エステティシャンの仕事に魅了されて。生涯の仕事にしようと決めた新人時代【エステティシャン 村岡千洋さん】♯1
大手エステサロンを経て2002年に独立し、現在は都心にエステサロン「La Fleur」を構える、エステティシャンの村岡千洋さん。高い技術力と、丁寧な施術、まるでお客様を包み込むような温かい接客で村岡さんのサロンは20年以上に渡って愛され、口コミや紹介だけで顧客を獲得してきたそうです。
学生時代がちょうど就職氷河期だったという村岡さん。そんな背景もあって、希望職種を絞る余裕もなく、受けた企業のひとつがエステサロンだっただけで、当初は他業種と比べて格別な思い入れもなかったといいます。
しかしその後、エステティシャンの仕事に魅了されていったといいます。
会社員としてのエステサロン勤務時代も含めておよそ30年にも及ぶ村岡さんのエステティシャン人生を振り返っていただきました。
お話を伺ったのは…
村岡千洋さん
白鴎大学経営学部を卒業後、大手エステサロンに5年ほど勤務。その後、尊敬する女性社長の元でのエステ部門の立ち上げを経験。小規模サロンの経営を学び、2002年、30歳のときに北青山(東京)にて独立し、エステサロン「La Fleur」をオープン。口コミや紹介だけで顧客を増やし、現在も都心にサロンを構える。エステティシャンとして1日でも長く活動を続けることを目標にしている。
Muraoka’S PROFILE
お名前 |
村岡千洋 |
|---|---|
出身地 |
秋田県 |
出身校 |
白鴎大学経営学部 |
プライベートの過ごし方 |
よく眠り、よく食べています。おいしいパン屋さんを探して、都内をウロチョロしています(笑)。休日はクラシック音楽、歌舞伎、落語、バレエを観に劇場に通っています。 |
趣味・ハマっていること |
体幹トレーニングを兼ねてクラシックバレエを習っています。今までしてきたトレーニングのなかで一番ハードで気に入っています。自分次第で手を抜くこともできれば、際限なく追求する事もできるところが、エステの仕事に似ていると感じています。 |
憧れの人 |
駆け出しエステティシャンのころにご指名いただいていた、本物のマダムと呼べる方。フランス語に堪能で、しばしば渡仏されていて、美しい大人の女性でありながら、同時に若々しい感性をお持ちの方でした。エステティシャンとしての美意識、人としての目標などについて、大きな影響を受けた方です。 |
きっかけはひとりの女性への憧れ。まったく意識していなかったエステの道へ

――エステティシャンになろうと思ったきっかけは?
就活のときに出会ったあるひとりの女性がきっかけでした。私の学生時代は就職氷河期だったため、希望業種を選ぶ余裕もなく、あらゆる企業を受けるという感じで、そのなかにエステの会社もあったんです。
そんななか、あるエステ会社の面接に行ったときに、人事の女性が本当に素敵で目を奪われました。外見だけでなく、立ち振る舞いや身のこなし、所作まですべてが美しく、洗練された感じがありました。エステに携われば私もこんな風になれるかもしれないと思い、エステティシャンという仕事も視野に入れるようになったんです。
その後、内定をいただいたある大手エステサロンに入社することが決まりました。
――入社後はどんなことを感じられましたか?
正直に言ってしまうと、最初に感じたのは「後悔」でした(笑)。今から30年前のことですから、当時は労働環境もあまり整っているとはいえない状態で、仕事そのものはかなり大変でしたね。
入社から1年後にはエステを生涯の仕事にしたいと考えるように

――就職後は、仕事を辛く感じることが多かったのですね。
ええ。ただそのサロンのエステ技術と使用している化粧品が本当に素晴らしくて。ここで素晴らしい化粧品に出会えたことは大きな財産になりました。化粧品というのは本当にピンからキリまであり、いわゆるプロユースの化粧品の中でも、本当に肌を変えてくれるものは、ごくわずかなのです。
多くの方はそれをご存知ないでしょうし、自分に合う化粧品に出会う機会もあまりないと思うんです。このサロンでそういった化粧品の可能性について、知ることができたのは幸運でした。
――技術力も素晴らしいと感じたのですね。
はい。指導はかなり厳しいものでしたが、その環境に身を置けたことは本当にプラスになったと思っています。ほかの大手エステサロンから店長クラスの方が、技術を学びたいと転職してくるケースもあるくらいでしたから、業界内でもとくに技術力の高いサロンだったのだと思います。大変なことも多かったですが、どんどんエステに魅了されていきましたね。
――どんな点に魅了されたのでしょうか。
今思えば幼い感覚ですが、お肌に結果が出せることにまずは喜びを感じました。またキャリア30年に至る今まで、人の身体に対する理解が深まることで、去年より今年、できることが増えていく感覚があり、その「終わりのない」ことに魅了されているのだと思います。そして何よりそれをお客様が喜んでくださいます。こんなに楽しくて、やりがいのある仕事はないと思いました。
入社から1年後にはエステティシャンを一生続けたいと思うようになりましたし、その気持ちは30年ほど経った今でも変わっていません。
自分が納得できる施術を提供できるように独立を決意

――独立された理由は?
エステの仕事を一生続けたいと考えたときに、当時の労働環境で長く働き続けるのは難しいという思いが漠然とありました。また施術をすること自体は楽しかったのですが、本当にいい化粧品を使用していても必要な量を使うことを禁じられていたり、90分かかる技術を75分で仕上げることを求められたり、せっかく最高の技術と化粧品が揃っているのにと、とても悔しい思いをすることもありました。
個人サロンとして独立すれば、自分ひとりが食べていけるくらいの利益を上げればいいだけですし、施術に必要な時間をしっかり取って、最高の化粧品を十分に使って施術ができると思い、独立を考えるようになったんです。
――なるほど。
もうひとつのきっかけが、ある女性社長さんとの出会いでした。前職時代、エステの仕事は好きだけれど続けるのは辛いから、実家の秋田に帰ろうかしらと、ちょっと愚痴をこぼしたところ(笑)、「今、エステ部門を立ち上げたいと思っているから、ちょっと待って」と引き留められて。
将来的には独立も考えていることや、自分の実現したいサロンの形など1年ほどいろいろなお話しをしながら準備をして、その会社のエステ部門の立ち上げに参加させていただきました。3年ほど一緒に働かせていただきましたが、ここで経営を学んだことで、独立が現実的になっていきました。
――2002年に独立されたとのことですが、順調でしたか?
そうですね。独立の目的は時間をかけて理想のエステを実現することだったので、その点ではすぐに実現ができました。また経営面では、自分ひとり身を立てていくことが、当面の目標でしたので、大きな壁だと感じたことはあまりありませんでした。生まれて初めて書いた事業計画書も、銀行の担当の方から「地に足がついている!」とお褒めの言葉をいただいたくらいです。普通はもう少し大風呂敷を広げるらしくて(笑)。事業として大きくしていくことは、あまり考えておらず、ただただ自分が納得いくまでお客様に向き合える毎日が本当に幸せでした。
後編では村岡さんの独立後、そして村岡さんの仕事観について伺います。独立後は予約数を絞り、1人ひとりのお客様への丁寧な施術が可能になったという村岡さん。
おひとり3時間のコースもあるそうですが、納得のいく技術を提供できる喜びで、疲れを感じることもないそうです。
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La Fleur
la.fleur2002@gmail.com
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