなことを学ばせてもらった、本当にお世話になったサロンです。

――さらにそこから数年。Ways TOKYOの立ち上げに参加することになったきっかけは何かあったのですか?

美容師をずっと続けてきて、将来的には自分で何かを創り上げていきたいという気持ちがありました。

そういった中で、前サロンの同期が一緒にお店をやらないかと声をかけてくれたのがきっかけです。もともと彼とはめちゃくちゃライバル関係というか、有名店だったので同期はみんなバチバチで(笑)。お互いライバル視していた時もありましたが、新たに事業を立ち上げるなら大木も一緒にと声をかけてくれ、僕も挑戦したいという意気込みで。そこからWays TOKYOへの道が始まりました。

――メンバーは何人かいたのですか?

そうですね、僕の他にもメンバーはいて、立ち上げの時は6人。

いろいろ構想を練るのと、あとは資金を貯めるために、フリーランスで2年間働きながらみんなでオープンの準備を進めていきました。

コンセプトやメニューの構築、インスタやYouTubeを始めたりと、フリーランス時代からすでにチームとして稼働していた形です。そこから会社にして、2019年にWays TOKYO神宮前本店がオープンになりました。

カット&カラーに特化したサロンをいち早くスタート

――Ways TOKYOのコンセプトやターゲットは?

お店を作るにあたって、どんなターゲットにどんなメニューを打ち出すのかについては徹底的に話し合って決めました。

20代半ば〜30代、ファッション感度の高い働く女性、そういったターゲット層を考えつつ、一番の戦略としてはカット&カラーに絞ったメニュー構成にしたこと。

――2019年というと、まだ専門分野に特化したサロンというのはほとんどなかった気がします。

そうですね。こちらもスタッフでかなり検討を重ね、その判断はかなり早かったと思います。今でこそ、ストレートやパーマ、髪質改善に特化しているサロンは多いですが、当時はなかった。そこを「カット&カラー」に思い切って特化することで、Ways TOKYOの強みを出していこうと。レングスもミディアム、ロングが多いです。

パーマやストレートをやるなら、それを得意としているサロンを選んで行くといいよと、僕たちからもお客様へシンプルにお伝えしています。

――若手のスタイリストが活躍しているイメージもありますが、教育方針としては何か特徴があるのでしょうか?

ジュニアカラーリスト、カラーリスト、ジュニアスタイリスト、スタイリストという段階を踏んでステップアップし、2年後にはスタイリストデビューを目指します。

メニューを絞ったシンプルな形にしているからこそできる教育だと思います。

――早い段階でお客様につくということですよね。

やはり実際にやってみないと分からなかったり、お客様を担当して初めて実感できることって多いと思うんです。

そういう学びも大切にしたいので、カリキュラムはしっかりこなしながらも、早い段階からお客様に入って経験を積めるようにする、それはうちの特徴かもしれません。

――教育の形も時代とともに変わっているのでしょうか。

それはありますよね。スピード感もそうですし、内容や教え方も。

うちも以前は「一年生」のようなくくりで教えていましたが、今は一人一人をしっかり見て「その人」に合わせた教育へ。毎年、教育方針にもテーマを持って取り組んでいくことを大事にしています。教える側も日々学んでいます。

嫌いだったメイクをとことん学んで克服。苦手がウリになることもある

――ここからは、メイクの話に。美容師だった大木さんがメイクの方へも力を入れ始めた理由は?

もともとメイクは苦手で、学生の頃はメイクの授業が嫌いでした。昔はメイクって女性だけの文化だったし、苦手だったから何となく避けてきていた。

下積みからスタイリストになり、撮影をまかされるようになると、やはり髪だけでなくメイクも一緒に仕上げてくださいというシーンが増えていく。これからは美容師だって、男性だって、メイクもできなきゃいけないんだと考えるようになり、しっかり学び出したのがスタートでしたね。必要に迫られて始めたというのが実際のところ。

――なんと! 苦手からのスタートだったとは、意外でした。

ちょうどその頃、インスタとかTwitter(現在のX)が入ってきて。メイクを学びながら、SNSに投稿してアウトプットしていく、それが楽しくて、そのままずっと継続しているような感じです。

メイクの学校にも行きました。基本の技術を学んで、あとはサロンや現場でやりながら試行錯誤です。練習して、コスメを調べていろいろ試してみたり、自分で突き詰めていきました。

――SNSのメイク動画や写真もすごくキレイで、こだわりを感じます。

ありがとうございます。始めはスマホで動画など撮っていたのですが、やはり一眼で撮った方が色も質感もキレイだと思って、カメラも少しですが勉強しました。

カメラはメイクを撮るくらいの知識しかないですけど、ヘア×メイク×カメラと「掛け算」していくことで作品のクオリティは上がっていきますし、多動的に取り組める点でも今の時代に合っているのではと思っています。


「メイクは嫌いだった」とは驚きでしたが、苦手を自分のウリにするところまで技術を磨き上げ、ついに新サロンがオープンするまでに! 後編では、メイクアップ アイサロン「noen」誕生ヒストリーとその全貌、さらにこれからの展望などをお聞きします。

取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:高嶋佳代

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大木さんのInstagram @hikaru027

Ways TOKYO 表参道店(ウェイズトウキョウ オモテサンドウ)
住所:東京都港区北青山3-5-40 PRYMECUBE表参道2F
電話:03-6459-2366
Instagram :@waystokyo
noen(ノエン)
住所:東京都港区南青山5-16-3 メゾン青南7F
電話:03-6450-5499
Instagram: @noen_tokyo

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