半径3メートルのすべてを可愛く。ブレないコンセプトでやりたいことを全力で貫く【Belle表参道店/波多野萌絵さん】#1 

2010年にオープンし、表参道・銀座・新宿・吉祥寺など、店舗を拡大しながら人気サロンへと成長したBelle。ファッションや美容感度の高い女性たちのほか、メンズのリピーターも多い、東京を代表する美容室の一つです。

今回取材した波多野さんは、表参道店でトップスタイリストとして活躍する美容師。「とにかく可愛いものが大好きなんです」という言葉の通り、女性の可愛さを引き出すスタイル提案はピカイチ。そして、美容師と両立しながら、新たに始めた耳ツボジュエリーやボディジュエリーの施術も好評で、さらなる可愛いワールドを構築中!

そんな令和ならではの働き方を更新している波多野さんにインタビュー。前編では、美容師になるまでのストーリーをお聞きしました。

お話を伺ったのは…

Belle表参道店 波多野萌絵さん

北海道の美容専門学校を卒業後、上京。都内1店舗を経てBelleに入社。アシスタント時代は、代表の撮影やセミナーなどほぼすべての仕事に同行するほどがむしゃらに走り続け、とにかく練習に明け暮れた。スタイリストデビュー後は、自身が得意とする「可愛い路線」「ミディアム・ロング」にターゲットを絞った集客で女性ファンを獲得。さらに美容師業と両立しながら、耳ツボジュエリーやボディジュエリーの施術もスタート。抜群の可愛さとセンスあふれるデザインに注目が集まる。

MOE’S PROFILE

お名前

波多野萌絵

出身地

北海道

出身学校

札幌ビューティーアート専門学校

憧れの人

堀之内、飯田、冨山の3代表

休日やプライベートの過ごし方

読書、美味しいものを食べる

仕事道具へのこだわり

ときめきがあるかどうかが私にとってすごく大切です!

何となく流れに乗って卒業した専門時代。地元で就職しようと思っていた

――まずは美容師を目指したきっかけを教えてください。

これといったエピソードは全然なくて。家族や親戚に、スーツを着て会社に行くような仕事をしている人があまりいなかったんですね。仕事=会社勤めというより、お店とかで働く人になるのかなと、子供の頃から漠然とイメージしてました。

――高校を卒業して美容専門学校へ?

はい、地元が北海道で、札幌にある専門学校へ進学しました。

専門時代は充実はしていたのですが、今思えばすごく勉強したり練習にのめり込んだタイプでは正直なかったです。

友達と遊ぶのも、洋服や髪型でお洒落するのも楽しかったし、2年間好きなことをやりながら流れに乗って卒業した感じでしたね。

――東京のサロンで働こうと思った理由は?

最初は札幌の美容室で働こうと思っていました。それまで何となく流れできてしまった自分がいて、就職にきちんと向き合えていなかったのかもしれません。

深く考え始めたら、このままでいいのかと不安になってしまい、札幌にいるビジョンが浮かばなくなってしまった。しかも2年生の冬…。

先生にいろいろ相談していたら、「波多野さんは東京に行った方がいいかもね」と言われたことがあり、そこで初めて「東京」という選択肢が出てきました。そしたらパッと先が開けたというか、東京で働くというのもありなのかと、急にワクワク楽しくなってきて(笑)

――では2年生の冬からシフトチェンジして。

その時期に受け入れてくれる東京の美容室を探しまくって、下北沢にあるサロンへ就職しました。

はりきって上京はしたものの、そんな感じで入ったサロンだったので、自分の好きなテイストとは少し違っていたりして。数ヶ月は働かせてもらったのですが、やっぱり違うな…と辞めてしまいました。

Belleとの出会いでスイッチが入り夢中で走り続けた

――Belleとの出会いは?

最初のお店を辞めて、バイトしながら次の美容室を探していた時に、雑誌でたまたまBelleの代表のスタイルを見かけたのがきっかけです。見た瞬間、「あ!私はここかもしれない!」と直感で。

さっそくサロンに行って、話を聞いてみたところ、「今ちょうど人手が足りなくて」というタイミング。「明日から働かせてください!」と、近くのコンビニで履歴書を買ってすぐに書いてそのまま提出する勢いでした。

――再スタートをきったわけですね。

アシスタントとして一からスタートです。しかも来月から新卒がくるという時期だったので、少しでも早く入ったからには頑張ろう、一年遅れの私がみんなに負けてられない! と、気合いが入りました。

朝から晩までめちゃくちゃ練習して、スマホもろくに見ず、電源が切れたまま夜中に帰る…そんな感じでとにかく夢中で働いてましたね。友達や北海道の両親も、連絡が取れなすぎて「大丈夫か、あの子は生きてるか?」と思われるほど(笑)

それほど没頭していたし、好きなものってこんなに頑張れるんだと自分でも驚きました。

――専門時代とは別人のようですね!?

いやホントに。スイッチが入るとエンジン全開で走り続けるタイプです(!)

東京は自分に合っていたんだなと、改めて感じました。東京にはたくさんの人、さまざまな人がいるから、いい意味で個人は注目されないし興味も持たれない。

髪を金髪にしてもピンクにしても、どんなに派手な格好で町を歩いても。札幌だと個性が変に目立ってしまって、私は心の中でちょっと窮屈に思っていたのかもしれません。

――Belleは立ち上げの時から注目されていましたよね。アシスタント時代もかなり忙しかったのでは?

毎日練習に明け暮れていました。それに加え、代表の撮影やセミナーには全部つかせてください! と志願して、現場でも勉強させてもらいました。

代表もほとんど休みがないくらいのスケジュールでしたが、そこに同行していた私も休みゼロの勢いで(もちろん自分でお願いしてついてました)、めちゃくちゃ頑張ったのがアシスタント時代の思い出です。

半径3メートルのすべてを可愛くハッピーにしたい

――スタイリストデビューしてからは、どんなテーマで集客していきましたか?

私の好きなテイストが、ミディアムからロングの可愛い系のスタイルでした。

当時はショートがすごく流行っていて、力を入れている美容師も多かったんですね。そこを私はあえてみんながやっていない路線、しかも自分が得意なスタイルにターゲットを絞ってやっていこうと決めました。

ありがたいことに、徐々にお客様にも来てもらえるようになって。

――波多野さんのコンセプトは、インスタを見てもすごく世界観が伝わってきます。

私のモットーが、半径3メートルくらいの人たちをみんなハッピーにしたい、可愛くしたいというのが強くあります。

髪型、洋服、メイク、食べ物、場所……、あらゆる身のまわりのものごとが可愛いと、絶対ハッピーな気持ちになれると思うから。自分が作るヘアスタイルでお客様が幸せな気分だったり、ときめきを感じてもらえたらうれしいです。

――しっかり徹底して、ブレないところがいいですね。

スタイルだけでなく、サロンの中で工夫できることは実践したりも。

商品のディスプレイに可愛いポップをつけたり、カゴに入れてみたり、お洒落なボトルはしっかり見えるように配置する。簡単なことですが、お客様により注目してもらえるようになったと思います。

――では、これまで悩んだこと、大変だったことは?

まわりのスタッフとの熱量や温度差のギャップですかね。

私は自分がこうと決めたらスイッチが入って、もうやる気まっしぐら! となってしまうんですよ(笑)。でもみんながそうではないし、自分のペースってありますよね。

私は一人ではなく、お店で人と働くという選択をした。だからこそ、まわりと一緒にやっていく努力をすべきなのに、若い頃はそれがうまく理解できなくて。

みんなもここで美容師になるために、人生をかけてきたんじゃないの、何でもっと頑張れないの! って…一人で熱くなって、出過ぎてしまいました。後から冷静に考えると、アシスタントが疲れ切ってしまったり、何となく距離ができてしまい悪循環に。

――めちゃくちゃ燃えてますね〜。その温度差をどうやって埋めていったのですか?

まわりに合わせることも大切だ、でも自分がなくなってしまうのは辛い。そこで考えついたのが、スタッフ一人ひとりの好きなポイントを見つけて、それをきっかけに自分の好きな世界観やワールドに引きつけよう作戦。

カラーを頑張っている子だったら、とびきり可愛いカラーをお客様に施術した時にそのレシピを教えて興味を持ってもらう。アレンジが好きな子だったら、こういうのはどう? と実際にしてあげたり。

はたまた売り上げに力を入れたい子だったら、コンスタントに続けることで、結果と数字はついてくる、そういうアプローチ。

――歩み寄っていくこと、大事ですよね。

自分のコンセプトややりたいことは貫きながら、みんなの魅力はどこだろう、共感してもらえるにはどうしたらいいか。そんなことを考えながら、ワークバランスを作っていきました。

いろいろ悩んだり困惑させたこともあったけれど、みんな分かってくれて、ついてきてくれて、本当にありがとうの一言です。

取材・文:青木麻理(tokiwa)
撮影:高嶋佳代

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Belle表参道店(ベル オモテサンドウテン)
住所:東京都渋谷区神宮前3-5-4
電話:03-3479-6656
波多野さんのInstagram @hatanomoe
※耳ツボジュエリー、ボディジュエリーについての問合せは、波多野さんのインスタDMへ。

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